世界中をぷらぷらしてきた

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あれから2日、俺は何もすることなく寝て起きてという生活を繰り返した。あれから次々に宿泊者が旅立ち、今や残っているのはSさんというギター片手に旅をしている40代半ばのおじさんと、相変わらず会話のない同室のスペイン人の女の子だけだった。勿論Sさんとは会話こそすれど一緒に出掛けるという事はせず、ましてスペイン人の女の子は名前さえも分からない状態だった。

カッパドキアへ来て早くも1週間。俺はローズバレーしか観光をしていなかった。とても観光をする気分にはなれず、この頃俺は広場にあるアクセサリー屋へ毎日通っていた。


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この店のオヤジは格好良かった。ろくに英語も話せない俺にとても親切にしてくれた。店にあるアクセサリーは全てこのオヤジのハンドメイドだった。値段は安い物で1000円、高くても5000円だった。アクセサリーなどまったく興味が無い俺だったが、このオヤジの作るペンダントには一目惚れをしてしまっていた。オヤジは1日に2回、3回と顔を出そうが嫌な顔ひとつ見せずにチャイ(紅茶)を出してくれた。そのチャイを飲んではオヤジの作るアクセサリーを眺め、宿に戻った。今にしてみれば相当迷惑な客だったんだろう。


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ある日、もう何回目の来店か分からないが俺は性懲りもなく店を訪れた。オヤジはいつものようにチャイを自分のぶんと俺の分の二つ用意してくれた。そして会話も特にせずシーシャ(水たばこ)を美味そうに吸っていた。実はこの時凄く欲しいペンダントがあった。タイガーアイ(虎目石)のペンダントだった。値札を見ると2000円だった。2000円という金は日本にいる今でこそ大金には感じないが、この時は宿代にすれば4泊分、バス代にすれば結構な距離を移動できる金だった。

この日、チャイを飲み終えた俺は思い切ってオヤジに値引きをお願いしてみた。

俺「これ、本当に気に行ったんだけどどうにか1500円に値引きしてくれないかな?」

本当は1000円まで値引きして欲しい。でも毎日押し掛けてはチャイを御馳走になり、仕事の邪魔をしている俺にはそこまで図々しい事が言えなかった。いや、本来ならば値引きをお願いする事すら図々しいに決まっている。それを聞いたオヤジは言った。

オヤジ「お前は本当に金が無いんだろう。俺にとってこの石ころ達は数多くある石ころの中の一つに過ぎない。でも、俺はこの石ころ達に魂を込める仕事にプライドを持ってやっている。本当に欲しがっているお前の話を聞いて1000円どころか500円でも作ってやりたい気分だが、俺は自分の仕事に嘘をつくことは出来ない。だから悪いが値引きは出来ないんだ」

当然の返答だった。もしかしたら値引きしてもらえるなんて少しでも思った自分が恥ずかしかった。


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何もすることがない俺は日課のように暇になるとユカさんに教えてもらった裏の高台へと登った。いつ登っても裏切らない、変わらない風景。ただ今日は違う点がひとつだけあった。ユカさんが先に来ていたのだ。

ユカさん「ぷら君・・・」

俺「あ、ユカさん」

ユカさん「どう?元気出た?ぷら君がうちの宿に来てもう随分と経つよね?ぷら君、そろそろ動かないと駄目なんじゃない?」

俺「うん。そうなんですよね。まだローズバレーしか観光していないし。宿代が安いって言ってもお金がいつまであるわけでもないですもんね」

ユカさん「あのさ、一か所だけオススメのツアーあるんだけど行ってみない?」

俺「なんですかそれ?」

ユカさん「レッドツアーって言うんだけど、ここカッパドキアの有名所を回るツアーなの。それに参加して観光しておけば、大体ポイントは押さえられるから損はしないと思うの。カッパドキアは凄く広いから。中には自転車を借りて何日もかけて観光する人もいるけれど、大概はこのレッドツアーに参加するの。このツアーは他の宿でも参加者を募集してて人数さえ集まれば毎日やっているから、もし良かったらどうかな?」

俺「はい・・・」

ユカさん「あ、でも無理はしないでね。気分がすぐれなかったら勿論参加しなくて構わないし、いつまでもうちの宿に泊まってもらって大丈夫だからね」

俺「有難うございます」

確かにユカさんの言う通りだ。このままここに居座っても何にもならない。カナの話はもう終わった事だ。忘れようと思っても簡単には忘れられないかもしれない。でも宿でベッドに横になっていると思いだしてしまう。何か行動を起こせば、忘れられるかもしれない。いや、そんなもんじゃない。不器用な俺は忘れようなんて器用な事はできない。他に何か行動を起こすことで考える暇を無くせばいいんだ。

ユカさん「ぷら君、私先に戻るからね~」

立ち上がり宿へと戻っていくユカさんを俺は呼びとめた。

俺「ユカさん?」

ユカさん「うん?」

俺「さっきのレッドツアー、俺参加します。明日もしツアーが催されるなら俺も参加申し込んでください」

ユカさん「いいの?」

俺「はい。そして・・・そのツアー終わったら翌日俺出発します」

ユカさん「・・・・。そっか。分かった」

俺「それじゃ、俺行く所あるんで宜しくお願いします!」

ユカさん「行くところ?」

俺「はい」

俺は高台を降りてオヤジの店に向かった。ここを出る前にどうしてもあのペンダントが欲しかったのだ。

俺「こんにちは」

オヤジ「やあ、また見にきてくれたのかい?」

俺「うん。それでね、このタイガーアイのペンダントを作って欲しいんだ」

オヤジ「決めたのか?」

俺「うん。俺カッパドキアを出る事にしたんだ。諦めようかと思ったけどやっぱ欲しくてさ」

オヤジ「そうか。気をつけてな。で、やっぱりコイツが気に行ったのか?」

俺「うん。2000円でいいんだよね?」

オヤジ「いや、2000円じゃ売れんよ」

俺「へ?2000円って言ってたじゃん?」

オヤジ「お客に売るなら2000円だが、お前は友人だから1000円でいいよ」

俺「マジで?マジで言ってるの?」

オヤジ「ああ。どのタイガーアイがいい?」

オヤジは俺に通常2000円のペンダントを半額の1000円で譲ってくれた。オヤジに言われた通り数多くあるタイガーアイの石の中から自分が気にいった石を選ぶ。

オヤジ「これでいいんだな?」

俺「うん!本当に有難う!!」

オヤジ「2時間もあれば出来るから、そこで待ってるかまた取りに来てくれ」

俺「ここで待っててもいい?作ってるの見たいんだよね」

オヤジ「ああ、いいよ。じゃあチャイ持ってくるから待っててな」


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そしてオヤジはペンダントを作り始めた。石を削り、牛革を切り器用に縫っていく。石を牛革で包み込むとペンダントの形になっていく。素材から物を作る事って凄いと思う。俺はオヤジの作業に見とれていた。

オヤジ「出来たぞ。いい出来だ!」

俺「うおおおお!カッケェーーー!!!」

オヤジ「じゃ、約束通り1000円貰うぞフレンド?」

俺「本当に有難う!またトルコに来る時は絶対に顔を出すよ!元気でね!」

オヤジ「お前もな。 Have a good trip!」


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宿に帰った俺はペンダントを何度も眺めた。今すぐにでも着けたいが、ひったくりにあったらたまらない。俺は袋に入れ新聞紙に包み、ペンダントをバックパックの奥に大切にしまった。

そうだ、忘れていた。明日のツアーに参加出来るのかユカさんに聞きに行かないと。

俺「あの・・・ユカさん明日どうでしたか?」

ユカさん「ああ、ぷら君。明日大丈夫だったわよ。9時に宿の前に迎えに来るから」

俺「分かりました。じゃあ、宿泊費の清算お願いします」

ユカさん「うん、それはいいんだけどさ・・・」

俺「へ?」

ユカさん「ぷら君覚えているかな?最初にここの宿に来た時にバスのチケットの話したよね?ちゃんと明日のチケットあるのかな・・・?」









あ・・・・・・・。
コメント
この記事へのコメント
今度はいい意味で泣けた。旅先でできた友誼ってのは格別のものだよな
そして・・・もうちょっとしっかりしろww
2010/06/01(火) 22:25:20 | URL | #-[ 編集]
オヤジかっこえええ
最後に、ぷららしい落ちが付いてご馳走様でしたw
2010/06/02(水) 00:38:03 | URL | #mQop/nM.[ 編集]
カッコいいオヤジだな
傷心にこんなことされたら掘られてもいいレベル
2010/06/02(水) 08:31:34 | URL | #-[ 編集]
俺、トルコに行ったらこのオヤジに掘ってもらうんだ
2010/06/02(水) 10:42:57 | URL | #-[ 編集]
俺だったら、ゆかさんの胸で泣いてたねw
2010/06/02(水) 12:02:34 | URL | かけません #-[ 編集]
ユカさんとヤッちゃうのかと思った…
ぷらぷらがイイヤツでほんとに良かったwww
2010/06/02(水) 13:21:42 | URL | #-[ 編集]
いいオヤジに出会えてよかった
自分も物を作るのが好きだから、オヤジの気持ちもわかる

頑張れぷらぷら
2010/06/02(水) 21:32:40 | URL | #-[ 編集]
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このコメントは管理人のみ閲覧できます
2010/06/03(木) 16:27:55 | | #[ 編集]
ユカさんは勿論、オヤジさんも、ぷらぷらさんに事情がある事は分かってたんだろうね。
それで何も言わずに寄り添ってくれてたのかなあ...
悪い事もあったけれど、それだけじゃなくて、素敵な出会いもあったんだね。
その出逢いも、カナさんを追ってここまで来たからこそ、見つけられた訳で...色々考えてしまうな。
2014/12/23(火) 20:34:25 | URL | #-[ 編集]
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