世界中をぷらぷらしてきた

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俺「おはようございますMさん

M「う~ん」

俺「おはようございますってば

M「なんだよ。もう朝?」

俺「時刻は午前4時半です。参りましょう」

M「参るってどこに?アラスカに?」

俺「それしかないじゃないですか!」

M「早過ぎやしないか?大体お前寝たのかよ?」

俺「寝ておりません。テンション上がりっぱなしです!」

M「本当に迷惑な奴だな。それより早過ぎ、せめて6時にしよーぜ」

俺「駄目です!Mさんあなたは時間が少ないんですよ!?今の睡眠と今後のオーロラどっちが大切なんですか?」

M「あーわかったよ。ったく数時間も寝てねーぞ」

俺「じゃ、俺もう準備出来てるんで車で待ってますね」

M「はいはい」


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俺「よーし、OKですか?それじゃ出発しますよ!」

M「待て待て!お前本当に雪道の運転大丈夫なんだろうな?」

俺「任せてくださいよ。雪国育ちですよ俺は」

M「それともう一つ心配事がある。お前行き方分かってんの?」

俺「えっ」

M「えっじゃないよ」

俺「俺てっきりMさんが調べてくれてると思ってて・・・」

M「なんだそりゃ。やめだやめ。行き方分からないでいけるわけねーだろ」

俺「大丈夫ですよ!コンビニにでも行って地図買いましょうよ」

M「コンビニなんか見たことねーぞホワイトホースで」

俺「もう!文句ばっかりなんだから!」

M「文句じゃなくて審配してんだよ!」

俺「ほら、これ見てください。レンタカー借りた時に貰ったホワイトホースの地図なんですけど、ここにアラスカハイウェイってのがありますよね?これ走ればアラスカまで行けるってわけですよ!多分

M「多分だけ小声で言ってんじゃねーよ」

俺「高速道路は日本と違って無料みたいだし、では早速参りましょう!」

M「昨日の話覚えてるよな?戻るって言ったら戻るんだからな?」

俺「GO!GO!」


こうして俺達は走り始めた。ホワイトホースの中心部を抜けて空港の前を走るアラスカハイウェイを目指す。時間にして10分程だ。当然の事ながら途中にあるコンビには全て閉まっており結局俺達は地図無しでとりあえずアラスカ方面へ走ってみることにした。路面は圧雪だったが湿気がないからか全然滑らず言うなれば砂の上を走っている感覚だった。1時間、2時間、永遠と思えるような真っ直ぐの道を何を言っているか分からないカーラジオから流れる声を聞きながら走り続けた。辺りには外灯すらなく光は車のヘッドライトだけであった。稀にすれ違う対向車に何故か少し安心し、俺達はただただ走り続けた。そして朝8時を迎える頃には完全な山の中に入っていた。明るくなるにつれ外の景色が見えてくる。うっとりするような雪原がそこには広がっているが俺はそんな景色より睡魔と闘っていた。

俺「Mさん、ちょっとここいらで休憩しましょうか?」

M「ここいらって何もねーぞ」

俺「この先いつ何があるか分からないので、そこの広場でちょっとだけ寝ませんか?

M「は?」

俺「いやね、正直言いますと凄く眠いんです」

M「お前ほんっとふざけんなよww」

俺「ささ、大自然の空気を吸いながら少しだけ夢見ましょう」

M「寝てろ。俺が運転する。免許ねーけど」


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1時間程眠っただろうか。無免許のMさんはどんどんとアラスカへ進む。目が覚めると車は湖のほとりにある小さなガソリンスタンドに停車していた。

俺「あれ?」

M「ちょっと何か食わねーか?」

俺「そうですね!あー寝た寝た。食べたら俺運転代わりますよ」

M「おう。お、サンドイッチ売ってるじゃん」

俺「いいですね!あ、あと俺道聞いてきますよ」

M「そうだなー。地図もあるか見てきてよ」

俺「がってん!店員さん、アラスカはどっち?」

店「アラスカ?このまま真っ直ぐだよ」

俺「YES!Mさん、このまま真っ直ぐだそうです!」

M「そっか」

俺「どの位時間かかるかな?」

M「なぁ?それよりガソリン入れといた方がよくね?もう半分もねーだろ?」

俺「そうですね。来るときも全然見なかったし、これからずっと山の中っぽいですもんね」

M「なんか国土の広さを痛感するよな~」

俺「おし!おっさん、レギュラー満タンな!」

店「あいよ」

ガソリンも満タンになり再び走り続ける俺達。

俺「あれ!?Mさん!あの看板!」

M「?」

俺「ブリティッシュコロンビアって書いてないですか?ほら、こっちはユーコン!」

M「おお!本当だ!州を跨いだってことだな!」


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M「お~!なんか感慨深いな!」

俺「おーし!アラスカはもう目前ですよ!」

M「そんな近いか?まだまだだろ?」

俺「あれ?」

M「ホワイトホースを出て5時間位か?100km位で走行してるから単純に500kmだよな?」

俺「ならもう十分国境付近じゃないですかね?おかしいなぁ」

M「でも道は真っ直ぐだし間違いようがないよな?」

俺「あれ?でもさっきのガソリンスタンド行くとき高速降りましたよね?それから高速乗りましたっけ?」

M「あ・・・」

俺「うーんでもスタンドのおっさんが真っ直ぐって言ってましたしね」

M「いや、やっぱ戻ろうか。高速の方が間違わないし安全っしょ」

俺「え~。もう結構走りましたよ?」

M「でも間違ってたら最悪じゃん」

俺「おっさんも真っ直ぐ言ってたし大丈夫ですよ!俺の直感を信じてください!あ!!!」

M「どうした!?」

俺「ほら!そこ!カナダボーダーって書いてある!国境ですよ!」

M「おおおお!!!」

俺「なんか小さいけど行けるのかな。どれ」


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俺「もしもし?アラスカはこの先?」

警備員「アラスカ?ああ、この先だよ」

俺「ほーらMさん!言った通りでしょう!」

M「言ったのはあのスタンドのおっさんだっつーの」

俺「どれ、アメリカへの入国手続きをしましょうか!」

M「国境越えると旅してる気になるな!おし!行くぞ!」

俺「どれ、どすればいいの?」

警「何してるんだ。早く行け」

俺「あれ?アメリカの入国手続きは?」

警「アメリカの国境はまだ先だ。カナダ出国は済んでるからもう行っていいぞ」

俺「スゲーMさん!さすが自由の国ですね!」

M「それはアメリカだよ。ここはカナダの国境だろうが」


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国境を越えてひたすら進む。外の景色は一気に白一色に染まっていく。

俺「なんか気のせいか雪多くなってません?」

M「アラスカが近づいたってことじゃね?」

俺「そっか!さすがアラスカ!」

M「すげーなぁ。木も一本も生えてねーぞ」

俺「本当ですね~!ってか・・・」

M「ああ・・・」

俺「道が・・・道が・・・」


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M「おいそんな飛ばすなって」

俺「マジで何も見えないんですけど」

M「これヤバくね?道見えねーぞ」


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空も曇っていた為か視界が真っ白に染まる。

俺「あれ、なんて書いてあるんですかあの看板」

M「avalanche?」

俺「アバランチェ」

M「?」

俺「アバランチ!」

M「なにそれ!?」

俺「それは・・・」

M「?」

俺「わかりません。なんでしょうね」

M「わかんねーのかよ」

俺「あ!なるほど!」

M「思い出した?」

俺「いや多分なんですけどね。俺の大好きなFF7でアバランチって出てきたなと。なんか政府と対立する組織っぽかったから思ったんですけど、ここってカナダとアメリカの国境の丁度中間じゃないですか?」

M「うん」

俺「だから、どこの国にも属さない土地って意味じゃないっすかね?」

M「あーなるほどな」

俺「ほら、FF7でもどこにも属さないみたいなポジションだったし!」

M「FFは知らないけど一つ勉強になったよ」

俺「ふふふ、おっし!アバランチで記念撮影といきましょうか!」

M「うぉー!寒いなやっぱり」

俺「フォォォォォ!!!何も見えねーぜ!!!」

警備「こらお前ら何してんだ!危ないから止まらないで国境まで走り抜けろ!」

俺「なんか怒られてません?」

M「ひがんでんだろ。仕事中に楽しそうな姿見せられたからな」

俺「そっか。フハハハハwwじゃーな警備員!俺達は自由の国に行って来るぜ!カナダなんかおさらばじゃ!」


1時間以上かけてアメリカの国境へ到着し入国手続きを済ませる。


俺「ねぇ?ここはもうアラスカ!?」

警備「ああ、アラスカ州だよ」

俺「いやっほおおおおお!!!Mさんついに来ましたよ!」

警備「で、お前らどこに行くんだ?滞在先と目的をここに書いてくれ」

俺「フェアバンクスにオーロラ見に行くんだよ。ノーザンライツ!イェイ!」

警備「フェアバンクス?」

俺「そうそう。アラスカのフェアバンクス」

警備「全然場所が違うぞ」

俺「え?」

M「なんだって?」

俺「なんかフェアバンクスじゃないって」

M「は?」

俺「あの、ここはどこなんです?」

警備「ここはアラスカ州だがこの先にはスキャグウェイって町しかないよ」

俺「フェアバンクスには行けないの?」

警備「ああ。この先は海だからな」

M「なんだって?」

俺「なんでもないです」

M「なんだよ!?おい!フェアバンクスはどこなんだよ!?」


とりあえずアラスカには到着。
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意気消沈して宿へ戻る2人。これほどまでにオーロラを見るのは難しいものなのか。北緯60度も超えていればどこでも見れそうなもんだが、どうやらそうはいかないらしい。さて、ツアー参加も選択肢に無くなり自力で見るという目標をかかげた俺達であったが、こうも見えないと困ってしまう。ここホワイトホースでは何も見えないが相変わらずイエローナイフでのオーロラの観測は毎晩素晴らしいものであった。


俺「うーん、Mさんどうしましょう?」

M「どうするって何が?」

俺「オーロラですよ」

M「そりゃ見たいよ。オーロラ見にきたんだからさ」

俺「はぁしかし見えるのは星空ばかりで」

M「やっぱ場所が悪かったのかなぁ」

俺「ホワイトホースがってことですか?」

M「だってイエローナイフじゃ毎晩お祭り騒ぎなんだろ?」

俺「そうみたいですねぇ」

M「なんかなぁ」

悔しいがパソコンの液晶にはイエローナイフのオーロラ情報がこれでもかと映し出されている。もういっそのことイエローナイフに行ってしまおうか?いや待て、イエローナイフに向かうには一度バンクーバーまで戻る必要があるし、バンクーバーに戻ったところで航空券の空きなんてないだろう。じゃあ車ならどうだ?レンタカーがあるし、頑張れば陸路でイエローナイフに行けるんじゃないだろうか!?俺は管理人に尋ねた。

俺「ねぇねぇ!ここからイエローナイフって車でどの位かかるの?遠い?」

管「は!?イエローナイフ!?3000km以上あるわよ!」

俺「3000kmっていうと・・・無理ですよね?」

管「当たり前じゃない!その前に遭難して死ぬわよ!馬鹿なこと考えるのはやめなさいね!」

俺「だってオーロラ全然見れないんだもん」

管「それは運だから仕方が無いわ」

俺「はぁ・・・Mさん、とりあえず明日の昼間は車もあるし街中走ってみましょうか」

M「そうだな。どうせ暇だしな」


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翌日、俺とMさんはバイソンが放牧されているという場所へバイソンを見に行ってみたが見事に大雪の為バイソンの姿はなかった。何のために入園料の20ドルを払ったのか分からず、泣きながら車へ戻る。

俺「なんかホワイトホース呪われてますね」

M「なんかなぁ。そもそもツアーに参加しなかったのが間違いだったよ」

俺「そんなことありませんよ!誰です!?ツアーに参加しないって言った本人は!」

M「おめーだよ」

俺「はい」

M「とりあえず腹も減ったしさ、何か食おうぜ。この辺何も無いし街中戻ろうか」


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その後俺達は特別美味くもない中華料理を食べ、また宿へ戻った。

俺「ねぇねぇ、今日はオーロラ見えるかな?」

管「分からないわ。でも天気はいいんじゃないかしら?」

俺「Mさん、それじゃ今晩も行きますか」

M「俺の残り時間がどんどん無くなっていく・・・」

俺「ほらそんなに悲嘆しないで!見れるかもしれませんし!」

M「はぁ・・・」

俺「ねぇ管理人さん、この辺って本当に観光場所何もないの?」

管「そうねぇ。しいて言うならクロンダイク号かしら」

俺「良く分からないけど行きましょうか!そのクロなんとか号へ!さぁ!Mさん!」

管「待ちなさい!冬季は閉鎖中なのよ!」

俺「冬季っていうと・・・?」

管「まさに今よ」

俺「なんだよ~。じゃあ他に何かないの?」

管「温泉はどう?」

俺「男2人で温泉なんか気持ち悪くて行けませんよ」

M「・・・・。」

管「じゃあ何もないわね。オーロラが見れるのを願うくらいかしら?」

俺「それじゃあMさん、祈りながら飲みましょうか」

M「はぁ~」

そして夜がやってきた。いつものように昼間に飲んで寝る、夜に起きてオーロラを見に行くという行動なのだが今日はどういうわけか外の様子が違う。

俺「MさんMさん!」

M「うん・・もう時間?」

俺「外が!外が!」

M「!!!!」

俺「凄いんですよ!やばい!」

M「出たか!?ついにオーロラ出たか!?」

俺「いやもうオーロラどころか霧が出ました!凄い霧です!

M「ふっざけんなよ。星すら見えねーじゃねーかよ」

俺「そうなんですよねぇ。どうしましょう?」

M「もう起きちゃったし寝すぎて眠れないから行くだけ行ってみようよ」

俺「無駄だと思いますけどねぇ」

M「いいから行くぞ!」

俺「あい」


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俺「Mさん、これって昼間管理人が言ってたクロなんとか号じゃないですか?」

M「あー寝る前ガイドブック見てたら書いてあったよ。中が博物館なんだって」

俺「へぇ~。霧に浮かぶ船。なんかいいですねぇ」

M「よくねーよ。オーロラはどうしたんだよオーロラはよ!?」

俺「これじゃ無理でしょうね。何も見えませんもん」

M「せっかく車あるんだし少し走ってみないか?」

俺「まぁいいですけど地図ありましたっけ?」

M「うん。俺ナビするから」

俺「あい」

それからMさんと深夜のホワイトホースをグルリと一周した俺たちは何も見えないことが分かり諦めて宿へ戻ることにした。

俺「あ~マジで最悪ですね」

M「イエローナイフよりホワイトホースの方が気候いいんじゃなかったのかよ」

俺「そう俺も聞きましたけどね~」

M「あーあ、こんな事ならフェアバンクスにするんだったよ」

俺「フェアバンクスかぁ」

M「そうそう。失敗かなぁ~」

俺「ふむ」

M「どしたの?」

俺「Mさん、ここからイエローナイフは3000kmもあるって言いましたけどアラスカってそんな遠くないですよね?」

M「イエローナイフよりは遠くないけど車で行くのは自殺行為なんじゃないの?」

俺「いやでも、このままホワイトホースにいたら何も見れませんよ」

M「それは分かるけどさ、俺にはあと2日しかないわけよ?仮に走り続けてアラスカ行ってもオーロラ見て日帰りしなきゃならないし、そんな事疲れて出来るわけがないでしょ」

俺「Mさん、わたくし過去に色んな所を旅して不可能を可能にしてきた男なのでございます」

M「なんか面倒くさそうな奴だなお前」

俺「ちょっと行ってみましょうか?」

M「ちょっとってなに?アラスカに?」

俺「はい」

M「お前wwちょっとって距離じゃねーぞ」

俺「やばいって思ったら引き返しましょう!」

M「現時点でヤバイって思いしかねーよ」

俺「よし!善は急げ!決まったら即出発しましょう!一旦宿に荷物取りに帰りましょうか?」

M「無理無理!死ぬってマジで!」

俺「出発ー!GOGO-!」

M「待て待て!マジで待て!夜はやめよう。霧も濃いし、行くなら朝だろ」

俺「お、のってきましたね!」

M「必死で止めてんだよ馬鹿!」

俺「じゃあ明日早朝に出発しましょう!出発時刻は4時でどうでしょう?」

M「一つだけ条件がある。いいか?」

俺「なんでしょう?」

M「ヤバイと思ったら戻ること。その戻る権限は俺のみ有する。いいな」

俺「じゃ、明日朝4時で!おやすみなさーい!」:

M「おい」

いざアラスカへ。
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あれから数日、毎晩のように丘へ向かったがオーロラは一向に現れなかった。インターネットでイエローナイフのオーロラカレンダーを見ると毎晩のように観測されていたので俺はとにかく悔しかった。日本を離れこんな辺鄙な場所まではるばるやってきたのにオーロラが見れたのは1度だけ。その1度も頭上に降り注ぐようなオーロラではなく、肉眼では確認できずカメラを通してやっと写るようなものだったからだ。


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この日、いつものように宿の近くにある店に行きトーストを食べ酒屋に行ってまた数日分の酒を購入する。オーロラは粘りと根気が必要だとは聞いていたが昼間何もしないで宿にいるのも飽き飽きしていた。かといってホワイトホースのような小さな町には他に何か見るところなどないし、外は寒くて長時間歩く気にもならない。どんよりと曇った空を見上げながらコップにジンを注ぎチビチビ飲みながらため息を吐いた。その時だった。

「すいません、ビーズニーズってここですか?

俺「え!?日本語!?はい!ここです!どこから来たんですか?」

「バンクーバーから飛行機乗り継いでやっと到着しました。オーロラ鑑賞ですよね?」

俺「はい!」

「どうですか?見れました?」

俺「うーん、それが初日にちょっと見えたんですがその後は1回も・・・」

「そうかぁ。よいしょ、とりあえずチェックインしないと」

彼の名前はMさん、日本からやってきたオーロラ目当てのバックパッカーであった。偶然同じ部屋のドミトリーになったのでMさんと酒を飲みながら話をすることにした。

M「へぇ~。NYから!?」

俺「そうなんですよ。それなのに全然見れないし・・・イエローナイフなら毎晩出てるらしいんですけどねぇ」

M「あーやっぱりイエローナイフが正解なのかなぁ」

俺「ここでも見れると思ったんですけどね~」

M「あー、それとここ何か観光するところありますっけ?」

俺「あったら昼間っから酒飲んでないですよ~」

M「そっかぁ。そうだ、どこかいいツアー会社知ってます?」

俺「ああ、ツアーだったら必要ないですよ。歩いて行ける所にオーロラ見える丘あるんです」

M「へぇ~」

俺「今晩一緒に行ってみませんか?」

M「どうしよっかなぁ。俺滞在4日だけだから後悔したくないんだよねぇ」

俺「大丈夫ですって!もし駄目っぽかったら明日ツアー予約してみたらいいんじゃないですか?ほら、今日は日本から来たばっかりで疲れてるでしょうし」

M「それもそっかぁ。うん、そうしよう。何時頃行くの?」

俺「晴れてたら適当ですけど10時位ですかね?」

M「OK、じゃあ飲もうか」

それから俺達はくだらない話をしながら酒を飲み続けた。時差の関係かMさんは少しすると眠るとドミトリーへ戻っていったが俺は寝過ぎて全然眠れなく、また1人で暇を持て余していた。何度目になるか分からない情報ノートに貼ってあるツアー会社などのパンフレットを見ていた時だった。


俺に何かが舞い降りた


俺「レンタカー借りればいいじゃん・・・」

ツアーと言っても車でオーロラの見えるところまで走ってそこで見るのだろう。雪道の運転などが危ないからツアーに参加するのだろうけれど、俺は雪国生まれである。雪道の運転は問題ない。それに車を借りれば郊外の街の光すら見えない山の中まで行けるのではなかろうか?!俺はドミトリーへ向かった。

俺「Mさん、起きて!Mさん!」

M「ん~。なんだよ?」

俺「あの、俺思いついたんですけどレンタカー借りません?」

M「レンタカー?」

俺「はい。車があれば移動も楽だし寒い中外で待つこともないと思うんですよ!ツアーに参加するより全然安いし、それに昼間も移動できるじゃないですか!借りましょう!いいですよね!?」

M「いいですよねって運転どうするの?」

俺「俺がしますよ!東北生まれなので雪道はバチコイです!」

M「マジで?」

俺「よし!決まりですね!俺管理人にレンタカーの店聞いてきます!」

M「おい!決まってねーよ!おい!!」

俺は階段を駆け上がり管理人室へ走った。

俺「あの、レンタカー借りたいんだけどこの辺どこにあるの?」

管「レンタカー?あなた免許あるの?」

俺「勿論!」

管「必要ならオフィスからここまで迎えにきてくれるわよ。呼ぶ?」

俺「呼ぶ呼ぶ!お願いします」

管「分かったわ。呼んでおくからちょっと待ってね。20分位でくると思うわ。それより雪道は危ないから気をつけないと駄目よ」

俺「うん、ありがとー!Mさあああああああん!!」

少々強引だったがレンタカーを借りる事にMさんは納得してくれた。管理人が呼んでくれたレンタカー会社の車に乗りオフィスへ向かう。車が手に入ると思うと俺のテンションは上がりまくった。

レンタカー会社「えーっと、どのタイプがいいの?」

俺「悪路を走れるやつでお願いします!」

M「悪路とか行かないから。普通のでいいよ」

俺「じゃあ普通ので」

レ「日数は?」

俺「んじゃ1週間で」

M「おいおい!俺4日しかいねーよ。それにツアーはどうするんだよ」

俺「Mさん、ここで出会ったのも何かの縁。ツアーはキッパリ諦めましょう」

M「なに勝手に決めてんだよ」

俺「兄ちゃん、一週間でよろしく」

M「マジで言ってるの?マジ?」

俺「兄ちゃん、地図ある?」

レ「これで良ければ」

俺「いーね!んで、どこがオーロラ見るのに適してるの?てかツアー会社が行くポイントってどこ?」

レ「ポイントは知らないけどツアー会社は各々独自の見る私有地があるからそこだぞ。一般車両は入れないよ」

俺「は?」

M「ほらほら、兄ちゃんキャンセルね」

俺「いやいやいや!だって私有地だって一歩外に出れば見えますよね?そこでいいじゃないですか」

M「俺は後悔したくないんだよ~」

俺「兄ちゃん、MさんもOKしてくれたので一週間でよろしく」

レ「あいよ」

M「はぁ・・・・」


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車を借りた俺等はまず酒屋へ向かった。今日買った量だと2人で飲むには少な過ぎる。てか考えてみると思いっきり飲酒運転だな俺。

俺「Mさん、とりあえず宿に戻って夜に備えましょうか!」

M「これ俺も割り勘なの?」

俺「当然じゃないですか~!なに言ってるんですか~」

M「はぁ・・」

その後、俺達は宿に戻り再び飲む事にした。携帯でホワイトホースのオーロラ鑑賞ポイントを探したり、管理人に地図に印をつけてもらって何か所かオーロラを見るのに適したポイントを教えて貰った。そして・・・・。


俺「Mさん、そろそろ行きましょうか!」

M「あー眠い。今何時?」

俺「深夜12時半を回ったところです!」

M「あれ!?そんな寝ちゃった?」

俺「疲れてたんでしょうね!さぁ、行きますよ!」

M「分かったよ。なんか最初乗り気じゃなかったけどなんかワクワクするな!」

俺「ですよね!1人よりも2人、2人よりも3人!楽しみは分かち合わないと!」

M「よーし、カメラも持ったし行こうか!

深夜静まり返った宿で息を殺して外へ出る。一瞬で耳が千切れそうになるくらい寒いが空を見上げると満点の星空がそこには広がっていた。

俺「おお!快晴じゃないですか!」

M「見れるの?これ見れる感じ?」

俺「それは行ってみないと分かりません!まずは俺がオススメするポイントへ参りましょう。うおっスゲー滑る!」

M「マジで運転気をつけてくれよ・・・」


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気温氷点下18度。車を停めて三脚を組み立てカメラを取り付ける。Mさんのテンションは高かった。この寒さにもめげずテキパキと組み立てていく。そんな中俺のテンションは下がっていた。どう見たって昨日までの何も写らない空と一緒なのだ。Mさんが俺に言う。

M「ねぇ、どの方向!?あっち?それともこっち!?」

俺「残念ながらどちらでもありませぬ」

M「は?」

俺「いやですね、どちらに向けても写りません」

M「何言っちゃってんの?」

俺「しいて言うなら北なのであっちですね」

M「おーっしどれどれ~!」


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何も写らなかった。
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窓の外は真っ暗だった。いつの間にか眠ってしまったようだ。もしかしたらオーロラが見えるかもしれないと胸を膨らませてカーテンを開けてみたが、そこに見えるのは街頭の灯りだけであった。どれだけ寒いのか恐る恐る窓を開けてみたが想像していたよりもずっと暖かかった。これは外に出ても平気なのではなかろうか?外を眺めると目の前にレストランが見える。せっかく夕飯にと食べるものを調達してきたが、目が覚めてしまった以上また眠るわけにもいかない。オーロラは突然現れて突然消えるとよく聞くので、見えたときにいつ外に飛び出してもいいようにダウンジャケットとカメラをリュックに詰め込んで俺は部屋を出た。


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ほとんど人がいない店のカウンターに腰掛けてビールを注文し、チラチラと外を眺めるもオーロラが出る気配はない。空は昼間とは違って雲がなくなり星は見えている。オーロラ鑑賞にはなかなかいい条件なのではなかろうか。店内を見渡しても日本人の姿が見えないことを考えると恐らくツアーに行っているのだろう。考えてみるとわざわざ遥か日本からやってきてオーロラ鑑賞をしに行かずにバーでビールを飲んでいる奴なんぞ俺くらいである。もしかしたら俺が今こうして2杯目のジョッキを空にしている間にもどこからオーロラが現れて歓声があがっているかもしれない。そんな事を考えたらどうにかして俺もオーロラを見に行きたくなってしまった。しかしどこで見ればいいのか分からない。とりあえず俺は店員さんに聞いてみることにした。


俺「すいません」

店「おかわり?」

俺「いえ、オーロラなんだけど今日見えるかな?」

店「オーロラ?うーん。どうかしらね」

俺「ここからでも見えるもんなの?」

店「見える時もあるけれど、相当強いオーロラじゃないと街中では無理よ?」

俺「ああ、やっぱそうなんだ。じゃあどこで見れるの?」

店「私は詳しくは分からないけどツアーとかに参加するんじゃないかしら?」

俺「ツアーかぁ」


やはりここは650ドル支払ってツアーに参加するのが得策なのだろうか。結局この日、俺はオーロラを見に行くのを諦めて部屋に戻ることにした。明日ビーズニーズバックパッカーズという宿に移動すれば日本人がいるかもしれないし、もしかしたら情報ノートがあるかもしれない。部屋に戻ると俺は明日以降にオーロラ遭遇の期待を込めて眠りについた。

そして翌日。


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早々にホテルをチェックアウトすると俺は外へ出た。昨晩とは違って雪が降っている。もし1日中こんな天気だったらオーロラどころの話ではない。地図を頼りにビーズニーズを探すとすぐ見つけることが出来た。1泊30ドルのドミトリーだがホテルのような清潔感と一般家庭のような居心地のよさに即チェックインすることにした。ベッドに荷物を置いてオーナーに話を聞くと情報ノートがあるらしい。見てみるとツアーに参加しなくても頑張って歩けば見れるポイントがあるらしい。中にはそこでとんでもないオーロラが見れたとも書いてある。どうやら自力での鑑賞も可能なようだ。俺のテンションは一気に上がった。しかしオーロラ鑑賞をする場合とにかく昼間が暇になる。夜通し起きているので昼寝しておかなくてはならないのだが、さぁ寝ましょうといって簡単に眠れるわけではない。しかし眠らないと夜中に辛い。だが頑張って眠れてもいざ夜中に外に出たら曇っていたという話はよくあるらしいし、晴れ渡っていたとしてもそこにオーロラがあるとは限らない。

しかし考えても考えるだけ無駄である。目的がオーロラなのだから見れても見れなくても夜に備えるしかないだろう。酒だ!ここは酒である!何もすることが無いとなったら昼間から飲めばいい。幸いにもここビーズニーズもwi-fiの環境は整っているので暇つぶしはなんでもできるだろう。オーナーに酒屋の場所を聞くと30分位歩かなくてはならないそうだが昼間のホワイトホースを歩くのもいいだろう。地図に印をつけてもらい俺は外へ出た。昼間のホワイトホースはそこまで寒くはない。もしかしたら地元東北のほうが寒いのではなかろうか?どうにか酒屋へ辿り着いた俺は数日分の酒を購入し、また宿へ戻ることにした。


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これだけあれば数日は大丈夫だろう。あとは夜をただひたすら祈りながら待つだけだ。

そしてスッカリ陽も沈んだ午後10時。俺はむくりとベッドから起き上がった。ダウンジャケットを着込んで外を見ると雲はない。予定通りである。あとはオーロラさえ出ていれば見えるのだろう。俺は懐中電灯を握り締め、カメラなどの機材をリュックに詰め込んで情報ノートに書いてある丘を目指した。


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町を出て街灯が無くなった住宅街を抜け、更に横道に入って坂を登る。ここで突然懐中電灯が故障したら完全に遭難する自信さえある。そんな真っ暗闇のなか丘の上へ登るとそこには一面の星空が広がっていた。懐中電灯を咥えてリュックの中からカメラを取り出し三脚を設置する。そして遠くに向かってカメラを設置し30秒間シャッターを開いてみる。


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ん!?


なんか下の方が緑になってないか?

寒さも忘れて夢中でシャッターをきる。

やはり緑がかっているものが写っている。間違いない。オーロラだ。肉眼で見ると何も見えないがカメラのレンズを通すことでどうにか写るようだ。相当ショボいのだろうが俺にとって記念すべき初オーロラだ。ここで数日粘ればきっといい結果が残るだろう。この日、俺は2時間程カメラのバッテリーがなくなるまでシャッターを押し続けた。結局同じような写真ばかりになってしまったがオーロラは見えるという事実がわかっただけでも満足だった。宿に戻りベッドに横になると興奮して眠れなかった。たった少しの時間だったがオーロラを見ることができたのだ。それだけで俺は満足だった。写真からすると遥か遠くに写っていたのでツアーに参加したところで見えたオーロラは同じだろう。そう考えると別に無理してツアーに参加することなどないのではなかろうか?650ドルも支払うなら、その金で入れるだけここにいてオーロラを探した方がいいのではなかろうか?

こうして俺はツアーに参加せず自力でオーロラを見るという無茶な選択をしたのであった。そして犠牲者も現れるのであった。
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朝目が覚めると体調はそこまで悪くなかった。いや、むしろ回復したと言ってもいいのではなかろうか?一応病み上がりの為にシャワーは浴びず、そのままの服装で俺は宿を出る事にした。これから向かうのはカナダでも北の地ホワイトホースだ。いわゆる極北と言われる地域である。ホワイトホースはイエローナイフに比べて海に近いので気温はそこまで低くはないようだが、低くないとは言っても極北である。氷点下10度以下は覚悟しなければならない。俺は荷物をパッキングする際に取り出しやすいようにダウンジャケットを1番上に入れ宿を出た。

フライトの時間までまだ数時間も時間があるので朝食にこの旅で何個目になるか分からないハンバーガーを食べ、空港へ向かうことにした。それにしても旅をしてて食事というものは結構重要なものである。飯が美味い国は旅をしてて楽しい。だが味は悪くないのだがファーストフードばかりの毎日に若干嫌気がさしていたのも事実だ。ホワイトホースに行ったら思いっきり自炊しよう。そう心に決め、フライトまでの時間を使い念入りにホワイトホースの地図や空港から町へのアクセスを復習した。


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フライトの時間がせまり搭乗口へ向かうと、そこにま回りの飛行機に比べ一回りも二回りも小さなエアカナダの飛行機が待っていた。考えてみるとホワイトホースになんて現地の人間は用事などないだろうし、そこまで大きな飛行機は必要ないのかもしれない。50人程度で満席になってしまう小さな飛行機に乗り込むと前や後ろから聞き覚えのある言葉が聞こえてくる。日本語だ。やはりオーロラ鑑賞は日本人に相当に人気なようだ。そんな俺もオーロラが目当てでこうして旅をしているのだからとやかく言う事はできない。飛行機はバンクーバーを飛び立つと雪に覆われた山を越えて飛んだ。窓の外を見ると日本では見る事のできないような高い山々が真っ白に染まっている。うっとりするような光景を眺めながら時間が経つのを忘れそうになったが俺にはまだ今晩宿泊する宿がない。NYの二の舞になるのはごめんなので宿を探す事にする。しかしホワイトホースの宿はどこも高い。唯一見つかったビーズニーズバックパッカーズという宿でも一泊30ドル程度だ。だが他のホテルは100ドルを超えるのも当たり前にある。俺は悩んだ。

そもそもツアーに参加してオーロラを見ようとしているので、ツアーに参加すれば2日程の宿はついてくる。まずはそのツアーに参加して情報収集すればいいだろう。2日もあれば大きな町ではないので宿は見つかるだろうし、最悪ビーズニーズに宿泊すればよい。もしかしたらツアーで仲良くなれる人がいるかもしれないしね。そもそも1人で右も左も分からない土地で、いつ、どの方向に出るか分からないオーロラを見ようなんて無茶ってものだ。もしそんな事が可能ならばツアーなんぞもうからないだろう。そう自分に言い聞かせ、俺はまた窓の外を眺めた。そして飛行機がホワイトホース空港に到着したのはバンクーバーを飛び立ってから約2時間半後だった。


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とても小さな空港で、荷物を受け取るとツアー参加者を迎える為のお迎えがプラカードを持って自分達の客を呼んでいる。空港に降り立った旅行者のほぼ100%が各々予約したのであろうツアー会社のバスに乗って去っていく。1人ポツンと空港に残された俺はとりあえずインフォメーションでバス停の場所を聞くことにした。調べた結果空港から市内まではバスで簡単に移動できるらしいのだ。バスは1時間に数本しかないのでついでに俺はツアーについて調べることにした。空港内にはいくつかツアー会社のインフォメーションデスクがあったのだ。

俺「あの、すいません。オーロラ見るツアーに参加したいんですけど」

受「1人かい?」

俺「うん。1人」

受「OK任せな。うちは1人での参加でも問題なしさ!防寒具の貸し出しもするし送迎だって勿論するし、オーロラを待っている間は温かいスープだって・・」

俺「ちょちょちょっと待って。値段はいくらなの?」

受「3泊4日で650ドルさ」

俺「高けぇ・・・。ちょっと待ってね、考えさせて」

3日で650ドルって相当にやばいぞ。10日もツアーに参加したら20万円位になってしまう。そもそも俺の手持ちは10万円もない。それで650ドルはヤバ過ぎるだろう。でもツアーに参加しないとオーロラは見れないし、参加するにしても高いし・・・。よし、ここはとりあえず安宿見つけて宿でゆっくり考えよう。どうせ他にもツアー会社はいっぱいあるだろうし、その中で安くていいところも沢山あるはずだ。大概空港なんかにあるところは高いんだよ。

俺「ってなわけでまたね。バイバーイ」

受「え?!おい!?なんだ!?お前どこ行くんだ!?おい!?」


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空港を出るとそこはもう一面白銀の世界だった。いや、氷の世界と言った方がシックリくるかもしれない。野外にあるもの全てが凍てつく極北の地で俺は「どこがイエローナイフよりは温かい」だと怒りを感じながらバスを待った。バス停のベンチは既に凍りついており昼間だというのに人の姿は全くない。いや、人の姿どころか動物の姿も見えない。大丈夫なのかここは・・・。手足の感覚が寒さでおかしくなってきた20分後、やっとバスはやってきた。車内にも人はまばらでここホワイトホースは本当に小さな町なんだという事が実感できる。15分程でバスは終点のターミナルへ到着した。運転手に町の中心部はどこか尋ねるとここがそうらしい。これはなかなかに田舎だぞ・・・。うちの地元位の規模である。ダウンジャケットを2枚着こんで地図を眺めながら安宿へ向かう。空はどんよりと曇っていて仮にオーロラが現れてもきっと雲の上だろう。そう考えると先程空港でツアーに参加しなかったのは正解である。

ホテルは意外にも簡単に見つける事ができた。値段を聞くと40ドルとちと高いのでビーズニーズという安宿へ移動したかったが病み上がりと疲れと寒さから今日はもうここでいいと部屋を取った。荷物を置いて近くのコンビニへ向かい食べ物を調達する。食べ慣れない味の日清カップヌードルにお湯を注いですすり、お腹が満たされると俺は泥のように眠りに落ちた。