世界中をぷらぷらしてきた

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俺「ヨルダン・・・って・・・」

大和「ヨルダンだよ。それしかねぇじゃん」

大和の言うことはもっともだ。俺は勝手にビザの期限がまだまだあると勘違いしてしまっていたのだ。現時点でビザの残り日数は1日半。それなのに俺はシリア最北部のアレッポという街に未だいるのである。絶望的だった。これから1日半で南下を続けてヨルダンへの入国をしなければならない。俺は何の情報も持っていないのでこの時点でヨルダン入国の際にビザが必要なのかすら知らなかった(ヨルダンは必要なし)。

俺「うん・・・だよな。今更トルコに戻っても仕方ないしね」

大和「ああ。てかぷら君さ、俺に感謝だぞ。俺が見つけてなかったら完璧にアウトだったじゃん」

俺「本当だよ。マジで大和ファインプレーだったな!」

大和「そんじゃ明日朝1番で行動しないとな。でさ、明日宿を出るときに俺の姿が見られたら宿代を倍請求されそうじゃん。だから俺今日は野宿するよ」

俺「なんか申し訳ないなぁ」

大和「気にするなって。タダで泊まらせてもらってんのは俺の方なんだからさ。じゃあな」

大和はそう言うと部屋を出て行った。飲み残しの酒を飲みながら、どうやってヨルダンまで行くか慎重に考える。現実的なルートは2種類だった。バスでガンガン南下する方法と、金を払って飛行機で飛ぶ方法だった。飛行機で飛ぶのは悪くない。最悪カードでチケットを買えば現金は減る事がない。日本に帰れさえすればどうにかなる。バスは安価でチケットを取れるのが強みだが、明日当日ターミナルへ行ってそう簡単にチケットが取れるのだろうか。俺は悩んだ。するとベランダ下から俺を呼ぶ声がする。大和だ。

大和「おーい!ぷら君~!」

俺「どうしたの!?待って、今おりてくから」

俺は急いで階段を駆け下りた。

俺「はぁ・・・はぁ・・どうした?」

大和「俺さ、今から稼ぎに行ってくる」

俺「今から?」

大和「一応世話になったしな。ぷら君と過ごした時間、悪くなかったよ。実は俺も1人で寂しかったんだ。金もないし不安だらけだったよ。もしさ、もしだけど今から頑張ってバスのチケットを買えたら俺もぷら君と一緒に南下しようと思うんだ」

俺「マジで?てか稼がなくていいよ。俺が貸してやるって」

大和「そりゃ駄目なんだな。一応俺のポリシーでさ、人から金借りたり迷惑はあんまかけないようにしてるんだ。だから、明日の朝ターミナルに俺の姿が無かったら構わずヨルダンに出発してくれよ」

俺「おい大和、別に俺にはそんな気を使わなくたっていいんだよ」

大和「いやさ、なんかこうやった方が旅人らしいじゃん。俺等は旅人なんだしさ。もし稼げたらヨルダンに行くよ。それで稼げなかったら、俺はまだここに残れって意味なんだよきっと」

俺「待てって。俺理屈抜きで一緒に行きたいんだけど」

大和「俺だって一緒に行きてぇよ。だから頑張ってくる。でも・・・もし行けなかったらごめんな。その時はまたどっかで会おうぜ!」

俺「大和・・・・」

俺は泣きそうになった。まさかこんな急に別れなければならないとは思いもしなかったのだ。大和とガッシリと握手をし、明日必ずターミナルへ来るよう約束をした。

大和「じゃあな!」

俺「ちょっと待て!もし会えなかった時の為にこれ・・・」

俺は自分のメールアドレスを大和へ渡した。

大和「俺ネットカフェに行く金なんかねぇよ」

俺「いいんだ。もしさ、これから先会えなくても他の旅人がパソコン持ってたら貸して貰って今どこにいるか俺にメールをくれ。そんな奴にも会わないようなら、日本に帰ってから俺に必ずメールをくれ。いいな?」

大和「急に先輩ぶりやがって」

俺「いいから、わかったな?」

大和「ああ、約束するよ。てか俺明日行くからな!よし!時間が勿体ねぇ。早速行ってくる」

俺「明日待ってるからな~」

大和「ああ!」

大和は走って人ごみへと消えていった。俺は大和の背中が見えなくなるまで見送った。

翌朝早朝に俺は宿をチェクアウトしターミナルへと向かった。始発のバスに乗らなければ今日中に国境付近まで行く事ができない。俺はターミナルに到着するとバス会社を1件1件訪ねて回った。どうやらアレッポからヨルダンまで直行のバスは出ておらず、南下するならばシリアの首都ダマスカスへ一旦行かねばならないようだ。運良く座席も空いていたので俺は即座にチケットを購入した。


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座席は1番。あとは出発までの1時間半の間に大和がやってくるかどうかだった。待っている間、俺は非常に後悔した。引っ叩いてでも大和を連れてくるべきだった。もし俺が大和の立場だったら逆に金を貸してくれとせがんだであろう。こんな知り合いの1人も居ない異文化の地に1人で取り残されることなど考えられない。しかも大和は金がないので延々と野宿を繰り返すであろう。大和は口が悪いがどこか憎めない奴だった。やっている事はメチャクチャだが、常に自分のポリシーを持っていてそれを元に行動する。そんな人間だった。俺は願った。大和がターミナルに来る事を。


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1時間半後、無常にもバスは走り出してしまった。


大和は来なかった。


大和が金を稼げなかったのかは分からない。もしかしたらトラブルにあったのかもしれない。嫌な事だけが頭をよぎる。大和・・・無事かなぁ。


久々に乗ったバスは古さこそ感じさせるものの、快適であった。ただ20~30kmごとにある検問で兵士が銃を片手にバス車内に乗り込んできてパスポートをチェックすることだけが面倒であった。俺はその度にバックパックからパスポートを取り出して兵士に見せた。

早朝に出発したバスは陽が落ちるまで走り続けた。いい加減バスに乗っているのも嫌になってくる。バスは首都ダマスカスに近付くにつれて多くなる検問をかいくぐり、ついにダマスカス市内へと突入した。バイパスを抜け郊外にあるバスターミナルへと到着すると、外は既に真っ暗だった。ターミナル意外に光を発している場所は無く、旅行者は自分1人だけだったので一斉にタクシードライバーが寄ってくる。現地の人々は次々に手馴れた様子でローカルバスへと乗り込んでいく。お金の無い俺にとって出来るだけタクシーは使いたくないが、各方面に向かって走っていくローカルバスの行き先が分からない今、適当に乗り込むのは勇気がいる。

俺は大和にコピーさせてもらったガイドブックを眺めた。どうやらダマスカスのターミナルは郊外にあるらしく、市街地に行くには移動が必要なようだ。これではタクシーに乗るしか方法は無い。タクシーと言ってもほとんどが個人タクシーであり、政府公認のタクシーは皆無であった。以前タクシーで怖い目にあっているだけに、出来るだけ個人タクシーや無許可のタクシーには乗りたくない。俺は政府公認のタクシーを捜してターミナル内を徘徊した。

「鴨がネギをしょってる」というのはまさに今の俺のような状況なのだろう。バックパックを担いで歩いている俺に次々にドライバーが寄ってくる。皆「俺の客だ!触るんじゃねぇ!」「おい!こっちに来い!安いぞ!」「馬鹿野郎!俺が最初に見つけたんだ!」などと騒いでいる。しまいには俺を引っ張り合う事態にまで陥った。その異様な光景を見てかターミナル内にある交番から警官が出てきた。

警官「おい!何やっているんだ」

「チッ」と舌打ちをし去っていくドライバー。

俺「あの、俺ダマスカスに行きたいんですけど、どれが安全なタクシーですか?」

警官「どれって全部大丈夫だよ」

俺「はぁ・・・」

警官「ところで君は旅行者だよね?どこから来たの?」

俺「アレッポから来ました」

警官「何?アレッポから?今日出たのか?」

俺「はい」

警官「ふむ。念の為にパスポートを見せて貰えるかな?」

俺「はい・・・アレ?


無い。バックパックに入れておいたはずのパスポートが無いのである。ポケットなどを全て確かめてもパスポートがない。どこに行ったんだ。

警官「どうしたんだね?」

俺「いや・・・その・・・おっかしいなぁ」

警官「無いのかね?」

俺「いや、あります!ちょっと待ってください」

俺は最後でパスポートを触ったのはどこか考えた。そして青くなった。バスはここに来る間に何度も何度も検問を越えて来た。そしてその検問にひっかかる度に兵士にパスポートを要求されて面倒だったので、いつでも即見せられるように前の席のポケット部分にパスポートを入れたままにして、忘れてそのまま降りてしまっていたのだ。

即座に自分の乗ってきたバスを探すと、そのバスは回送で再びアレッポへ戻っていくところであった。俺は走った。大声で「ストップ!ストップ!!」と叫びながら。しかしバスは止まってくれない。更にパスポート提示を要求されたのに突然バスに向かって走り出した俺を怪しいと思ったのであろう。俺は警官に取り押さえられた。

どうしたらいいか分からず、俺は泣き叫んだ。
コメント
この記事へのコメント
話作ってるんじゃないかと思うぐらいイベント続きだな
2010/06/10(木) 19:30:25 | URL | 名無しさん@ニュース2ちゃん #-[ 編集]
大和との別れでちょっと感動してたら何という有様だ。
一難去る前に次の一難が来はじめとるなww
2010/06/10(木) 19:48:21 | URL | #-[ 編集]
いまさら言ってもだけど
お金を貸すのはポリシーに反するかもしれないから、
大和に持っていてぷら君には持っていない、
地球の歩き方 を 大和から購入すればよかったんじゃないかな。

それを読むために食事をおごっているわけだし、より所有を求めて購入に至ったと。
なんてね。コピーしたから本までは不要か。
毎日楽しみに読んでます面白い!!
2010/06/11(金) 02:46:10 | URL | エウロパ3 #EGTCt1XI[ 編集]
グッと来るよなぁ。

「逢うは別れの始まりさ。サヨナラだけが人生だ」
なんつー言葉もあるように。
2010/09/01(水) 08:01:28 | URL | 名無しのお兄ちゃん #cRy4jAvc[ 編集]
やっぱりダメダメな旅行は面白いなw
経験したくないけど
2011/04/22(金) 01:45:24 | URL |    #-[ 編集]
大和が佐久間一行で再生された。
2012/01/25(水) 00:53:40 | URL | #-[ 編集]
(´;ω;`)大和ォ...あいつは良い奴だったよ...
2014/12/27(土) 21:07:27 | URL | #-[ 編集]
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