世界中をぷらぷらしてきた

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ジャイプルへの列車チケットも無事に取得し、デリーで過ごした一週間は実に平和だった。俺はお決まりの宿で出発の暇で毎日ゴロゴロと過ごした。腹が減ったら宿主オススメのカレー屋へ出かけ、メインバザールの土産物屋などをひやかしつつ、気が向いたらラッシーを飲み、やることも無くなれば宿に備え付けのPCでジャイプルの情報を調べたりした。この宿にはちょっと思い出がある。ほぼ召使状態の従業員ワグニとの思い出だ。見た目は身長160cm程度、やせ細っており、左足が少し不自由で歩くときは引きずって歩くその姿が俺は今でも忘れられない。彼はいつの時間も小汚いバケツに水を入れ、雑巾を持って床を拭いていた。とにかくいつ見ても掃除をしているのだ。年齢は多分35歳程だろうか。彼は本当に少しだけ日本語が話せた。いや話せたというより日本語の単語を少し知っている程度だったのかもしれない。欧米人が多く泊まるこの宿で彼は自然に英語を覚え、英語は不自由なく話せた。

ある日、ベッドでゴロゴロしているとワグニがドミトリーへやってきた。

ワ「やぁぷらぷら、調子はどうだい?」

俺「調子いいよー。どしたの?掃除?」

ワ「いや違うんだ。ボスが呼んできてくれって言うからさ」

俺「俺を?なんだろ?」

ワ「分からない」

俺は彼を信じて受付のある1階まで降りた。だが受付には宿主の姿はなく、そこには誰も居なかった。

俺「ボスいねーじゃん?どこ?」

ワ「ふふふ。嘘ね」

俺「はい?」

ワ「今私1人で留守番してて暇なんだ。一緒にお話しようよ」

俺「おいおい・・・俺4階から降りてきたんだぞ・・・・勘弁してくれよ。戻るね」

再びドミトリーに戻り5分後、またワグニがやってきた。

ワ「ぷらぷら~ハロ~!ハワユ~?」

俺「さっきも答えたろ・・・グッドだよ。ワグニは?」

ワ「俺はいつでも元気さ。サンキュー」

俺「んで?今度はどうしたの?」

ワ「さっきは悪かったよ。ボスが呼んでるんだ。今度は本当だよ」

俺「はいはい」

ワ「本当なんだ。ボスが君を呼んでいるから来てくれ」

俺「なんだよ面倒くせーなー!」

若干イライラ気味で1階に降りるとそこには宿主が確かにいた。

俺「なに?呼んだ?」

宿「おー、わざわざ悪いな。お前日本人だよな?飯は食ったか?」

俺「いや、まだだけど」

宿「そいつはナイスタイミングだ。ちょっと頼まれごとをしてくれないか?美味い昼飯ご馳走するからさ」

俺「マジ?」

宿「ああ」

俺「何?何するの?」

宿「簡単さ。こいつを日本語に訳して、日本語でこの紙に大きくかいてくれないか?」

俺「・・・・?ウェルカムトゥー・・・ああ」

俺は渡された画用紙に「ようこそインドへ!私達は日本人が大好きです!」と書いた。

俺「これでOK?」

宿「有り難うよ!よし、美味しいカレーをご馳走しよう。ワグーニ!!!!」

ワ「はいボス」

宿「ちょっとカレー買って来い。2人分な」

俺「ワグニのは?」

宿「ないよ。こいつは下働きだからな」

俺「ええええ・・・・」


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ワグニが買ってきてくれたカレーは凄く美味しかった。マッシュルームと生クリームが入ったカレーは辛さの中にもまろやかな深みがあり、それをバターロッティーにつけて食べるととびきりの美味さだった。

俺「これマジで美味いね!どこの店なの?」

宿「現地の奴等の行きつけの店だからな」

俺「後で教えてよ」

宿「ああ」

俺「ワグニ?後で奢ってやるから行こうぜ」

宿「おい、あいつを甘やかさないでいい」

俺「なんで?可哀想じゃん」

宿「あいつとはこんな契約だからいいんだ。おいワグニ!食後のチャイ買って来い」

ワ「はい!ボス!」

宿主は数ルピーをワグニに渡すとワグニは不自由な足をひきずり、笑顔でチャイを買いに向かった。これが俺にはどうしても理解しがたかった。朝から晩まで床を拭き、どれだけ遠くに居ても宿主のちょっとこいの一声で飛んで行き、少しでも遅いと蹴飛ばされる。笑顔でチャイを買ってきてくれたワグニの笑顔と、恐らく1~2ルピーのお釣りを貰って何度も深々と頭を宿主に下げる彼の姿を見て俺は悲しくなった。この宿は夕方5時になると宿主は自分の家へと戻る。その後の店番は翌日宿主がやってくるまでワグニや他の従業員が行うのだ。だが実際他の従業員は特に何も仕事をせずTVを見て談笑するばかりで、何かあると昼間の宿主のようにワグニをこき使った。

同日夕方、いつものように宿主が家へ戻ったのを見計らい、俺はワグニを夕飯に誘った。しかし彼は頑なにそれを拒んだ。

俺「大丈夫だって!」

ワ「駄目だよ。ボスに怒られてしまう」

俺「お客である俺が言ってるんだから大丈夫だって!」

ワ「駄目だよ。駄目だよ」

俺「なんだよ。じゃあ外で話でもしよーぜ。チャイ奢ってやるよ」

ワ「それ位なら・・・」

俺はワグニと宿の外でベンチに座り、チャイを飲みクッキーをつまみながら話をした。

俺「ねぇ?ワグニって何歳なの?」

ワ「40歳さ」

俺「じゃあボスは?」

ワ「ボスは23歳さ」

俺「あいつそんな若いのか・・・。あいつ意地悪じゃない?」

ワ「なんでだい?ボスは凄くいい人だよ」

俺「どこが!?ワグニをこき使ってんじゃん。それにケチだし」

ワ「そんな事ないよ」

俺「うーん。うまく言えないけど、日本人の俺からすると相当変な印象なんだよ」

ワ「そうなのか?日本は変な国だなぁ」

俺「いやインドの方が変だよ」

ワ「そんな事ないさ」

宿「おいワグニ、お前何してるんだ?」

その時、どういうわけか宿主が突然店へ戻ってきた。

ワ「あ・・・あの・・・すいませんボス」

俺「いや俺が誘ったんだよ。ワグニは悪くないよ」


バキッ


宿主はワグニの右頬を殴った。太っていて大柄な宿主が身長160cm程のガリガリのワグニを殴ればワグニは吹っ飛ぶ。だが吹っ飛んでもなお、ワグニは何度も頭を下げて謝っていた。

俺「おい!俺が誘ったんだって言ってんだろ」

宿「こいつは俺との契約を守らなかった」

俺「ちょっと位いいだろう」

宿「駄目だ。甘やかすと癖になる。おいワグニ!分かったらさっさと床の雑巾がけをしろ!」

ワ「は、はいボス!」

ワグニは顔を真っ青にして宿の中へ戻って行った。結局この宿主は弁当箱を忘れたので戻ってきただけだった。再び宿主が姿を消してから俺はワグニの元へ謝りに行った。

俺「ワグニ本当にごめんね」

ワ「なんで謝るんだ?悪いのは俺さ」

俺「いや俺が連れ出さなかったら殴られなかっただろうし・・」

ワ「何言ってるんだ、そのおかげで美味いチャイが飲めたんじゃないか」

俺「お前・・・本当にいい奴だなぁ」

ワ「そうか?はははは」

俺はいたたまれない気持ちで一杯だった。どこの国を旅していても露骨な上下関係というのは少なからず目にしてきた。しかしどこの国でも下で働く人間は上の文句を陰で話していたり、我慢するのは今だけで、いずれお金を貯めてビッグになるんだなどと夢を話していた。しかしワグニは宿主の事を心から信用しており、一生彼の元で働きたいとまで語っていた。40歳の男性が20歳そこらの人間に奴隷のように使われている姿は、俺には理解できなかった。例えそれが文化で、当然の事であったのだとしても俺には理解できなかった。


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翌日、まだ陽も上る前の列車でジャイプルへ向かう予定だった俺は1人静かに宿を出ることにした。バックパックを担ぎ、1階へ降りるとソファーで右頬を少し黒く染めたワグニが毛布に包まって眠っていた。起こそうかなとも思ったけれど、俺はソファー下に落ちた毛布をワグニにかけ、宿を出た。


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これからいよいよゴールデントライアングルの一つ、ジャイプルへ移動である。
コメント
この記事へのコメント
ワグニ・・・(´・ω・`)
2012/02/22(水) 16:00:04 | URL | tomo6 #-[ 編集]
カーストなのかな
2012/02/22(水) 18:06:39 | URL | #-[ 編集]
カーストなんだろうね。

こういう不条理があるからインドは手放しで好きだと言えない。
魅力的な国だけどバックグラウンドが違いすぎ。
2012/02/22(水) 21:36:06 | URL | #-[ 編集]
リサへ送ったメールはどうなったんだ!?
2012/02/22(水) 23:08:04 | URL | OGI #UZ/Moakw[ 編集]
生まれた時からの環境だとそれが当たり前になっちゃうんだろうね・・・
2012/02/23(木) 12:00:21 | URL | 623 #-[ 編集]
カレー旨そう

メールの返事は?
2012/02/23(木) 19:49:44 | URL | #-[ 編集]
就職したくなかったからバックパッカーになるって言ったら女に腹抱えて笑われた俺です。
ぷらちゃんこれからも旅続けてね!
2012/02/25(土) 05:27:40 | URL | #-[ 編集]
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