世界中をぷらぷらしてきた

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俺「あわわわわ・・・・Yさん・・・Yさん・・・」

Y「待って!今交渉するから!!」

俺「お願いします。2人なんとか・・・」

Y「ぷらちゃん、ここ1人OKだよ!」

俺「1人じゃ無理です!!無理ですよマジで!!」

Y「でも、そんな事言ってたら置いてかれちゃうよ・・・」

俺「あの、運転手さん、欧米人さん、お願いします。2人乗せてください・・・」

運転手「あー?もういっぱいなんだよ」

俺「お願いします。この通りです」

俺は必死で頭を下げた。言葉なんか通じない。

「プリーズ」

俺がお願い事をする時は決まってこれだ。既にランクルに乗り込んでいる欧米さんは運転手を含めて6人。どう考えてもこの車に2人追加するには無理がある。それでも俺は頭を下げるしかなかった。乗れなければ・・・乗れなければ・・・。誰一人として泣きつく俺に目を合わせようとはしない。ドアにしがみつき、必死で頼み込むが無理のようだ。俺は諦めて別な車の元へと向かおうとした。

男「ヘイ?」

その時、後ろから声がした。振り返るとランクルの後部座席から体を乗り出して「こっちへ来い」と合図をしている。まさか・・・乗せて貰えるのか?俺は走った。勿論言葉が通じないのでYさんが通訳をしてくれる。

Y「ぷらちゃん!乗れって言ってるよ!!」

俺「マジですか!?」

その彼は少し嫌がっている他のメンバーになにやら話をすると、改めて俺達に言った。

男「早く乗れ!お前等車が無いんだろ!?」

俺は涙が出そうになった。こうして俺達はどうにか先に進む為の足を手に入れた。既に6人が乗るランクルに俺とYさんが乗り込み、国境から出るランクルの中では最多人数のパーティとなった。俺達に「乗れ!」と言ってくれた彼の名前はネイザン。奥さんのトレーシーと一緒に旅行中のオーストラリア人。それにブラジル人カップルのチアゴとダニエラ、イギリス人女性のクリス、それに運転手だ。


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運転手は少し面倒臭そうに屋根の上に俺達のバックパックをくくりつけると、ユックリと車を走らせた。大型のSUVとはいえ、車内に8人も乗り込むといささか緊張するものだ。俺とYさんは一番後ろの補助席へと座った。土の色と空の青しかない空間をランクルが進む。道は舗装されていないのでスピードを出すことはできない。「ああ、やっとウユニに向かうことができる」そう胸を撫で下ろし、外の景色を眺めていると前の席の欧米さん達が随分と盛り上がっている。気がつくと隣にいるYさんまで盛り上がっている。「何がはじまった?」

Y「次、ぷらちゃんの番だよ!!」

俺「え!?」

Y「自己紹介だって!」

俺「俺!?いやいやいや!俺そーゆーのすげぇ苦手なんですよ・・」

Y「そんな事言わないで!ほら!頑張って!」

俺「あ~、はじめまして・・・ぷらぷらです。日本人です。よろしく・・」

チアゴ「Y?ぷらぷらは根暗な奴なのか?」

Y「そんなことないよ。緊張してるだけ」

ネイザン「おい、ぷらぷら?お前英語話せないのか?」

俺「なんだって?」

Y「英語話せないのかって」

ネイザン「その様子だと話せないみたいだな。まぁ、楽しくやろうぜ」

俺「うん・・・・」

俺は全然馴染めなかった。言葉が分からないという理由が1番大きいが、なんというかこう・・・こうやって皆でワイワイとやるのが苦手だった。周りが何かを話している。俺はその何かが分からない。もしかして俺のこと何か言ってるのかも・・・。そんなネガティブ思考のループであった。


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坂道を登り、ランクルはどんどんと進む。車内は相変わらず異様な盛り上がりを見せていたが、俺は死んだふりを決め込み、シートにへばりついていた。

運転手「ここでちょっと休憩だ。この先青の湖、温泉、赤の湖と進んで今晩はその湖の畔のホテルで宿泊になるからな」

ネイザン「OK!じゃあ皆でちょっと外に出ようぜ!」

出る気は全く無かったが、ここで外に出なければ協調性の無い子と思われてしまう。俺は渋々外へと出た。先程までの国境の空気とは明らかに違い、既に酸素が薄いのが分かる。息苦しさは感じないが、ここが高所なのだと直感で分かる。現にこの時点で富士山頂より高い場所に俺達はいた。

Y「ねぇ、ぷらちゃん?」

俺「はい?」

Y「言葉なんか話せなくてもいいよ!いつものぷらちゃんだったらさ、もっと弾けてるじゃん」

俺「うん・・・」

Y「俺が通訳してあげるからさ、もっと盛り上がろう?ウユニ・・・夢だったんでしょ!?」

俺「はい!!」

そのYさんの一言で俺はふっきれた。


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ランクルはその後、青の湖へと到着した。青い海のそれとは違う、不思議な色をした湖だった。何故湖の色がこんな色なのか運転手による必死の説明があったが、俺には「ブルー」という単語しか聞き取れなかった。

運転手「よーし、ここには温泉もあるんだ!入りたい奴は入れ!」

Y「温泉!?入る入る!」

俺「入るってマジで!?」

パーティーの男性は俺以外皆海パンに履き替えて次々と温泉へと飛び込む。残念な事に俺には海パンはなかった。ズボンの裾をまくりあげ、足だけ温泉にチャプチャプ浸かっていると、隣にトレーシーが座った。

トレーシー「ぷらぷら?あなたどこか具合が悪いの?」

俺「え?え?」

トレーシー「大丈夫?」

俺「ああ、大丈夫だよ!ほら!!はっ!!!この通り元気だよ!」

トレーシー「それなら良かった。あのね、あっちに間欠泉があるみたいなの。これからダニエラと行くんだけど一緒に行かない?」

俺「行く!!」


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2人についていくと、その先にはボコボコと今にも吹き上げそうな間欠泉が無数にあった。

俺「おおお・・・怖えええ・・・」

トレーシー「凄いわね~」

俺「ねぇねぇ!?写真撮ってよ」

トレーシー「いいわよ。あっ!!ぷらぷら!!そっちに行っちゃ駄目よ!!入るなって書いてあるじゃない!」

俺「大丈夫大丈夫!!はっ!!ほっ!!」


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俺は岩を登ってみた。別に意味なんかない。声をかけられて嬉しかっただけだ。その後も俺は子供のようにはしゃいだ。走り回り、息を切らした。ここが高所だと言う事をスッカリと忘れて。

ランクルは次の目的地である赤の湖へと向かった。

俺「いや~!綺麗だったね!!」

チアゴ「お?なんだぷらぷら?急にしゃべるようになったな?」

俺「皆さん、俺言葉なんか全然話せないけどよろしくです!!」

ネイザン「あっはっは。面白い奴だな」

俺「それに皆!俺がこのランクルに乗ったからにはもう安心!!天気予報では曇りの予報だったけどきっとウユニは快晴になるはずだよ!なんたって俺は晴れ男だからさ!!」

ネイザン「Y?なんて言ってるんだ?」

Y「まぁ、彼はラッキーボーイらしいよ」

ネイザン「ほう、それは楽しみだな!よろしくな!ぷらぷら!!」

俺「おう!!」

運転手「おーい?この後休憩予定の場所が1箇所だけあるんだが、こいつ等2人乗せてる間に随分時間食っちまったから休憩場所パスしていいか?」

俺「おうよ!!ガンガン進もうぜ!!」

運転手「今日のホテルでの夕飯は国境に居た奴らと一緒だから、時間に遅れるとまずいんだよ」

Y「へぇ~、そりゃ楽しみだね!」

チアゴ「お前等酒好きか?」

俺「大好き大好き!!」

ダニエラ「駄目よ!!お酒飲むと高山病にかかりやすくなるから!!」

俺「運転手さんよ!とにかくラッキーボーイの俺が居れば安心さ!後れることなんか心配しなくてOKなんだぜ?」

運転手「なに言ってんだこいつ?」

Y「ああ・・・なんか凄く楽しいみたいです」

そんな会話をしながらランクルに乗っていると突如悲劇が起こった。


プッシュ~


ガクガクガクガク



トレーシー「キャーーーー」

俺「おおおおう!?」


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運転手「チクショー!!パンクだ!!時間かかるぞこりゃ。おい、全員とりあえず降りろ」

Y「ラッキーボーイがなんだって・・・?」

俺「え・・・・俺のせい・・・?」


まだ初日の出来事である。
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朝、いつもは人に起こされなければ目が覚めない俺の体がひとりでに反応した。まだ薄暗いドミトリーのカーテンをシャッと開くと欧米人の「FU○K!!」やら「Ah...Oh...」という声と共にまばゆいばかりの太陽の光が部屋に注ぎ込む。うん、今日もいい朝だ。時計を見るとまだ朝の6時を回ったばかり。俺はYさんを起こすとまだ誰も居ない宿のソファーで珍しくYさんにコーヒーを入れた。

俺「おはようございます!」

Y「ああ・・・おはよう」

俺「随分テンション低いんじゃないですか?今日はこれからウユニに向かうんですよ?」

Y「ウユニは3日後だよ・・・」

俺「ああ~、この爽やかな朝!高地ならではの湿気の少なさ、素晴らしい朝ですね!はい、コーヒーどうぞ」

Y「ぷらちゃん今日は随分機嫌がいいみたいだね」

俺「そりゃそうですよ!リサにも会えるし念願のウユニにも行ける!もうこれ以上テンションの上がる要素なんか他にありませんよ」

Y「そりゃ結構なことだよ。とりあえずさ、昨日のうちに準備はしたんだし、今日は7時半までに昨日のツアー会社の前に行けばいいんだからまだ早いよ。ちょっと寝ようよ」

俺「これからレディーに会うのにそんなボサボサの頭でいいんですか!?腐った魚のような目でいいんですか!?」

Y「俺はいいよ・・・とにかく眠らせてくれ・・・zzzz」

俺「ったく。これだからおっさんは・・・」

ソファーでYさんを転がし、俺は1人宿の外へ出た。ひんやりとした空気がまだ少し眠っている俺の体を完全に起こす。誰のものか知らないがキッチンにあったマグカップにインスタントコーヒーを注いで再び外に出て煙草に火をつける。「今頃リサ達も準備してるのかな?」そう思うと俺は再びYさんを叩き起こした。

俺「準備しましょう!準備!!」

Y「も~!なんだよそのテンションの高さは~。準備はもう昨日終わってるっての!」

俺「とりあえず起きましょうよ!!」

Y「起きたって何もすることないじゃん。着替える位でしょ?ってはや!!もう着替えてるし」

俺「当然ですよ」

Y「でも案外その貰ったジャケット似合うね。下半身はナメてるとしか思えないけど」

俺「そうですか?これが今の俺にできる限界の防寒装備なんですが・・・」

Y「それで氷点下15度の世界は無理だと思うけど、俺は知らないもんね」

俺「なんとかなりますよ」

その後、何度も眠りに落ちそうになるYさんを起こしては話しかけ時間をつぶした。そして7時。

俺「Yさん、30分前です!あそこまで歩いて10分だし、そろそろ出ましょうよ」

Y「はぁ~、もうそんな時間なんだ・・・。分かったよ。今着替えるから」


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そしてついに出発の時が来た。

俺「Yさん、あそこを曲がればツアー会社ですよ!」

Y「知ってるよ・・昨日一緒に行ったじゃん」

俺「も~!そんな事行ってるんじゃなくて、リサがいるかもしれないって事ですよ」

Y「あ~。そういやそうか。どれ」

俺「どうですか!?いますか!?俺登場の仕方とか昨日寝る前に散々イメトレしたんでいつでも準備は出来てます」

Y「いや・・・。誰もいないけど」

俺「へ?だってもう15分前ですよ?」

Y「あれ?ツアー会社のシャッター閉まってるけど?」

俺「ええええ!?」

確かにツアー会社の前に行くとシャッターは閉まっており、人の姿は見当たらない。

俺「どうしたんですかね?」

Y「俺、嫌な予感しかしないんですけど」

俺「いやいやいや、大丈夫ですよ」

そんな話をしていると1人のアメリカ人青年がやってきた。彼の名前はジャスティン。彼は俺達と共に昨日このツアー会社で予約をした1人であった。

俺「Yさん、もしかしてコイツが5人目なんですかね?」

Y「そうなんじゃない?あ~、はじめまして。これからウユニへ?」

ジャスティン「ああ、そうなんだけど誰も来てないね?」

Y「そうなんだよ。もうランクルが来ててもおかしくないとは思うんだけど」

ジャスティン「まぁ、気長に待とうよ。チケットにはほら、今日の7時半にここに集合になってるし大丈夫さ」

俺「なんすかあのイケメンは・・・。俺等の合コンにアイツ入るつもりですよね?」

Y「入るつもりっていうか仕方がないんじゃないの?」

それから3人で待つこと20分。とっくに30分は過ぎている。

俺「ちょっとちょっと、全然来ないじゃない」

Y「ねぇジャスティン?何か聞いてる?」

ジャスティン「いや、俺もここに7時半って言われただけだよ」

俺「ランクルなんざどうでもいいんですよ!!」

Y「じゃあどうしたの?」

俺「リサがいねぇんですよ!リサがああああああああ!!!」

Y「ああ、スッカリ忘れてたよ」

俺「どうなってんのこれ!?もう行っちゃったとか!?」

Y「それはないよ。だってずっと待ってるんだよ?見逃すわけがないよ」


ブロロロロロロ・・・・


Y「あ、きたんじゃない?」

俺「でもあれバスですよ?」

運転手「おーい、お前ぷらぷらか?」

俺「え?そうだけど」

運転手「1・・2・・・3・・・。よし3人いるな。乗れ。行くぞ」

俺「おいちょっと待てって!ランクルは?リサは!?」

Y「あの、5人じゃないんですか?リサって人の名前ありませんか?」

運転手「リサ?ないね」

俺「はあああああああああああ!?」

Y「あの、ランクルは?」

運転手「4WDには国境で乗り換えるのさ。早くしろ。もう出るぞ。お前達が最後なんだ」

俺「うううう・・・・リサ・・・リサアアアア・・・」

Y「ぷらちゃん早く、置いてかれるよ・・・」

俺「嗚呼あああああああああああ・・・・・」


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俺が騙されたのかは分からない。ただひとつ確実に言える事はリサはいないってことだけだ。バスに乗り込むとそこにアジア人の姿はなかった。ワケが分からず座席に座る。誰もが登山靴にフル装備の中、俺の格好はひときわ目をひいた。悲しみにふけり、バスの座席に座りチリの国境を目指す。


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チリの国境を越えてバスを乗り換え、今度はボリビアの国境へと向かう。舗装された道をしばらく走ると今度は砂利道を延々と進む。いや、進むと言うより「上る」が正解だろう。バスはありえない速度で坂道を登っていった。そしていつしか木一本生えていない荒野へと到着した。ここが国境なのだろうか・・・。辺りを見渡すとランクルが数台止まっている。俺達はバスを降りた。運転手の指示で今度はボリビアへの入国を済ませる。


俺「Yさん・・・リサ・・・いませんでした」

Y「どうしたんだろう。あのおっさん適当言ったんじゃない?俺にはそうとしか思えないけど・・・」

俺「あのクソ野郎・・・今度会ったら殴ってやる」

Y「いや、もう2度と会うことはないだろうよ・・・」

俺「ああああああああああああああああああ」

Y「てかほら、早く入国済ませよう。もうここは忘れて思いっきりウユニを楽しもうよ」

俺「国境ってあれですか?」

Y「信じたくないけど、あれなんじゃないかな?」


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目の前にあったものは掘っ立て小屋であった。

俺「ここで入国管理してるの?」

Y「そう・・・なんじゃない・・?」

俺「ちょwww不法入国できまくりでしょこれ・・・」

Y「まぁ行こうよ」

中に入るとパスポートを奪われ、判子を押されて即座に返された。

俺「Yさん、間違いなく最短入国でしたよ。3秒だったんですけど・・・」

Y「いやはや・・・凄い国だね・・・」

俺「チクショー!リサの馬鹿野郎!!!ここから先はネットも使えないから連絡も取れないじゃないか!!どうしてくれんだよ」

Y「ぷらちゃん、落ち着いて。仕方が無いよ。それよりランクルが次々と出て行ってるけど俺達のはどれなんだろう?」

俺「知りませんよそんなの」

Y「ちょっと聞いてくるね」

俺「あい」

Y「ぷらちゃん、さっきの運転手も分からないって。だから1台1台聞いて回るしかないよ!置いてかれたら最悪だもん!行くよ!!」

俺「ああああなんだこのサービスの悪さはよー!!ここだけ東南アジアじゃねぇか!!

俺達は荷物を担いで1台1台、ランクルのドライバーを尋ねて歩いた。しかし、俺達の名前があるランクルは見当たらなかった。

俺「どゆこと!?」

Y「分からない・・どうしたんだろう」

俺「あ、あそこにジャスティンいるよ。聞いてみようよ」

Y「おーい?」

ジャスティン「フ○ック!!ファ○ク!!フ○ック!!」

Y「どうしたの!?」

ジャスティン「俺達の乗る車はねぇんだとよ」

Y「えええ!?どゆこと!?」

ジャスティン「人数が集まらなかったから来なかったんだと」

俺「はああ!?俺等金払ったじゃん」

ジャスティン「俺もバスの運転手に言ったら、ツアー会社に文句言えだとよ」

俺「よし、ここはリサもいねぇし3人で戻ろうぜ。戻ってあのおっさんぶっ飛ばそう」

ジャスティン「もうチリ出国したから戻れねぇんだよ!!」

俺「はああああああああああ!?」

ジャスティン「とにかく俺はどれでもいいから乗せてくれるランクルを探す。お前等も乗せてくれる車を見つけないとここに置いてけぼりだぞ。じゃあな!グッドラック!!」

俺「わわわわYさん・・・どどどうしましょう!?」

Y「もう頼むしかないよ。見た感じ空きはあんまりないから、もしかしたらぷらちゃんと別々になるかもね・・」

俺「無理無理無理!!!俺を1人にしないで・・・ぎゃあああああああ」

Y「とりあえず2人いけるか交渉してくるよ!無理な場合は・・仕方ないよ!腹をくくろう!」

俺「ちょっとちょっと、マジで無理!俺言葉何も話せないんですよ!!」

Y「行ってくるね!」


波乱のウユニ、ここにスタート。
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短ランを手に入れた俺は午後に調子の良くなってきたYさんを無理に連れ、アタカマの町を見て回ることにした。今後の選択肢はただ一つ、ウユニ塩湖を目指すだけである。俺はYさんが高山病に苦しんでいる間に宿の情報ノートでウユニへの情報を模索していた。ここアタカマにはウユニ塩湖へのツアーを催している会社が沢山ある。だが、そのツアーもどうやらピンキリだ。夢にまで見たウユニ塩湖、その夢のウユニを胡散臭い旅行会社のツアーで台無しにされてはたまらない。よってここは慎重なるツアー選びが重要となるのだ。

Y「ぷらちゃん・・・俺今日は休んでたかったのに・・」

俺「いいですかYさん!?ウユニへの道はツアー会社にかかっていると言っても過言ではないんです!寝てる間に人気のツアー会社が埋まっちゃったらどうするんですか!」

Y「それはそれで困るけどさぁ。まずさ、ぷらちゃんはリサって女の子と参加したいんじゃなかったの?」

俺「あ・・・」

Y「どゆことなの?会えたの?」

俺「ウユニを目前にしてテンション上がりっぱなしですっかり忘れてました・・・」

Y「これだもんなぁ。いい?俺が得た情報によると何度も言うけどランクルを貸しきってのツアーなのね?ツアーの代金=ランクルのチャーター代金。だから人数が多ければその人数で割れるから安くなるし、多ければまず楽しそうじゃん?俺とぷらちゃんの2人でランクルをチャーターすることも勿論可能だけど俺は絶対に嫌だよ。色んな意味で」

俺「最後の1文以外認めましょう」

Y「ウユニに行くって言う目的地は合致しているんだし、まずはその女の子を捜そうよ。メールは見たの?」

俺「それが・・・まだ・・・」

Y「それでどうやって探すの?ほら、宿に戻るよ」

俺「うぃ」

宿に戻りPCを起動する。しかしリサからのメールは届いていなかった。

俺「きてませんね・・・」

Y「だってメール送ったのビーニャからだったよね?」

俺「はい」

Y「ちょっと読ませて。ふむふむ、確かにアタカマ目指すって書いてあるね。じゃあもうこの町にいるんじゃない?」

俺「俺もそう思うんですよ」

Y「そうなら早くしないと!その子がツアー予約しちゃったら終わりじゃん」

俺「そうですよね!さぁ、行きましょう!」

Y「だからどこに・・・」

再び宿を出ては見たものの、リサの居る場所が分からない俺達は当然の如く行き詰った。


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チリ最古の教会なんぞを見ながら結局は何もする事が無くなってボーっとしている始末だ。

Y「ぷらちゃん、もうさ・・・今日は諦めようよ。多分その子だってそんなスグにはウユニに行かないよ」

俺「はぁ・・・」

Y「ほら、宿に戻ろう?」

俺「Yさん?一箇所だけ旅行会社に行ってみませんか?」

Y「え?なんで?」

俺「さっきYさんが昼寝してる時に俺、宿の情報ノート見てたんですよ。そこにイチオシのツアー会社の名前があったんで、そこで相場とか、出発予定とか、見るだけでも見て行きませんか?」

Y「断じて昼寝してたわけじゃないけどね。まぁいいや。いいよ。でも疑問なんだけどさ、このツアーって基本突き抜けなわけでしょ?チリ側からだったらボリビア側に、ボリビア側からならチリ側に」

俺「はい。それがどうかしたんですか?」

Y「だってさ、ここチリ側の宿の情報ノートに情報書く人って今からツアーに参加する人か、ボリビア側からツアー終わって到着人なんじゃないの?」

俺「まぁ・・確かに」

Y「おかしくない?全く同じ会社があるとは思えないし、参加する前の人が評価できるはずもないし」

俺「まぁまぁ!とりあえず名前もあるんだし行ってみましょうよ!」

Y「うん・・・」


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こうして俺達はこのパメラツアーへとやってきた。情報ノートによるとこの旅行会社は安くて親切、丁寧な対応が評判らしい。

俺「あの、ウユニ塩湖に行きたいんですけどツアー代金っていくらなんですか?」

おっさん「うちは人数集まったら出るんだけど、5人で1人120ドルだよ」

俺「日程は?」

おっさん「2泊3日で、最後にウユニ塩湖さ」

Y「あの、塩のホテルは泊まれるんですか?」

俺「なにそれ?」

Y「全部塩で出来てるホテルだよ!俺ずっとそこに泊まりたかったんだ」

俺「へぇ~!それ泊まれるの?」

おっさん「勿論さ!」

俺「おおおおお!それで、この120ドルにはそのホテルの宿泊費とか、飯も全部含まれてるの?」

おっさん「当たり前さ。湖の湖畔の宿、そして塩のホテル、全部込みだよ。宿泊場所は夜になると随分冷えるけど、空を見上げると星が凄く綺麗ないい場所だよ。ここの夜空はもう見たかい?」

俺「うん!凄く綺麗だった!」

おっさん「ウユニの空はこんなもんじゃないさ!星に触れるんじゃないかって位だよ」

俺「おおおおおおおお!Yさん、ここに決めましょう!!」

Y「待って、早まり過ぎだよ。リサって人はどうなったの?」

俺「はっ!!そうだ、おっさん?このウユニツアーにリサって女の子が申し込んでない?」

おっさん「どれ・・・ああ、あるよ

俺「おおおおおおおおおおお!!!!マジ?韓国人の女の子だよ!?」

おっさん「ああ、韓国人だね」

俺「マジで!?相方日本人なんだけど」

おっさん「ああ、もう1人は日本人のようだね」

俺「すげぇええええええ!俺すげぇえええええええ!!一発ツモですよYさん!」

Y「マジで凄いね!!」

俺「で!?で!?その子等はいつ行くんです?」

おっさん「ああ、メンバー足りなくて今まだ探してるところだよ。あと3人足りないんだ。集まり次第出るよ」

俺「おっさん、アンタ間違ってるぜ」

おっさん「あああん?」

俺「3人目と4人目はここにいるだろうが」

Y「ちょっと!!ぷらちゃん!!」

おっさん「なんだ、お前等一緒に行くのか?」

俺「おう!じゃああと1人集まれば出発だね!?」

おっさん「いや、明日でいいよ。1人位どうにか探せるさ。ここの町の旅行会社は全部繋がってるんだ」

俺「よっしゃ!じゃ、明日行きます!」

Y「明日!?ええええ!?」

俺「Yさん、明日になれば女の子と一緒ですよ!合コン合コン!!」

Y「でももう少し高地に体を慣らした方が・・・」

俺「Yさん!そんなもん自然と慣れますよ!おっさん!行く!明日行くよ!」

おっさん「じゃあ、前金で120ドルね。あとここに名前とか書いて。ピックアップは明日の朝7時半ね。ここの店の前に迎えにくるから遅れないようにお願いするよ」

俺「勿論!おっしゃー!テンション上がってきたー!!」

Y「ねぇ、ぷらちゃん?この申し込み用紙に国籍とか書くとこないけどさ、あのおっさんなんでリサって子が韓国人って分かるんだろう?」

俺「こうやって会話でもしたんじゃないっすか?よっしゃー!すげぇ嬉しいー!!」

Y「はぁ・・・そんなもんなの・・・?」


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(金を払うYさん)


こうして俺達はウユニへの道を作り、店を後にした。

俺「Yさん、明日の朝リサと会えますよ~!」

Y「随分嬉しそうだね。でも良かったね」

俺「はい!アルゼンチンから追いかけてますからね!」

Y「凄いストーカーだねそれ」

俺「もうなんでもいいです!絶対リサ驚きますよ!へへへへへ、あー!楽しみだなー!やっとこの男臭い腐れ旅ともおさらばですよ!」

Y「臭くて悪かったな。じゃ、今晩はぷらちゃんとそのリサって子の出会いとかそんな話を聞きながら飯でも奢ってもらおうか?」

俺「はい!でもチキンですからね!!」


俺は幸せだった。幸せのピークだった。
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ふて寝するYさんを叩き起こしバスの外へ出る。Yさんは未だ状況を飲み込めていないようだ。

Y「え?もう・・・着いたの?」

俺「はい。ここがサンペドロ・デ・アタカマらしいですよ」

Y「運転手さんほんとに?」

運転手「ああ」

俺「なんで夜に到着してるんでしょうね・・・。まぁ、無事に到着したし宿探しでもしましょうか」

Y「う・・うん」

荷物を背負い、灯りのある方へと歩く。それにしても暗い。ここは本当に町なのか?本来ならば宿を1つ1つ歩き回ってリサのいるであろう宿を探すところだが、こう夜も遅くてはそんな事している暇はない。仕方が無いので俺達は最初に目についた宿へ入ることにした。ドミトリーの二段ベッドに荷物を放り投る。

俺「Yさん・・・なんか寒くないですか?」

Y「俺もそう思ってた所だよ。だってここ既に標高2000m超えてるんでしょ?」

俺「え?もう?」

Y「確かそのはずだよ。とりあえずさ、宿の人に聞いて何か食いに行こうよ。あ、それと今晩はアルコール厳禁だからね?急に高度上げてアルコール入れると高山病になっちゃうらしいよ」

俺「それは困りものですね。了解です」

俺達は宿主にどこかこの辺りで夕食を取れる所が無いか尋ねた。そして宿主は答えた。

宿主「んなもんそこらじゅうにあるから、探してきな!」

俺達は宿を出た。


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石畳の道を歩き、町の中心部を目指す。

俺「Yさん、ちょっと空見てみてくださいよ」

Y「空?・・・・・おおお」

俺「凄くないですか?俺こんな空生まれて初めて見ましたよ」

Y「こりゃ凄いねぇ!」

俺「でしょでしょ!?もう今晩は適当にチキンでも買って、外で空見ながら飲みませんか?

Y「なに?」

俺「だから、外で飲みませんか?」

Y「だから、アルコールはまずいよ」

俺「大丈夫ですよ。たかが2000mですよね?」

Y「俺は知らないよ~」

俺「だって明日ウユニに行くわけじゃないですよね?」

Y「そりゃね。最低5日はここでユックリ過ごしたいよ」

俺「ふむふむ。賛成です。じゃあ、飲んでも大丈夫ですよね?」

Y「ちょっとだけならね」

俺「はいきた~!じゃあチキン買いに行きましょう!」


その後俺達はチキンとビールを購入し、道端に座って空を見上げながら酒を飲んだ。


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2人で4L程。


そして翌日。

Y「おおおお・・・気持ち悪い・・・寒い・・」

俺「大丈夫ですか!?」

Y「絶対これ高山病ってやつだよ」

俺「そんな都合よくかかるもんなんですか?」

Y「あああああ・・・・・」

俺「ふむ~。Yさんがこの様子では仕方ない。俺1人でちょっと観光してきます」

Y「この薄情者・・・」

俺「Yさん、水でも買ってきますか?」

Y「いや・・・いいよ。それよりぷらちゃん、自分の防寒具探しなよ」

俺「そっか!思いっきり忘れてましたよ」

ここアタカマは昼間は非常に暖かい。寒暖の差が激しいのだろう。昼間はTシャツで平気だが、夜になれば吐く息が白くなる。どういうわけかここで俺は高山病にはならなかった。俺はすこぶる元気だった。手始めに俺はウユニに向けてのジャケットを探すことにした。下はどうにでもなる。パジャマ用の短パンをズボンの上に重ね履きすればいいだろう。まさかスキーウェアばりの装備など必要ないはずだ。とにかく今の俺に必要なのはジャケットなのである。


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1つ1つ、店を見て回るが、どこもかしこも民芸品屋や土産屋ばかりである。たまにジャケットが売っていたとしてもアルパカの毛で編んだセーターが関の山で、とても氷点下15度以下を耐えられるような服は見当たらなかった。結局俺は一通り町を一周し、防寒具が手に入らない事を確認するとYさんの下へと戻った。

俺「ただいま~。あれ・・・?」

Y「はわわわわわ・・・・」

俺「Yさん・・・大丈夫ですか?それにそちらの人は?」

Y「ぜぜぜんぜん大丈夫じゃないよ・・・。こっちの人はこの宿に泊まってるバックパッカーの人だよ。今コカ茶を入れてもらってたんだ・・・」

俺「コカ茶?」

Y「コカの葉っぱのお茶で、利尿作用を高めるらしいよ・・・・うううう・・・」

俺「そうすると治るんですか?」

Y「そうらしいよ・・分からないけど・・・」

俺「あ、ところで防寒具なんですけど売ってませんでした」

Y「えええ!?じゃあぷらちゃん行けないじゃん」

俺「大丈夫ですよ。だってランクルで移動するんだし。それに気温が下がるのは夜ですよね?夜は宿なんじゃないですか?」

Y「おおお俺は知らないよ・・・」

俺「いいです。大丈夫です」

Y「あの・・・ペラペラペラ」

Yさんはコカ茶を入れてくれている欧米人女性になにやら話し始めた。

欧米人女性「無理よ!その格好じゃ絶対に無理よ!」

俺「突然どうしたんですか?」

Y「この人ね、ウユニからチリに入ったんだって。俺達と逆ルートなんだよ」

俺「へぇ~」

Y「ペラペラペラ」

欧米人女性「あなた、山をナメないほうがいいわよ。本当に何もないの?」

俺「なんて?」

Y「とにかく、その格好じゃ死ぬって言ってるよ」

俺「だって俺マジで何も無いんですもん・・・」

欧米人女性「ペラペラペラ」

Y「本当に!?オー!サンキュー!!」

俺「どうしたんですか?」

Y「この人がジャケットくれるって!もうこの人南下するだけだから必要ないんだってさ」

俺「え!?俺に!?」

Y「うん!!良かったねぷらちゃん!」

俺「はぁ・・・」

欧米人女性「ほら、これよ」

俺「ちょwww」

欧米人女性「暖かいから、これで大丈夫よ」

俺「ちょっと着てみていいですか?」

Y「うん、着てみなよ」

俺「・・・・・・・・」

欧米人女性「ベリーナイスよ!これならウユニもノープロブレムだわ!」


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こうして俺は無敵の防寒具を手に入れた。
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翌日、昼過ぎまでグッスリと眠った俺達は三度サンチアゴのバスターミナルへと向かった。宿を出る前にメールチェックを行ったがリサからの返信はなかった。きっと今頃バスの中なのだろう。約1日ズレてしまったが、俺達がこれから目指すサンペドロ・デ・アタカマの町は小さな町だ。きっとそこでリサと再会できるはずである。午前中にでもいいのでここを出ようというYさんと、夜中に到着するのは嫌なので夜までサンチアゴを観光して夜のバスに乗ろうという俺の意見は対立したものの、Yさんが折れてくれて俺達は夜発のバスに乗ることとなった。実のところ、俺はバスが夜中に到着しようが明け方に到着しようが関係ない。ただ、長時間椅子に座るという事が非常に苦手なので、出来ることならば夜寝ながらバスに乗りたいと心の中で思ってみた。しかしよくよく考えると30時間以上バスに乗るので結局昼間もバスの車内で過ごすこととなるのであった。

サンチアゴ大聖堂や公園などで時間を潰した俺達はバスの出発時刻1時間前にターミナルへと戻ってきた。今日ここでこのバスに乗り込めば、夢にまで見たウユニ塩湖はもう目の前だ。胸が高鳴る。バスの座席の隣に座っているのがYさんではなく、リサだったらなお思うとため息しか出ないが、30時間も頑張ればきっとリサに会うことができる。俺はもうそれだけが楽しみで仕方なかった。


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今回は30時間以上の移動になるので移動には少しお金をかけてセミカマで向かうことにする。バスはチリ海岸部を北上し、何箇所かのターミナルで客を乗り降ろしさせながら最終目的地のサンペドロに向かう。東南アジアのようなうるさい車内ではなく、快適でフカフカのシートに身を任せると俺はいつの間にか眠りについていた。目が覚めると窓の外は見たことも無いような風景が広がっていた。


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砂と石だけの世界。俺が眠っている間にバスは海岸線を抜け、既に山岳地帯へ突入しているようだ。時計を見ると既に15時間以上が経過している。どれだけ眠ってるんだ俺・・・。ふと隣を見るとYさんがニンテンドーDSに没頭している。夢の中ではリサが隣に座っていただけに、その姿を見て俺は2度目の深いため息を吐いた。

Y「お、ぷらちゃんやっと起きた?」

俺「おはようございます。ここどこなんですか?」

Y「どこかは分からないけど、やっと半分って感じじゃないかな?」

俺「はぁ・・・まだ半分かぁ」

Y「仕方が無いよ。30時間以上だもん。でもさ、こうしてぷらちゃんがいるといないとでは大違いだね。こうやって少しでも会話出来るかと思うと凄く気が楽だよ」

俺「そういやYさん、アルゼンチンの南端から48時間以上バスに乗ってきたんですもんね」

Y「そうそう。それも1人だしさ。今やってるDSも電池切れちゃって・・・もう暇で暇で発狂しそうになったよ」

俺「でしょうねぇ・・・」

Y「ところでぷらちゃんお腹空かない?2~3時間前に停車したターミナルで20分位の休憩があったんだけど、ぷらちゃん起こしても起きないしさ。俺はそこで軽くパンを食べたんだけどぷらちゃん何も食べてないでしょ?」

俺「そういや、お腹空いたなぁ」

Y「でしょ?そう思って買っておいたよ。これ食べていいよ」

俺「Yさん・・あんたって人は・・・」

Y「あんまり美味しくないけど、そんなもんしか売ってなかったんだ」

俺「ウッウッ・・・ありがたく頂きます・・・。モグモグ・・・」

Y「そんな慌てないで・・・」

俺「はぁ・・・確かに美味しくないです。でも有り難うございます」

Y「そこは美味しいって言おうよ・・・。あとさ、ちょっと疑問に思ったんだけどいいかな?」

俺「はい?」

Y「ぷらちゃんって基本薄着じゃん?何か防寒具持ってるのかなって気になってさ」

俺「今着てるじゃないですか」

Y「今って・・・これだけ?」

俺「大丈夫ですよ。これ結構暖かいし、これ以上寒くなったらロンTもありますもん」

Y「靴は?」

俺「靴はこのサンダルしかないけど、一応念のために軍足持ってます」

Y「これでウユニ行くの!?」

俺「だってこれしかないですもん。そんな寒いんすか?」

Y「だって確か1番高い場所で標高4800mとかだよ?夜は気温-15度以下になるって聞いてるんだけど・・・。そこにサンダル?ロンT!?」

俺「え・・・・?なにそれ・・・。聞いてないんだけど」

Y「とりあえず向かう前に聞いておいて良かったよ。サンペドロで何か買おう?じゃないと死んじゃうよ」

俺「氷点下-15度以下!?4800m!?」

Y「そうだよ。4800mってのは通過地点らしいけど。ちょっと、ぷらちゃんウユニの事どこまで知ってるの?」

俺「ウユニ塩湖は・・・塩の湖で・・、ボリビアにあって・・・綺麗」

Y「そんなの当たり前だよ。ちょっといい?」

俺「あい・・・」

Y「ウユニ塩湖に向かうには、俺達はサンペドロから入るから2泊3日位のツアーに参加しなきゃいけないの。まずここOK?」

俺「OKですけど初耳でした・・・」

Y「これだもんなぁ・・・。それでそのツアーってのは情報によるとランドクルーザーをチャーターして4~5人集めて行くらしいのね。これもOK?」

俺「OKですけど・・やっぱり初耳でした」

Y「まぁいいや・・・。ようするに俺とぷらちゃんだけじゃ行けないのよ。俺はてっきりそのリサって人と、相方の人と、俺とぷらちゃんの4人で車チャーターするのかなって思ってたんだけど違うの?」

俺「え・・・ああ・・・・そこまで考えてませんでした・・」

Y「じゃあなんでこんな追いかけてるの?」

俺「いや・・・その・・・会いたくて・・・」

Y「へ?」

俺「会いたくて・・・」

Y「会いたくてって・・・俺必要なくね?」

俺「だって・・・俺言葉話せないし・・・Yさん酒飲み仲間になるし・・・」

Y「何ボソボソ言ってんの?」

俺「いや、Yさんとも一緒に行きたかったので・・・」

Y「まぁ、もう仕方ないか。とりあえずさ、サンペドロに到着したらそのリサって人本当に探そうよ。じゃないと俺がここまで来た意味本当に分からないよ」

俺「そうですね。4人の方が楽しいですしね!」

Y「そうじゃなくて・・・もういいや。とりあえず、あっち行ったら探すよ!」

俺「あい!」


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その後、休憩所を挟み何時間かぶりの酒を体内に流し込み、またバス車内へ戻った。もう俺は限界だった。ただただこうして何も無い荒野を見渡すのは飽きた。Yさんから取り返したニンテンドーDSのバッテリーは既に切れている。本はバックパックの中にあるし、やることと言ったら窓の外の変わらない風景を見続けるだけである。先程の会話でYさんを少し怒らせてしまったかなと思ったが、Yさんはその後も気さくに話しかけてくれた。だが途中、芸能人の好みの話でYさんが好きだという熊田曜子を「チョイ○ス」と言った事で本当にキレさせてしまったようで、彼はあれから延々と目を瞑っている。

結局、何もすることがないので寝るしかない。俺は必死で目を瞑り続けた。そして・・・いつの間にか眠った。何時間経ったのだろう。バスは暗闇の中停車した。乗客がゾロゾロと降りていく。俺はYさんを起こし、バスの運転手が荷物を乗客に渡している間だけでも外に出ようと訴えた。しかしYさんは「寝る」とだけ言い放ち、俺は1人でバスの外へ出た。スペイン語も英語も話せないのでバスの運転手にちょっとだけ煙草を吸うなどと伝えられない。俺はバスの運転手の目から離れないよう、バスのそばで煙草に火をつけ、背伸びをした。煙草を吐き出す煙と、自分の吐き出す吐息が混じって真っ白な煙が暗闇に広がる。気が付くと随分と気温が低い。ジャケットを羽織っているとは言っても鳥肌が立ちそうだ。間違いなく10度も気温はないだろう。

そらを見上げると満天の星空が広がっていた。それはもう、大袈裟ではなくプラネタリウムの世界だった。今自分がどこにいるか分からないが、車の音どころか人の話し声さえしない。町の明かりもポツポツとしかないので、ここはとんでもない田舎だろう。ふて寝しているYさんを起こしてこの空を見せてあげようかとも思ったが、今は気分が優れない様子。そっとしておくのが友情であろう。

などと考えているとバスの運転手から声がかかった。

運転手「ペラペラペラペラペラ!」

俺「へ?」

運転手「ペラペラペラ!」

俺「ああ、そうそう。それ俺達の荷物だよ」

運転手「ペラペラ!」

運転手は俺達の荷物を指差すと、荷物を外に出し始めた。

俺「ちょっと待ってよ!俺達はサンペドロに行くんだよ。ここじゃないよ」

運転手「サンペドロ!!ここがサンペドロだよ!

俺「え・・・・・?だって夜中なんですけど・・・」

運転手「早くしろ!荷物、ここに出すからな」

俺「Y・・・Yさぁあああああああああああん!!!!!」


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サンペドロ到着。
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