世界中をぷらぷらしてきた

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さてどうしようか。

Mと別れた俺はとりあえずアレッポの街をあてもなく歩いた。トルコと違って回りは完全に中東の風景だ。ガラベーヤという服に身を包んだ人々が俺を珍しそうに見てくる。俺はこれから何をすればいいのか全然分からなかった。とりあえずは今日宿泊する宿を見つけなければいけない。あとは宿でジックリと今後の事を考えればよい。

それにしても暑い。一体気温は何度あるのだろうか。背中にのしかかるバックパックがズッシリと重い。最初に目に入ってきた宿に駆け込んだ。値段を聞くと日本円で300円程度。まだこの国の物価が分からないが、悪くはない値段だろう。俺は宿にチェックインした。案内された部屋はなんと個室だった。この旅始まって以来の個室に俺の胸は高鳴った。ドミトリーでは許されないあんなことや、こんな事ができる夢の個室である。広さは2畳程度、黄ばんだシーツがしかれたベッドと、お世辞にも通路とは呼べないような隙間があるだけの部屋だった。だがベランダがあり陽の光がガンガン入る。俺はとても気に入った。

さっそく共同シャワーで体を洗う。日差しでほてった体に水シャワーは最高に気持ちが良かった。俺はシャワーついでに今までに溜まった洗濯物も一緒に洗うことにした。洗剤など持ち歩いていないので、旅先で購入した泡の立たない固形石鹸で服を洗った。こんなにも汚れていたのかと思う程に水は茶色になった。


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ベランダにロープを張って洗濯物を干すと、俺は体も拭かないで裸でベッドに大の字になった。外から吹き込む生ぬるい風が、水シャワーで冷えた体に心地いい。俺はバックパックからメモを取り出した。国境でMに見せてもらったガイドブックから情報を書き出したメモだ。

これからどうすればいいんだろう。

メモを見ても地名が書いてあるだけで、特別観光するような場所は書いていなかった。今俺がいるアレッポという街には何か観光するような場所があるのだろうか。その時、俺はハッと思いついた。この宿に何かしらのガイドブックがあるかもしれない。俺は急いで体を拭き、着替えて宿の受付へ向かった。

俺「あの・・・何かガイドブックみたいなものないかな?」

受付のオヤジ「あ~、随分古いけどこれならあるよ」

俺が受け取ったのはロンリープラネット(通称ロンプラ)の中東版だった。ひどく擦り切れて汚れており、本自体が随分古いものだとわかる。ロンプラは全て英語で書かれているガイドブックで、英語が出来る人には地球上最強のガイドブックといっても過言ではないガイドブックだ。勿論日本でも購入できるが、英語が得意ではない俺は諦めて毎回「地球の歩き方」の世話になっていたのだ。

ペラペラとロンプラをめくるとアレッポの情報が書かれているページを見つけた。単語を追って読んでいくと、この街には時計塔と城があるらしい。俺はとりあえずその時計塔と城を見に行くことにした。だが、それがこの街のどこにあるかは分からない。小さな街と言っても歩いて見て回ることは到底できない。今自分のいる場所も理解していないので、下手に外に出ようものならば帰れなくなってしまう可能性すらある。とりあえず俺は今日のところは宿で大人しくすることにした。

部屋に戻りベッドに横になると俺はいつの間にか眠ってしまっていた。どれだけ眠ったのだろう。俺は何かの爆発音で目が覚めた。





パパパパパパーン!!パパパパーン!!





驚いて飛び起きる俺。なんだ?今確かに発砲音が聞こえたぞ。なんだこの街は。何がおきてやがる。

恐る恐るベランダの隙間から外を見てみる。陽は随分と沈み街は夕焼けに染まっていた。宿の下を覗き込むと昼間とは違い人が続々と出てきている。これはやはり・・・何か事件が起きたのではなかろうか。こんな時に一人というのは非常に心細いものである。






パパパパーン!!パパパパパパパパーン!!





再び爆発音が鳴り響いた。今度は確かに聞こえたぞ。しかも相当近い場所で鳴っている。俺はまた宿の下をベランダの隙間から覗き込んだ。すると人々が拍手をし歓声を上げている。一体なんなんだ?危険性は微塵も感じられなかった。俺は財布とカメラだけを持ち、外へ出た。

路上へ出ると先程まで車で埋め尽くされていた道路に車が1台もない。その代わり人・人・人の群れがあった。どの民家でも一斉に外にテーブルを並べて食事をしている。不思議な光景だ。俺は煙草に火をつけて少し周りを歩いてみることにした。そう、迷子にならない程度に。写真を撮りながら街を歩くと皆俺を見てくる。相当にアジア人が珍しいのだろう。ここシリアはとにかく欧米人の姿が見えない。アメリカと敵対している国だからなのか。いや、それ以上に旅行者の姿がないのだ。その時だった。俺は正面から歩いてくるおっさんに思い切り突き飛ばされた。


ドンッ


派手に転ぶ俺。俺は頭の中に「?」マークを大量に浮かべ、突き飛ばしたおっさんを見た。おっさんは真っ白なガラベーヤに身を包んだよく見る中東のおっさんだ。長い髭をはやしたおっさんは、俺を指差して凄い剣幕で文句を言った。


おっさん「حروف شمس!حروف شمسي!!


とにかく怖かった。何か俺悪い事をしたのだろうか。なみだ目になっている俺におっさんは煙草を消せというジェスチャーをした。煙草か!煙草が駄目なのか!?

俺は即座に煙草を消し、土下座した。


おっさんは俺の横を通り抜ける際にも何かブツブツと文句を言っていた。ものすごく怖かった。俺は逃げるように宿に戻った。宿の部屋に戻り、非常にブルーな気分で過ごしていると腹が鳴った。そういえば今日は国境でパン食べただけだなぁ。何か食べたい。食べたいけど外に出たくない。だが、結局俺は外に食料を買いに行くことにした。

恐る恐る外に出て店を探すと俺はパンとジュースを買った。そしてそれは宿に向かう途中に起こった。



目の前をボーッと見ながら歩いていると、色鮮やかなブルーのTシャツが目に入った。中東では原色の服などまず目にしないので一発でそれが旅行者だと分かった。そして驚くことに胸には「大和魂」の文字が書いてある。日本人だ。しかも思いっきり煙草を吹かしながら歩いている。これは危険だ。教えてあげないと。俺は彼に近付いた。

俺「あの・・・」

大和「うわっ」

俺「日本人ですよね?」

大和「うわぁ、ビックリした~」

俺「俺・・今日ここに来て・・・心細くて」

大和「どうしたんよ?」

俺「いや、どうもこうもないんですけど煙草、消したほうがいいですよ。俺さっき凄い怒られたんで」

大和「あ~。そりゃラマダンだからだよ」

俺「ラマダン・・・ですか?」

大和「今中東はラマダン中でさ、陽の上ってるうちは食べ物も口に入れちゃ駄目だし、煙草とかも駄目なんだよ」

俺「そうなんですか・・・」

大和「さっきバクチクなったの分かるか?」

俺「あああ!あのパパパパパーンっての!」

大和「そうそう。あれが陽の沈んだ合図なんよ」

俺「え・・・てかあれバクチクなんですか?」

大和「俺も最初はビックリしたけどな~。で、なんか用なの?」

俺「あ・・・あの・・・今どこに泊まってるんですか?」

大和「いや、泊まっとらんよ」

俺「え・・??だって荷物も何も持ってないですよね?」

大和「あ~。まあね」

俺「こっちに住んでるんですか?」

大和「んなわけあるかいな~」

俺「はぁ」

大和「俺今から仕事に行くとこだったんだよ」

俺「仕事?」

大和「ま~今日は行っても行かなくてもいいんだけどな。で、君名前なんての?」

俺「ぷらぷらです」

大和「そか。ぷら君か。で、ぷら君、今泊まってる宿あるの?」

俺「はい、今日来たばっかりなんですけど」

大和「そこさ、俺も泊めてくれないかな?」

俺「へ?」

大和「もぐりこむ感じで・・・いけないかな?」

俺「大丈夫だとは思いますけど・・・」

大和「よっしゃ!じゃ、行こうか!」


よく分からない成り行きで大和は俺の部屋に来る事になた。話を聞くと彼は俺の3つ年下だそうだ。

俺「あのさ、何がどうなってるか全然分からないんだけどさ」

大和「俺な、トルコのイスタンブールで詐欺にあったんだよ」

俺「はぁ」

大和「スゲェ可愛い姉ちゃんがさ、逆ナンしてきて俺付いて行ったんだよね。その店で飲んでて支払いの時になったら20万円とかぬかしやがってよ~。勿論支払い拒否ったんだけど、奥からプロレスラーみたいなのが数人出てきて取り囲まれてさ」

俺「うわぁ・・・・」

大和「そんで泣く泣く支払ったよ。それで残金が1万円だけになったんだよね」

俺「マジで・・?」

大和「うんマジで。で、金も無いからイスタンブールで野宿してさ。朝起きたらバックパックも何も無くなってたってわけよ」

俺「ちょwwww」

大和「だからなけなしの金で物価の安いシリアまで来て今に至るんだ」

俺「えええええええ!?じゃ、荷物持ってないってのは」

大和「持ってないんじゃなくて無いの」

俺「金は?」

大和「ないよ。今全財産7000もないかな」

俺「ええええ!?どうやって日本に帰るの?」

大和「それがさ、俺エジプトからドバイまでのチケットは持ってるんだよ。で、ドバイから日本までのチケットも持ってる。Eチケットだから再発行簡単に出来るしね。だけどエジプトまで行く金無いんだよ。だからここで金稼いでる」

俺「それマジで言ってるの?金稼ぐってどうやって?」

大和「歌歌ってるよ」

俺「はぁ!?歌って・・・バンドとか何か日本でやってたの?」

大和「いや全然。赤とんぼ歌ってるだけだよ。どうせコイツら日本語なんかわかんねぇだろうし、何でもいいんだよ」

俺「凄過ぎるよあんた・・・」

大和「ったくさ~。ついてねーよ。エジプトまでさえ行ければなー」

俺「うん・・・。ルートとかは決まってるの?」

大和「ルートはこうやって、ここをこう行って」

俺「ちょっとちょっと!それ・・・・」

大和「これ・・・?地球の歩き方じゃん」

俺「盗まれなかったの?」

大和「こんなもんいらなかったんじゃねぇの?」

俺「あのさ、今食ってるパン、ちょっとおきなよ」

大和「なんで?」

俺「俺、これから酒と肉買ってくる。大和の分もね」

大和「マジで?奢ってくれんのか?」

俺「うん!だから、その地球の歩き方見せてくれないかな?」

大和「なんで?持ってないんか?」

俺は事の成り行きを大和に説明した。

大和「あははははは、お前アホだなー」

俺「いや、お前も十分アホだよw」

大和「OK!こんなもん見せるだけで肉食えるならいくらでも見せてやるわ」

俺「よし!!!」


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そして俺はチキンを丸々1匹とビールを買ってきた。

大和「これ、マジで食っていいんか?」

俺「勿論!俺も食うけどね」


アホとアホが手を組んだ瞬間であった。
コメント
この記事へのコメント
アホとアホw
自覚はあったのねw
2010/06/06(日) 13:12:40 | URL | #-[ 編集]
バクチク(陽の沈んだ合図)にびっくりして外に出たんだったら煙草吸ってもよかったんじゃないの?
2010/06/06(日) 13:16:30 | URL | #-[ 編集]
男性トルコ人と女性日本人が組んで詐欺してたり
日本語が堪能なトルコ人男性兄弟の詐欺は有名だけど
逆ナン詐欺はトルコでは初めて聞いた、トルコの友人に聞いてみる。
2010/06/06(日) 13:56:26 | URL | #-[ 編集]
ぷらぷらをしのぐアホ・・・だと?
しかしこいつだけは堂々と大和魂を名乗っていいような、駄目なような・・・
なんかますますマンガみたいな展開だなww
2010/06/06(日) 14:48:44 | URL | #-[ 編集]
やっぱり世界旅してると色々あるなぁ...日本がどれ程安全な国か思い知った俺なのでしたw

そしてアホとアホってryw
2010/06/06(日) 17:58:55 | URL | 黒獅子 #-[ 編集]
赤とんぼww
数ある歌からそれチョイスするとか大和はセンスあるなww
2010/06/06(日) 18:56:08 | URL | ぽんた #-[ 編集]
いいねぇ!続き早く読みたい^o^
2010/06/06(日) 22:12:52 | URL | トラベ #-[ 編集]
アホとアホが手を組んでどんな相乗効果が生まれるか期待www
2010/06/06(日) 23:42:58 | URL | #-[ 編集]
いいね、旅だ。旅行では無い、旅だ。
2010/06/07(月) 03:32:04 | URL | #-[ 編集]
大和は無事帰って来れたのかな?
2010/06/07(月) 15:04:03 | URL | #-[ 編集]
なんか凄いコンビだw
大和さんに笑ってるけど、ぷらさんも同じ目に遭ったら同じような事しそうw
魂の双子みたいに思えたw
2014/12/23(火) 23:32:05 | URL | #-[ 編集]
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