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完全に俺は疲れ果てていた。思考回路は完全に停止し、体力も限界を超えていた。


しかし俺が甘かったのだ。ここは日本じゃない。発展途上国の東南アジアだ。そこで当日列車のチケットを買ってあとは寝ながら目的地に辿りつこうなんて甘過ぎた。俺はトボトボと駅を後にした。カンボジアで泊まっていた宿はカップルと俺だけで、一人ぼっちでも全然平気だったが、ここベトナムは安宿がひしめき合っているのでどこに行っても人、人、人なのだ。コミュニケーション能力が著しく欠乏している俺にはその輪が非常にわずらわしかった。


だから1人になれる宿を探したかった。でもホテルの個室に泊まる金など俺にはない。俺はあの暑く、寝ることもままならない100円宿を再び目指した。


しかしこの駅に到着するまで軽く4~5時間は歩いている。時刻は昼下がり、太陽が頭上でギラギラと燃えている。駄目だ、こんなところでへこたれるようでは俺は旅人とは名乗れないけれど、もう俺は歩けない。自分の貧弱さが嫌になったが、ここで俺はついにタクシーに乗ることを決意した。しかしタクシーに乗って宿に戻ってもまだ昼過ぎだろう。どこかせめて、今日を生きた証になるような場所を見ておきたい。日本に帰国したらそうそうベトナムを再び訪れる機会なんてないだろう。俺はタクシーに乗る前にガイドブックを開き、この辺りで手頃な何かがないか調べてみた。とりあえず該当したのがベトナム統一会堂、ベトナム戦争博物館だった。どちらもそんなに距離は離れていないので俺はまずベトナム戦争博物館に行く事にした。


大通りに出てタクシーを捜す。朝とは違って随分とバイクの数も減り、タクシーも見当たらない。そうだ、駅に行けばタクシーはいるはずだ。まだそんなに駅から離れていないし駅に戻ろう。ハノイまで行けなくなったのは残念だけど、これもまた運命なはずだ。その分今ここでホーチミンを満喫すればそれでいいじゃないか。


駅に戻り俺はタクシーを捜した。何台かに値段交渉するも少し高い気がする。しかしここで妥協してはいけない。価格競争相手は回りに沢山いるんだ。あとは俺が乗りたいという意思を示せば値段は勝手に下がってくれる。俺は待った。


タクシー「どっか行きたいの?」

俺「戦争博物館まで行きたいんだけど、おたくいくらで乗せてくれる?」

タクシー「3万ドンでどうだい?」

俺「え?!そんな安くていいの?」

タクシー「ああ、別にいいよ。さ、乗りな」


ほれみろ。相場より2万ドンも安く乗れるじゃないか。俺はドライバーの後についていった。ドライバーは駅のロータリーより少し離れた場所に車を停めていた。しかし車はタクシーではなく普通の乗用車だった。よく見ればおっさんも私服を着ている。いわゆる白タクってやつだ。しかし背に腹は変えられない。今の俺には少しでも安く乗れることが大条件なのだ。俺はその白タクの後部座席に乗った。


俺「じゃ、戦争博物館までお願いね。あ、本当に3万ドンね?」

白タク「ああ、大丈夫だって」


こうして車は走り出した。車内はボロボロだが、エアコンも効いているし炎天下の外に比べれば至極快適だ。うだるような暑さの外を車内から見ると何故早くタクシーを使わなかったのか後悔した。ドライバーは気さくな人間で俺に「日本人か?」とか「これからどこに行くんだ?」とか色々話しかけてきた。その都度俺は片言の英語で会話をした。俺は安心しきっていた。



車はどんどん走る。駅から地図で走っているところをずっと追い続けていた俺だったが、15分程車が走ったところで違和感を覚えた。地図によると駅から戦争博物館までは10kmも離れていないはず。15分は走り過ぎじゃないか?料金は最初に交渉して決めてあるので遠回りするのはドライバーの損になる。ま、なんだかんだ言って渋滞してたから遠回りして、その分の追加料金を請求してくるパターンだろう。そんなものに俺は屈しない。いつも通りに最初に決めた3万ドンを叩きつけて車を降りるだけである。


しかし車は更に走る。


俺「あのさ、戦争博物館だよ?ここ、分かってる?」


俺はガイドブックの写真をドライバーに見せた。


ドライバーは振り返ろうともしない。先程までの気さくな感じのドライバーではなくなっていた。嫌な予感がする。するとドライバーは携帯電話でどこかに電話をかけはじめた。現地の言葉なので何を話しているかは分からない。車は街中を抜けて少し郊外まで来ていた。これは100%戦争博物館へは向かっていない。車内は涼しいのに、背中に嫌な汗が流れた。


車はちょうど信号機で停車した。すると助手席にドライバーの知り合いらしき男性が乗り込んできた。おかしいぞ?非常におかしいぞ?俺は次の信号で停車したら座席に3万ドンを置いてドアを開けて走って逃げようと財布から3万ドンを抜きとって準備をした。そして信号で車が再び停車する。



俺は勢いよく金を頬リ投げてドアを開けた。



















開かない。






チャイルドロックされている。



その瞬間助手席の男が後ろを振り返って叫んだ。



男「動くんじゃねぇ!大人しくしてろ!!


俺はその時やっと気が付いた。俺は今まさに強盗に連れ去られているんだと。助手席の男はガタイも良く、手にはナイフを握り締めている。俺がいくら暴れたところで勝ち目はない。俺は泣いた。どうしていいか分からず泣いた。殺されるかもしれない恐怖とパニックで気が動転した。車は信号を曲がり路地裏で停まった。


男「いいか、殺されたくなければ金を全部出せ」

俺「うううううううう・・・・(泣)」

男「早く出せって言ってるんだ!」


殺されては意味がない。あとはどうにかなる。俺は財布から最後の命綱であるクレジットカードを抜き、財布ごと男に手渡した。財布の中には日本円にして5000円分ほどのベトナム紙幣が入っている。残りの日本円は腹巻の中に隠してある。5000円なら仕方ない。渡そう。

男「おい、お前日本人だよな?これしか持ってないわけないだろう」

俺「許してください。本当にすいません」


俺は自分で何が悪いのか知らないが謝った。

男「おい、お前金隠しているだろ?シャツめくってみろ」

俺「ううううううううう・・・・(泣)」

男「早くしろ!」

俺はシャツをめくった。

俺「へへへへ、その腹巻もよこしな」

俺は全ての現金を巻き上げられた。

男「ほれ、これは返してやるよ」

男は俺のバックパックと腹巻の中に入れていたパスポートを外に頬リ投げ、俺を路地裏に残し走り去った。俺は茫然自失で泣きながらパスポートを拾い、バックパックを担いで大通りへ向かった。こんな人気のない路地裏にいてはまた襲われるかもしれない。泣きながら俺は大通りへ向かい走った。そして交番へ駆け込んだ。


警察は話を聞いて調書を取ってくれたが、金はまず戻らないと思えと言われた。それより命を落とさなかった事を幸運に思えとも言われ、最後に白タクなんかに乗ったお前が悪いと言われた。時刻は午後3時を回ったところだった。俺は一瞬にして現金全てを失った。手元に残ったのはクレジットカードとバックパック、パスポートだけだった。


俺は交番前の路上で全身の力が抜けて座り込んでしまった。
コメント
この記事へのコメント
怖すぎだろ・・・・・・ベトナム編悲惨すぎワロエナイ

こういうの勉強になるけど、マジでよく帰ってきたよ。
タダより高いものは無いってこういうことなんだな
2010/05/06(木) 16:17:29 | URL | #-[ 編集]
い...生きてて、良かったですね...;;
一人旅って本当に怖い...男性でこれなんだから、女性じゃ絶対無理。
2014/12/21(日) 20:12:19 | URL | #-[ 編集]
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