世界中をぷらぷらしてきた

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内股でヒョコヒョコと映画館を出た俺は心配するN君に返事も返せず一目散に宿へ向かった。ドミトリーに入ると結構数の人が居て「お初です~」とか「こんばんわ~」などと挨拶をしてくれたが苦笑いで挨拶を返すくらいしか出来なく、ケツに染みを作りながらバックパックをひっくり返し、新しいパンツとタオルを持ってトイレ兼シャワー室へと向かった。しかし偶然にも誰かがトイレを使用しており入る事ができない。俺は叫んだ。

俺「すいません・・・マジですいません。ちょっと使わせてください。本当にお願いします」

女「え!?え!?ちょっと今シャワー中です」

俺「すいません。漏れそうなんです。本当すいません」

女「ええええ?!待って!!待って!!あ、私個室なんでトイレ付いてるから201の部屋のトイレ使っていいですよ」

俺「有り難うございます;;」

俺は走った。201の部屋を勢いよく開けトイレへ駆け込むと水の様な便を放出した。固形物は何も出ず完全に水状態が延々と続く。穴がキリキリと痛むが止まらない。何分間こもっていたのだろうか。便も止まっているが便座を立つこともできない。

女「あの?大丈夫ですか?」

俺「あ・・・ごめん。今出ます」

女「ううん、大丈夫。下痢ですか?」

俺「はい;;」

女「あ~、大変ですね」

染みの付いたパンツを新しいパンツに交換し、タオルに包んで俺はトイレを出た。

俺「はぁ・・・はぁ・・・」

女「うわ・・・マジで大変そうですね」

俺「いや、ほんとどうも有り難う・・・変な物食べた記憶は特に・・・あるか・・・」

女「下痢キツそうですよね。私まだなってないけど怖いなぁ・・・」

俺「いや本当ありがとう。部屋に戻ります」

ドミトリーに戻るとなんとも微妙な空気が漂っていた。N君も心配そうにこちらを見ている。

俺「いやぁ・・下痢で・・・」

男「あ~洗礼うけちゃったんだね~」

俺「洗礼?」

男「インドの洗礼だよ。きっついよね。明日薬局で下痢止め買うといいよ。日本の薬は全然効かないからさ」

俺「はい。てか皆下痢に?」

男「うん。大概下痢になるよね」

俺「そうなんだ・・・あ~もう辛かったですよ。漏らしたのなんか久々ですよ」

男「も・・・漏らしたの・・?それに久々ってどんだけ頻繁に漏らしてるんですかwww面白いですねw」

俺「あ・・・いやいや。見ます?これパンツですけど」

男「見ないしwwww持ってこないでくださいよそんなのwww菌付いてますって」

俺「あ・・・そっか」

その晩、腹痛と闘いながら夜中に何度もトイレに駆け込み水を出すだけの作業を繰り返していた俺は朝には完全に衰弱しきっていた。何度も何度も夜中に飛び起きてはトイレへ駆け込んでいたので部屋の皆にも迷惑がかかると思い宿主に部屋をシングルに変更してくれとお願いしたが残念なことに空きがなく、このままドミトリーに宿泊することとなった。とにかく下痢が止まらないし若干熱っぽい。足元もフラつく。早く薬を買いに行きたいが薬を買いに行くまでにまた漏らしそうだ。昼前、俺は意を決して薬局へ行く事にした。トイレットペーパーなど持っていなかったのでメモ帳を破りもしもの時に備えてタオルとパンツも持った。横になっていた体を起こすと若干立ちくらみもする。考えてみると丸一日水しか飲んでいないし、その水も飲んだその場から出て行く。宿の階段を下りるだけでにひびく。

メインバザールへ出て穴を押さえながら薬局を探す。宿主によればメインバザールの通りには沢山の薬局があるそうだ。しかし3分程歩いただけど強烈な便意が俺を襲う。引き返すには間に合わず、進むには無謀過ぎる。かといって野良牛の如くこの通りでしゃがみこむには人目が多過ぎる。俺は腹をくくった。漏らしてでも薬を買わなければこの先は見えない。とっとと買って宿へ戻ろう。しかしその決意を踏みにじるが如くインド人が寄ってくる。

「ジャパニー?チャイ飲んでけよ!」

「んなもん飲んだその場から噴射するわボケェ!」

「へいフレンド!うちの宿はエアコン付きで200ルピーだぜ!」

「お前みたいなフレンド居た事ねーよ!」

「ジャパニー?ウェアアーユーフロム?」

「お前・・・ジャパニーって最初に言ってるじゃねぇかよ・・・」

「ガンジャ探してるんだろ!?俺には分かるぜ!」

「お前何も分かってねぇよ!!!」


怒鳴り散らしながら必死に薬局を探すとそれとおぼしき店をようやく見つけた。

俺「あ・・・あの・・・薬を・・・」

おやじ「よう!ジャパニか?コリアンか?」

俺「ジャパニだよ・・・薬を・・・」

お「よ~しよし、今チャイでも買ってくるから待っててくれ」

俺「急いでるんだよこのボケ!!!チャイなんかいらねぇから薬よこせ!薬!!」

お「お・・・お前なんでそんな怒ってるんだよ・・・」

俺「どうでもいいから薬くれよ・・・頼むよ・・・」

お「そりゃ分かったけどここは化粧品屋だ。アーユルヴェーダ分かるだろ?彼女にどうだ?」

俺「おお・・・お・・・」

お「どうした?このクリームなんか最高にいいぞ?」

俺「薬局・・・薬局はどこ?メディシン!!」

お「あー薬だ。ほら、この先の店だよ」

俺はこの期に及んでチャイをすすめてくるおやじを振り切り、一目散に薬局へ駆け込んだ。薬局にはどう見ても店員とは見えない私服の兄ちゃんが2人携帯電話をダルそうにいじっている。

俺「あの・・・薬を・・・」

兄「お、チャイ飲むか?」

俺「飲まねぇよ!薬を・・・頼むから早く薬をください・・・」

兄「お前随分辛そうだな」

俺「だから病体に鞭打って薬局まで来てるんだろうが・・・」

兄「で、何の薬が欲しいんだ?」

俺「下痢だよ下痢!」

兄「下痢?」

俺「ああ・・・英語でえっと・・・前も下痢が言えなかったんだよな・・え~っと何だっけ。ダ・・・ダ・・・・あれ・確かスペルがこうだから・・・ディ・・・ディアレア・・・?」

兄「なんだって!!お前ディアレアなのか?!」

俺「おお!通じた!!!そうだよディアレアなんだ!早く薬を!ハリーアップ!」

兄「なぁ?お前ディアレアってなんだ?」

兄2「知らね」

兄「だよな?」

俺「コントかよ!ディアレア!ほら、こう・・・ケツからジャージャー!」

兄「ああ、ダイアリアか。ほれ、これが薬だ。朝晩1錠な。あとこれ飲め。ORS」

俺「ORS?」

兄「水に溶かして飲め」


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こうして俺は下痢止めの抗生物質とORSを手に入れた。宿に戻ると俺は薬を飲んで眠った。そしてうなされた。多分熱が出ていたのだと思う。寝返りを何度も何度もうちながら俺は思った。

「大人しくアメリカに行ってればこんな事にならなかったのに・・・」

いつの間にか俺は眠ってしまっており、目が覚めると朝になっていた。腹痛は治まっているが体がダルくて起き上がれない。口に入れられるものとすればペットボトルに溶かしたORSが3Lだけだ。この日から3日、俺は延々と風呂にも入らずベッドの上で過ごすこととなった。はっきり言ってインドの下痢をナメていた。これまで幾度と無く腹を壊したが今回程ひどいものはなかった。

下痢から1週間。ドミトリーの顔ぶれもスッカリ変わりあの時から残っているのは俺だけになってしまった。体調はすっかり元に戻った。これからどうしようか。正直どこにも行きたくなかった。汚い、ウルサイ、面倒くさいの三拍子が揃ったこのインドはどうにも好きになれなかった。宿の受付前にあるパソコンで時間を潰して航空券などを探しているとスタッフが言った。

ス「体調はもういいみたいだな」

俺「うん」

ス「で、次はどこに行くんだ?」

俺「あーもう帰ろうかなって」

ス「日本にか?」

俺「うん」

ス「確かお前ジャイサルメールに行っただけなんじゃないのか?」

俺「そうだよ」

ス「アーグラもジャイプルも行かないのか?」

俺「なんかもうね~いいやって思えちゃって」

ス「バラナシも行かないのか・・・」

俺「あ~バラナシねぇ。ガンジス川だっけ?」

ス「そうだ。聖なる川ガンガーさ」

俺「うーん。正直タージマハルとか人口の建物より自然の方が好きだから一応行ってみようかなぁ。電車だよね?」

ス「ああ、15時間程だから寝台で行けばいいよ。チケット手配してやろうか?」

俺「マジ?うーん・・・うーん・・・どうしよう」

ス「どうするんだ?」

確かにインドに来てバラナシにも行ってなければインドに来た意味なんぞないだろう。思い起こせばタイで「バックパッカーの癖にインドにも言ってない」と言われたのにカチンときたんだっけ。このままじゃ「バラナシに行ってないのにインド語るんじゃねぇよ」と言われそうだ。

俺「じゃ行ってみる!チケットお願いするよ」

ス「いつがいい?」

俺「じゃあ来週で」

ス「OK分かった。チケット取れたらまた連絡するよ」

俺「よろしくね」


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チケット手配までの1週間、俺は丁寧に穴をケアし、万全を期してバラナシへ向かうのだが再びバラナシで腹痛に襲われるのだった。
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番外編として思い出に残った食事をUPしてみました。美味しかったものから、衝撃的に不味かったものまで記憶を頼りにUPしてあります。こう思い出してみると旅をしている時に食事というものは凄く楽しみな事の一つなので観光が素晴らしい国でも食事が美味しくなかったりすると、そこまで印象が良くなかったり、逆に特別観光が面白くない国でも食事が美味しいととても印象に残ったりします。ここに俺個人のトップ&ワーストを残しておきたいと思います。もし行く機会があったら是非参考にしてみてください。


小籠包【台湾】
鼎泰豊(ディンタイフォン)という店で食べました。大抵どのガイドブックにも載っている有名店です。熱々の小籠包をつまみながら冷えた台湾ビールを流し込むのが最高でした。

羊の脳みそ【エジプト】
これは賛否両論ありますが個人的には駄目でした。よく白子に似ていると言われますが、白子大好きな俺が受け付けなかった一品。食べる店によるのかな。機会があれば1度味わってみるのをおすすめ。


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(タイカレー【タイ】)

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(アモック【カンボジア】)

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(肉パン【カンボジア】)

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(ヌードル【カンボジア】)

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(シンハビール【タイ】)

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(フライドライス【東南アジア全般】)

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(ビアホイ【ベトナム】)

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(フォー【ベトナム】)

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(フライド虫【タイ】)

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(カラフルゆで卵【タイ】)

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(チヂミ【韓国】)

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(キムチチゲ【韓国】)

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(トッポキ【韓国】)

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(海苔巻【韓国】)

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(カスビール【韓国】)

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(ケバブ【トルコ】)

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(エフェスビール【トルコ】)

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(パン?【シリア】)

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(ピタパン【ヨルダン】)

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(羊の脳みそ【エジプト】)

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(台湾ビール【台湾】)

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(ショウロンポウ【台湾】)

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(ビール&ショウロンポウ&無視餃子【台湾】)

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(海老ワンタン【台湾】)

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(火鍋【台湾】)

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(チキン&ポテト【チリ】)

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(チキン&ポテト【チリ】)

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(蟹と貝の塩煮【チリ@自炊】)

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(不明【ペルー】)

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(ステーキ【アルゼンチン&チリ@1枚100円自炊】)

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(うどん【ペルー@チャイナタウン】)

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(ハンバーグ【Pちゃん自炊@アルゼンチン】)

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(ハンバーグ【Pちゃん自炊@2人前多過ぎ】)

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(ショウロンポウ【ディンタイフォン@台湾】)

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(ドリアン【台湾】)
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(インド列車のチケット)


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(オートリクシャのメーター。ほぼ意味なし)


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(名前も覚えていないデリーの寺院)


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(初代サイババ像)


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(エアコン無し寝台列車)


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(砂漠への道)


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(ローカルバス)


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(砂漠)


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(砂丘の向こうのラクダ)


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(相棒)


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(風景)


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(虫)


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(ラクダ引き)


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(駆ける子供)


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(サンダル限界)


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(サンダル放棄)


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(夕陽1)


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(夕陽2)


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(朝日1)


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(夕陽と少年)


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(ラクダ達)


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(ファイヤーダンス)
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特別見るところもなかったジャイサルメール。いや、きっと見所は沢山あるのだろうけれど俺の心を揺さぶるような見所はなかったと言った方がいいのかもしれない。結局俺はジョードプルへも行く事をあきらめ、寝台列車でデリーへ戻ることにした。夕方5時の列車でデリーを目指すと翌日昼前にデリーへ到着する。来るときは食べ物を何も買わなかったことと、水も持っていなかったので非常に辛い思いをした。そこで今回はちゃんとした食べ物と水を買っていざ出発である。生真面目な日本人の俺は発車2時間前には駅へ到着、ただ暇を持て余しただけとの噂もある。駅のホームで何か食べ物を探すけれど何も見つからなかったので水のみを購入した。


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列車は既にホームに到着していたので中に入り自分の座席を探すと寝台三段ベッドの一番上の席であった。これはラッキーだ。三段ベッドの一番上なら最初から横になることができる。蒸し返るような列車内にバックパックを放り投げると俺はベッドの一番上へとよじ登った。発車までの2時間、暇つぶしの為に持ってきた俺の旅のバイブル、植村直巳さんの「青春を山にかけて」を読む。この本は本当に好きでかれこれ5回は読んだ本だ。とにかくぶっとんでいる彼の本は何回読んでも面白い。(オススメなので是非気になる人は読んでみて)。夢中になって本を読んでいるといつの間にかガヤガヤと列車内が賑わってきた。下を覗き込むと例の如く3人掛けの席に4人~5人が座っている。その後列車は定刻通りに出発をし、俺の2度目となるインド列車の旅が始まった。バックパックを枕にし、布切れを体に巻きつけてボーっとしていると少しずつウトウトしてきた。気が付くと日付も変わり朝になっていた。

さて、デリーに着いたらどうしようか。

この時未だに次の予定を決めていなかった俺は悩みに悩んでいた。ジェイソンがオススメしていたバラナシへ行こうか、それともタージマハルを見にアーグラへ向かおうか。しかしそれにはまず列車のチケットを手に入れないといけない。デリー駅へ到着した俺は記憶を辿り宿泊していた宿へ向かった。

俺「こんちは~」

宿「やぁ、いらっしゃい」

俺「どう?覚えてる?」

宿「勿論さ。どこに行ってきたんだい?」

俺「ジャイサルメールだよ。砂漠に行ってきたんだ」

宿「そうか、良かったろ?」

俺「う~ん、まぁまぁかな。それでさ、インドって言えばどこだろ?」

宿「インドは沢山見所があるからなぁ。お前バラナシには行ったのか?」

俺「いやまだジャイサルメール以外どこにも行ってないよ」

宿「じゃあバラナシなんかいいんじゃないか?それともデリーを基点にジャイプル、アーグラ、デリーと回るゴールデントライアングルってのもあるぞ」

俺「なにそれ格好いいね」

宿「まぁユックリ悩めばいいさ。チケットが欲しかったら宿で代行もしてるから気軽に話しかけてくれよな」

俺「うん!ありがとう!ところで今日日本人の宿泊客っている?」

宿「ドミトリーに5人ばかしいるかな」

俺「おっしゃ!じゃドミトリーでよろしく!」

3日分の代金を支払いドミトリーへ向かうと残念ながら誰もいなかった。皆出かけているようだ。考えてみるとまだデリーでの観光をしていない俺はどこか観光しても良さそうなものだが、3日もここにいるのだから今日位ユックリしていてもいいだろう。シャワー室へ向かうと誰かのシャンプーがあったので拝借し、ついでに洗濯を済ませた。


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屋上に登り洗濯物を干すとデリーの喧騒が聞こえてくる。ジャイサルメールの静けさが嘘のようだ。洗濯を干し終えた俺はドミトリーへ戻り横になった。少し眠ろうかと思ったが暑くて眠れたもんじゃない。ファンを動かし暑さをしのいでいるとN君という日本人男性が宿へ戻ってきた。彼はインドだけに2週間滞在して日本へ戻るという短期旅行者だった。

俺「はじめまして~」

N「あ、こんちはっす」

俺「どこ行ってたんですか?」

N「お土産買いにこの辺ブラブラしてました」

俺「お土産ってことはもう戻る感じです?」

N「はい。明日の夜の便でスリランカ経由で日本に戻るんですよ」

俺「そっかぁ。デリー、何かいい見所ありました?」

N「うーん、俺は微妙でしたね」

俺「他インドはどこに行ったの?」

N「バラナシに3日とアーグラに行きましたよ」

俺「やっぱそこなのかぁ~」

N「タージは思ったより感動しましたね俺は」

俺「ふむふむ。じゃあまずは俺もタージマハル行こうかな」

N「それもいいと思いますよ」

俺「今日ってこれから何かするの?」

N「うーん。とりあえず今からラッシー飲みに行って反対側行ってないんで、そっちの土産物屋散策しようとしてました」

俺「お、じゃあ俺も一緒に行っていい?」

N「是非!行きましょう!」


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N君と宿を出ると早速客引きのおっさん達が絡んでくる。それをサラッとかわし目指すはN君オススメのラッシー屋だ。


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目当てのラッシー屋に到着し、早速注文をする。俺はバナナラッシー、N君はプレーンだ。どこの水で作ったか分からない氷を砕いてラッシーの中に入れる様子は若干腹を壊しそうで怖かったが、いざ飲んでみると思いの他これが美味しく、俺はあっという間にこれをたいらげた。その後N君の買い物に付き合い色々歩き回っているうちに陽は傾き、いつの間にか外は真っ暗になっていた。

N「あ~今日は日本人の人と一緒で楽しかったです。有り難うございました」

俺「いやいや俺の方こそ有り難う」

N「帰りに何か夕飯でも食べていきませんか?」

俺「いいね!ん!?あれ何だ?」

N「ああ、あれは映画館らしいですよww」

俺「随分と味がある映画館だなぁ。よしちょっと見ていこうか」

N「え?マジですか?」

俺「うん。俺エジプトでも見たことあるけど意味分からなくて最高だよ」

N「意味分からないって・・・・」


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チケットカウンターの親父に料金を尋ねると僅か70ルピーだ。

俺「おっさん、これ何のジャンルなの?」

お「今日は最高だぜ?アクション!ラブシーン、コメディー!それにサスペンス全部込みだ!」

俺「なんだよそれ・・・ストーリーとして成り立つのかよ・・・」

N「やめて飯いきません?」

俺「いやいや見るっしょ」

N「俺飯の方が・・・」

俺「おっさん大人2名ね」

お「あいよ」

N「え~。あの、これ上映時間何分ですか?」

お「3時間だよ」

N「えええええええ」


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映画館に入ると人っ子一人居なかった。

俺「あれ・・・・」

N「全然人気ないじゃないですか。しかも汚ねぇww」

俺「まぁ、とりあえず見てみようよ」

N「はい」

いざ上映が始まるとポツリポツリとインド人がやってきた。しかしその映画館のフリーダムたるや。突然煙草を吸いだすおっさん。スクリーン前で走り回る犬と猫。タンを吐くババァ。更に映画自体完全に意味不明のものだった。我慢して1時間程みてみたが40分以上ダンスシーン。これには流石の俺も辛かった。それに加えて少し前から腹の具合が良くない。先程飲んだラッシーだろうか。

俺「ねぇ、N君。これ多分途中で休憩あるだろうから、その休憩で帰らない?」

N「俺もそう言おうと思ってました」

だがなかなか休憩が訪れない。それに増して腹が痛い。というかオナラがしたい。周りを見渡すと人が全然いないのでオナラの1発や2発問題なかろう。ただ問題は右隣にいるNである。彼に感づかれないよう、俺はそっとケツを持ち上げ、左に傾け菊の門の力を緩めた。



ピュ



生暖かい感覚がケツ一体に広がる。俺の体温が一瞬で下がったのが分かる。同時に冷や汗まで出てきた。

俺は30歳にしてインドでウンコを漏らした。
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復活したビルケンさんで再度町を目指して歩いていたがどうも方向音痴の為に迷ってしまい、その日俺は目に付いた宿で一泊することにし、屋上がレストランになっているその宿で夕飯がてら宿代とほぼ同じ料金のキングフィッシャービールを2本流し込むと気持ちよくなってきた。レストランには俺と欧米人2人しかおらず欧米さんも静かに食事をしていた。見るとインドのガイドブックを持っている。これからどこに行こうか悩んでいた俺は少しばかりガイドブックを見せてもらうことにした。欧米さんはとてもいい人で1人はジェイソン、もう1人はウィルという25歳のアメリカ人だった。

ビール2本では少し物足りず、かといって大瓶3本では持て余してしまうと思った俺は彼等に一緒に飲まないか尋ねてみることにした。俺の感覚がズレてるだけなのかもしれないけれど、酒が飲めるにも関わらず夕飯にジュースを飲んでいるのが理解できない。

俺「2人ともお酒は嫌いなの?」

ジ「いやそんなことないよ」

俺「じゃあなんで飲んでないの?一緒に飲もうよ」

最初は渋々だった2人も飲み始めると結構イケる口のようで1時間もすると空になった瓶の数は最初に俺が飲んだ2本を含めても5本になっていた。ビール以外にアルコールを置いていないのが残念だが打ち解けることもでき俺はガイドブックを見せてもらいながら簡単な英語でオススメの場所などを聞いていた。

俺「へぇ~。やっぱりバラナシは行った方がいいんだ」

ジ「ああ。きっと世界が変わると思うよ」

ウ「あそこじゃここみたいに酒は飲めないけどな」

俺「ふ~ん。で、2人はこれからサファリに行くの?」

ウ「明日予約してるんだよ。お前はもう行ったの?」

俺「うん。帰ってきたばっかりだよ」

ジ「どうだった?」

俺「なかなか良かったよ。砂漠で寝れるしね」

ジ「砂漠で!?」

俺「うん」

ジ「この時期砂漠でなんか眠れないだろ?」

俺「それが全然眠れるんだよ。快適だったよ(嘘)」

ウ「ジェイ!俺達も砂漠に泊まろうぜ!」

ジ「マジかよ?」

俺「うん!絶対いいよ!」

ジ「そういやお前なんて旅行会社だった?」

俺「わからないや」

ジ「なんだよそれ。ツアー料金は?」

俺「700ルピーだったよ」

ジ「随分と安いな。俺達は2人で4000ルピーなんだがな」

俺「高くね?ああ、でも何とか砂漠って特別なとこに行くんじゃないの?」

ジ「いやスタンダードだって聞いてるが」

俺「わかんねwww」

ジ「まぁいいか、それじゃあな。明日早いから俺達はもう寝るよ」

俺「うん。俺も明日は電車のチケット取りに行かなきゃだからそろそろ寝ようかな」

そして翌朝、室内でも冷え込みが厳しく朝早くに目が覚めた俺はチェックアウトし再び屋上のレストランでチャイを飲んでいた。

ジ「おはよう。よく眠れたかい?」

俺「あ、おはよ~。いや寒くて・・・」

ジ「だろ?室内でこんなに寒いのに外で眠るなんて無理だろう」

俺「それは大丈夫だってば。ねぇ何時に出るの?」

ジ「もう出ようと思ってたよ」

俺「俺駅まで行きたいんだけどオートリクシャ3人でシェアしない?集合場所って駅に行くまでの道でしょ?」

ジ「そうだな。OK」

宿を出て目の前にいたリクシャに乗り込む。砂埃を巻き上げながら5分も走ると見覚えのある風景が見えてきた。

ウ「ジェイ、ここじゃないか?」

ジ「ここで止めてくれ」

俺「ここなん!?ここ俺が行ったツアー会社だよ」

ジ「本当か?」

俺「うん」

ジ「受付どこか分かるか?」

俺「うん。こっちだよ。おっさん少し待っててね」

スタッフ「やぁ、いらっしゃい!!サファリツアーだね!?」

俺「お前俺を覚えてねぇのかよwww」

ス「ん?あれ?お前一昨日のジャパニじゃないか」

俺「そうだよwww覚えておけよ・・・」

ス「また来たのか。お前砂漠が好きなのか嫌いなのかどっちなんだよ」

俺「また行くわけねーだろ」

ス「よし!そっちの人チケット見せて。お前は700ルピーな」

俺「だから行かねーよwwww」

ス「そんな事言うなよ」

俺「なんで同じツアーにこんな短期間で参加しなくちゃなんないんだよ」

ジ「ちょっと聞きたいんだけどなんで俺達4000でコイツは700なんだ?」

ス「それは申し込んだ旅行会社に言ってくれよ。俺はわからんよ」

ジ「絶対に納得いかないんだが。ちょっと電話してくれないか」

ジェイソンは随分とご立腹の様子で電話でチケットを購入した代理店とモメていた。

ジ「ったく。ボッタクリやがって」

俺「どうなったの?」

ジ「1人1000まで下げてもらったよ」

俺「半額じゃん!良かったね。じゃ、俺はここで」

ス「あ~あ。日本人の女の子いるのにな~」

俺「・・・・・・。なに?

ス「名簿に名前あった気がしたんだよな」

俺「待て待て。気がしたじゃ駄目だ。あったのかどうか今すぐ確認してくれ」

ス「そんなのうちの客以外確認しようがないさ。行けばきっと会えるはずさ。ジャイサルメールのキャメルサファリはとても有名なんだ。日本人なんか毎日のように来てるよ」

俺「そう聞いたのに俺は1人だったじゃねぇかよ」

ス「仕方ない。お前は2回目だから500でいいよ」

俺「え~」

ジ「俺達の半額じゃないか。お前暇なんだったら一緒に行かないか?」

俺「う~ん。どうしよう、確かに暇だしなぁ」

ウ「行こうぜ!」

俺「ねぇ、300なら行ってもいいよ」

ス「300は無理だ。じゃあ450でどうだ?」

俺「350!!!」

ス「なら400!これ以下は無理だ」

俺「よし・・・400なら行ってやろう」

ス「決まりだな。よし、ジープに乗り込んでくれ」

よく分からない成り行きで俺は再び砂漠へ行くこととなった。受付の外へでると完全に忘れ切っていたオートリクシャの運転手が法外な待機料金を請求してきたが30ルピーを握らせて追い払った。ジープは同じ道を同じように走り、当たり前だが全く同じ場所へやってきた。サヴァリが俺を見つけ話しかけてくる。

サ「お前どうしたんだ?」

俺「おお、覚えててくれたんだ!いやまた来ちゃったよ」

サ「長いことこの仕事をしてるけど2回目なのはお前だけだな」

俺「がはははwww俺もそう思うよ」

俺は今回もまたサヴァリとコンビを組み、キャメルサファリなのに乗るとケツが痛いので歩いて砂漠を目指した。一体何がしたいんだ俺は・・・。そして最初の休憩ポイント。

サ「おいジャパニ?お前2回目だからここでゴロゴロしようぜ」


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別にいいけどお前仕事ちゃんとやれよ・・・・。


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いざ砂漠へ来てみたがやることが全く同じうえに当然のように日本人の姿はなかった。同じ飯を食い、同じ踊りを見せられ、俺は参加したことをこれまでにない位に後悔していた。ジェイソンとウィルの隣の席でビールをあおり、早いとこ布団で眠りたいと考えていたらお決まりの宿泊ポイント選びとなった。俺は当然のようにホテルを選択。

ジ「おいジャパニ!お前砂漠じゃないのかよ!」

俺「砂漠は泊まったからもういいよ」

ジ「なに言ってるんだ!お前がおすすめしたんだろうが!一緒に行くぞ!」

俺「いやいやいやいや、マジで無理無理!!」

ウ「へいスタッフ!このジャパニも一緒に砂漠だ」

ス「了解」

俺「了解じゃねぇ!!俺は布団で寝たいんだよ」

ス「ジャパニ、残念ながらお前はペアじゃなくて1人だからツインの部屋に泊まるなら追加料金だぞ」

俺「なんでそうなるんだよ!!!お前今日ホテルでOKって言っただろ!!」

ス「予定は変わるもんさ」

俺「予定じゃなくて約束だろ約束!!!!」

ジ「ほら、いくぞ」

そしてベッドを絶対に運ぶことと毛布を倍の数持って行くことを約束させ、俺はジェイソン、ウィルと共に3人で砂漠へ向かった。

ス「よし、ここでいいだろ」

ジ「マジかよ・・・・メッチャ寒いじゃねぇか・・・」

俺「だから言ったじゃん・・・」

ウ「お前快適だって言ってただろ・・・」

ス「じゃあ朝に迎えに来るからな。そんでこれベッドな」

俺「ただの骨組みじゃねぇかよ・・・ねぇ、くっついて寝ようね」

ジ「ってか寒くて眠れねぇよ!!シット!!!最悪だ」

俺「仕方ないなぁ」

ウ「何かいい方法でもあるのか?」

俺「こう見えても俺はサバイバル生活には定評があるんだよ。よし、火を熾すぞ」

ジ「正気かよ・・・・」

俺達は砂漠にある枯れ木などを集め焚き火をすることにした。


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だが暖まることもろくにできず、10分後スタッフが凄い勢いで車を飛ばしてやってきた。

ス「消せ!!!今すぐ消せ!!!!」

俺「なんでよ?暖かいじゃん」

ス「ここはパキスタンとの国境まで60kmしか離れてないんだ!火なんか焚くんじゃない!」

俺「60km先の焚き火なんか関係ないだろ」

ス「駄目だ!!何かあったら大問題だ!今すぐ消せ!」

スタッフはそう言うと砂をかけ、火を消して去っていった。

ジ「どうするんだよ・・・・」

俺「・・・・。寝ますか・・・」

ウ「寒い・・・眠れないよ・・・」

俺「ごめん・・・・」


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その晩は前回以上に寒く、前回以上にウトウトすることすら出来ず朝を迎えた。横を見るとウィルが冷たくなっていた。


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その後ジェイソンと共に砂丘に上り朝日を眺め、同じルートを通り町へ戻ったのであった。その後一週間程ジャイサルメールに滞在したが1人の日本人とも出会うことが無く、俺はデリーへ戻ることとなった。
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