世界中をぷらぷらしてきた

2ちゃんねるニュー速vipの力で復活したブログ。全てのvipperに感謝!!ありがとうvipのみんな!
   人気ブログランキングへ   ブログランキング・にほんブログ村へ
ランキング登録しています。1日ワンクリッコ、応援宜しくお願いします(^ω^)
ツイッターはじめました。→ から是非フォローお願いします。
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
lvljiko017762.jpg


俺は走ったね。本気で走った。

「パスポートがあった!?嘘だろ!?」

既に諦めていた俺は早くパスポートをこの目で確かめたく全速力で走った。もしかしたら他人のものかもしれない。だがこの国に日本人は少ない。このタイミングで他にパスポートを落とす勇者馬鹿がいるだろうか!?いや、いない。有り得ない。俺は警察署に向かって全力疾走、もちろんIさんは置いてけぼりだ。そして更に俺は警察署がどこにあったか分からなくなり迷った。

俺「ここはどこー!?><」

後ろを振り返っても時すでに遅し。Iさんの姿はおろか、宿の場所まで分からなくなった。結局俺はふらふら回りを歩き続け、目についた警官に話しかけ、迷子扱いで署まで連れて行ってもらった。警察署に到着すると先にIさんが到着しており、俺は白い目でIさんに見つめられた。

I「ぷら君・・・どこ行ってたの・・?」

俺「いや、その・・・うかれて走ったら警察署どこか覚えてないのに気付いて・・・戻ろうとしたら宿の場所もわからなくなって・・・・歩いてたら奇遇に警官に会っ・・・」

I「迷子になったのね」

俺「そうとも言いますね」

俺は早速警察署の受付で調書を見せた。するとすんなりとパスポートが出てきた。

俺「うおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」

I「やったじゃん!これマジで奇跡だよ!!」

俺「やったぁぁぁあああああああああああ!!!」

I「あの、これどこにあったんですか?」

警官「酒場の冷蔵庫の中にあったみたいだよ」

俺「へ?」

I「どゆこと?」

俺「あ!!そうか!!思い出しました!俺胸ポケットに入れてたんですよ!確かビールを取り出す時に冷えてるの探そうと奥に手を入れたんだ!きっとその時に落ちちゃったんですね・・・」

I「・・・・・・。まぁ・・・見つかって良かったね」

俺「はい!!Iさん、とりあえずもうこの忌々しい国は早く出ましょう!」

I「忌々しい国にしたのは間違いなく君だよ」

俺「何か言いましたか?」

I「いや、俺ももう用事ないし明日出ようか?」

その世、俺はパスポートを抱きしめて眠った。

翌日、俺とIさんは最後に嘆きの壁を眺めて戻ることにした。色々あったイスラエル。その中で1番印象に残っているのが嘆きの壁だった。偶然にもこの日はお祈りの日だったらしく、エルサレム旧市街では正装したユダヤ教徒が多く目に付いた。


lIMGP3713.jpg
(ユダヤ教徒地区:女の子とお祈りに向かう男の子)


宿は既にチェックアウトしているので俺達は荷物を担いで壁へ向かう。いつも通りチェックを受けて中に入ると、この日は今まで見た壁と違う風景が広がっていた。


lIMGP3715.jpg


何人ものユダヤ教徒が壁に向かっている。異様な風景だ。

俺は最後に壁に近付きたかった。触りたかった。

あの感触を・・・あの空気をもう1度だけ。

I「しかし今日は本当に凄いね。全員正装してるって初めてじゃない?」

俺「はい」

I「あれ・・・・?ぷら君どこへ・・・?」


lIMGP3716.jpg


俺はこれが最後と壁の限界まで近付いた。そして死ぬほど罵声を浴びせられ、泣きながらIさんの元へ戻った。

俺「Iさん!こんな国早く出ましょう!ろくなことありませんよ!!」

I「いや・・・それは全て君が・・・」

俺「一刻も早く出ましょう!さぁ出ましょう!今出ましょう!」

I「ああ・・・分かったよ・・・」


俺とIさんはそのままの足でターミナルを目指した。ヨルダンに戻るのだ。バスで国境へ向かい、イスラエルを出国する。勿論この時もイスラエルのスタンプを押されてはいけない。ヨルダンの入国も同様だ。あくまで俺は今ヨルダンにいることいなっているのだ。


lIMGP3723.jpg


1度やりかたを覚えているので難なく別紙にイスラエルのスタンプを押してもらう。しかし今になって思うのだが、ヨルダンに滞在していることにしてイスラエルへ入国したのに、パスポートの再発行がイスラエルだったら相当面倒な事になっていただろう。だが何とかなるものだ。これだから旅はやめられない。


lIMGP3722.jpg


バスに乗り、アレンビーブリッジの国境を越える。

俺「いやぁ、ヨルダンに戻りましたね」

I「そうだね。楽しかったよぷら君

俺「え・・・・これでお別れなんですか?」

I「うん、俺はこれからクネイトラって廃墟の街を目指すんだ。ぷら君はペトラに向かうんでしょ?」

俺「そうですけど・・・今日はコーダホテルに戻るんじゃないんですか?」

I「俺は時間がないからこのまま南下することにするよ」

俺「Iさんはペトラに行かないんですか?」

I「余裕があったら行きたいな~。俺はクネイトラ行ったらアカバって場所から紅海を船で越えてダハブって所に行く予定なんだ。今まですれ違ってきた北上組の旅人が皆口を揃えてダハブはいいって言ってたからさ。俺も行ってみようと思って」

俺「ダハブってなんですか?何があるんですか?」

I「簡単に言うとリゾート地みたいだよ」

俺「金の無い俺には無理だなぁ」

I「いや、それがエジプト領土だから死ぬほど安いんだってさ」

俺「マジですか!?」

I「うん、そもそもぷら君はどこからエジプトに入ろうとしてたの?」

俺「え・・・・それは・・・その・・・」

I「考えてなかったのね」

俺「そうとも言いますね」

I[そうとしか言わねーよ」


lIMGP3728.jpg


ターミナルに到着する頃には既に夕方になっていた。Iさんとお別れをする。

俺「Iさん、本当にお世話になりました」

I「いや、俺も本当に色々経験できて楽しかったよ」

俺「なんか寂しいです」

I「あはは、旅をしてればきっとまたどこかで会えるさ」

俺「はい。じゃあ俺はコーダホテルに戻りますね」

I「うん、俺もバスの時間だから行くとするよ」

俺「じゃあ俺見送ります」

I「ほんと?じゃあ最後だし甘えようかな」

俺はIさんがバスに乗り、バスが走り出すまで見送った。寂しい。でも仕方がないことだ。これまでも何度も出会いと別れを繰り返してきた。これからも出会いと別れはあるだろう。そしてこれも何度も言うが俺には俺の旅があるのだ。全ては自分の意思で決めるしかない。俺はコーダホテルに戻ることにした。

俺「そこのタクシーのおじさん?アンマンまでお願いします」

おっさん「あ~ん?お前大丈夫か?ここがアンマンだよ」

俺「へ?」

おっさん「へ?じゃねぇよ。ここがアンマンだっての」

困った。これは困ったぞ。

俺「その・・・コーダホテルって知りませんか?」

おっさん「しらん」

俺「クリフホテルって有名ですよね?」

おっさん「聞いたことないな」

俺「Iさぁああああああああん><」


俺は数台のタクシーに同じ質問を繰り返したが、返ってくる言葉は全て同じであった。ガイドブックも何も持っていない俺に今更コーダホテルに戻る術はなかった。適当に歩いてたどり着ける距離じゃない。自慢じゃないが俺は相当に方向音痴だ。そして世界レベルで運が悪い。適当に歩いたらたどり着く先は監獄だ。

仕方がないので決心した。行くしかない。このままペトラに行くしかないのだ。だがペトラってどこにあるんだ?俺はタクシーにペトラの場所を尋ねた。するとアンマンから軽く200km程南にある場所らしい。ヨルダンはシリアと違って物価はそこまで安くない。タクシーで向かえば破産するのが目に見えている。それどころかペトラに宿はあるのか?どこに泊まればいいんだ?

俺はタクシーを諦め、バスターミナルで長距離バスを調べた。

俺「あの、ペトラに行きたいんだけどバスありますか?」

係員「あー今日はもう終わりだよ」

俺「ええええええええええ」

係員「ここももうすぐ閉めるから早いとこ外に出てくれないか」

俺「オワターwwwwwww」

俺はターミナルの外に追い出された。行く当ても無く、俺はその場に座り込んだ。今日は適当にこの近辺で野宿するしかない。そして明日1番のバスでペトラへ向かえばいいだろう。明るいうちにペトラに到着すれば宿だって探せるはずだ。そう考えていた俺に声がかかった。

男「おい、そこで何してるんだ?足がないのか?」

男はタクシードライバーを名乗った。

俺「ああ、ペトラまで行きたかったんだけどバスが終わっちゃって」

男「そうか。タクシーで行く気はないか?」

俺「いや、俺そんなに金もないし明日までここで野宿して明日バスで向かうよ」

男「おいおい、この辺は治安が悪いんだ。野宿なんかしたら命すら危ないぞ」

俺「え・・・・そうなの?じゃあこの辺に宿はないかな?」

男「この辺りはない。おい、俺が安く乗せてやるから行かないか?」

俺「安くっていくらで?」

男「いくらまで出せる?20ドルでどうだ?」

俺「高いよ・・・せめて10なら乗る」

男「おいおい、そりゃないだろう。ここから200kmもあるんだぞ。じゃあ13でどうだ?」

俺は悩んだ。このままここで夜を明かす位なら乗ったほうがいいんじゃないか?宿に泊まってバスに乗るならタクシー代を払うのと変わらないんじゃないのか。

俺「う~ん・・・う~ん」

男「まったく、面倒な奴だな。よし!10でいいよ。乗れ」

俺「マジで!?兄ちゃんいい奴だな!10だからね!10だよ!!」


lIMGP3725.jpg


後の「鴨が葱しょってきた」の図である。
スポンサーサイト
lvljiko017762.jpg


翌日の夜、俺はIさんと共に再び嘆きの壁を目指した。昼間とは違い空気もひんやりしている。キリスト教徒地区、アルメニア地区と通って嘆きの壁へ向かったが、この2地区は気味が悪い位人の姿が無かった。


lIMGP3696.jpg


嘆きの壁にたどり着くとそこに人影はなかった。ただ大きな壁が目の前にあるだけで、人がいないとこれほどまでにも印象が変わるのかと思った程だった。


lIMGP3693.jpg


画像で分かるように壁は2色に分かれている。下半分は黒ずんでいるが、これはユダヤ教徒が手をついて祈った跡なのだそうだ。

俺はもう少し変わったものを見れると思っていたのだが、実際は人の姿のない風景だけだったのでガッカリして宿へ戻る事にした。Iさんと話しながら歩く。

俺「Iさん、Iさんはいつイスラエルを出るんですか?」

俺はもうこの時、Iさんが一緒にパスポートの再発行に付き合ってくれるという事に期待はしていなかった。自分が撒いた種だ。これまでも色々とトラブルは起こしてきたが、今回ばかりは見逃すわけにもいかない。パスポートが無ければエジプトまで進めないのだ。

I「それさ、俺も色々考えてたんだけどここまできたら腐れ縁だよ。付き合うよ」

俺「本気ですか!?」

I「うん」

この時ばかりはIさんが神に見えた。俺は嬉しくて売店でIさんにビールを奢り、目についたエルサレム旧市街のゲーセンで現地の高校生とデイトナUSAにいそしんだ。


lIMGP3700.jpg
(日本代表ぷらぷらVSイスラエル代表の高校生)


lIMGP3705.jpg


そのまま宿に戻ろうかとも考えたが、宿の中は蒸し暑い。そこで俺とIさんは旧市街の石段に腰かけ、しばらく涼しんでいくことにした。

俺「Iさん、本当に有難うございます。なんか迷惑ばっかりかけてて」

I「いや、いいよ。なんかぷら君ってほっとけない感じだよね」

俺「そうですか?」

I「ほっといたら大変な事になりそうじゃない?」

俺「まぁ、ほっとかれなくてもパスポート無くす位ですもんね」

I「日本人として、これ以上母国の恥をさらしてはいけないと思うわけよ」

俺「おっしゃる通りでございます><」


lIMGP3707.jpg


その後もくだらない話をしながら買ってきたビールを飲み、そして語った。宿に戻ったのはそれから1時間程あとの事だったが、俺達はその宿でこの旅2回目の奇跡を目の辺りにした。


宿主人「お!!帰って来たか!探したんだぞ!」

俺「どうしたんですか?」

宿主人「警察署から連絡があったぞ。明日来いだってよ」

I「呼び出し・・・だね」

宿主人「なんかパスポートが見つかったらしいぞ」

俺&I「!!!!!!!!」


奇跡は起きた。

lIMGP3709.jpg
(旧市街のネコ)

lvljiko017762.jpg


O君はもともと世界一周航空券での旅行者であった。そして彼はイスラエルへの入国を予定には入れていなかったのだが、ヨルダンのコーダホテルであまりにも日本人が少なかったので1日だけイスラエルへ入国しようと、ここパームホテルまでやってきたのだ。よって明日にはヨルダンへ戻るらしい。

俺「あの、Oさん・・・。俺色々あってスグにはヨルダンに戻れないんでサーメルにお金渡してもらえませんか?」

O「そりゃ全然いいよ。今お金ある?」

俺「それが・・・・俺元々ギリギリの所持金で回ってるのでその国のお金と米ドルしか持ってないんです。ヨルダンディナールは全部イスラエルシェクケルに両替しちゃって今全然持ってないし・・・。それで非常に厚かましいお願いなんですけど、日本円か米ドルをOさんに渡すんで、それでOさん手持ちのディナールからサーメルに払ってもらえませんか?」

O「それって俺が両替してって事?」

俺「平たく言うとそんな感じです」

O「う~ん。でも仕方ないよね。いいよ。俺どっちみち明日ヨルダンに戻らなきゃいけないしさ」

俺「更に図々しいんですが、日本人価格でトレードをお願いします」

O「本当に図々しいなwwま、いいよ。困ってるみたいだしさ」

俺「有難う~!じゃ、これ・・・」

O「久々に1000円札見たよwwwOK!あとはサーメルに支払っておくよ」


俺はこうしてOさんに日本円を渡し、不足していた分をサーメルに渡して貰うこととなった。その日はIさん、Oさんは宿で休んでいるとのことなので俺は1人パスポート探しを行った。警察に見つかると署に連れていかれてしまうので慎重に捜査を開始した。だが当然の如くパスポートは見つからなかった。


翌日、Iさんと一緒に宿からO君を見送ると俺達はエルサレムの観光名所である嘆きの壁へと向かった。

嘆きの壁はこちらを参考にして欲しい(wiki)。


旧市街に入り地図通りに歩くとゲートが見えてきた。中に入る前に厳重なボディチェックと持ち物検査が行われる。

lIMGP3653.jpg


その風景をなんとか帰国後知人に見せたいとの一心で、俺の後ろにゲートを通った黒人のおっさんを撮影したら兵士に死ぬほど怒られた。Iさんまで。


lIMGP3666.jpg


ゲートを抜けるとそこは広場になっており、正装したユダヤ教徒が祈りを捧げている。

俺「うわぁ、来ちゃいましたね」

I「本当だねー。なんかこう、自分の目で見ると本当に凄いねぇ・・・」

しかし暑い。俺はどこかで缶ビールが売ってないか必死で探したが売店などあるわけもない。

俺「ないっすね」

I「あるわけないじゃん。てかトラブルは御免だから頼むよぷら君・・・」

俺「勿論です!(キリッ)」


lIMGP3667.jpg


俺は近付き辛い壁に近付いてみることにした。どう見ても完全に浮いているこの格好、単なるいちアジア人がユダヤの聖地、嘆きの壁にどれだけ近づけるのか。


lIMGP3661.jpg


lIMGP3662.jpg


lIMGP3664.jpg


結果から言うと余裕で近付けた。


皆一心不乱に壁に向かってコーランを読み上げている。我々日本人には理解しがたい光景だが、複雑なここ中東の宗教背景を考えると非常に灌漑深いものがある。もし、俺がこの地に生まれたらこうなっていたのだろうか。彼等は常に何を考え、何を祈ってコーランを読むのか。こうして観光で俺達は訪れているだけだが、自分の崇拝する宗教行事のその場所を観光名所にされたらどんな気分なのか・・・。俺は少し考えた。このそびえ立つ壁も、彼等の服装も、壁に手をついて祈る行為も、それこそ何百年も前から行われてきたに違いない。

やはり面白半分で壁に近付くことや、まして壁に手を触れることなどはいけないのではないだろうか。宗教というものは非常に奥が深い。日本で1番多く信仰されている仏教でも、日本と他アジア地域の仏教では全然違ってくる。同じ仏教でも分かりあえない所が多いのに、全く別の、まして馴染みのないイスラム教やユダヤ教にこうして触れる事はとても貴重な体験になった。

俺「Iさん、俺いつものノリで調子に乗って行動してましたが、やっぱ駄目ですね」

I「俺もさ、ここに来るまでは普通の観光名所的なノリだったんだけど、今は違うわ~」

俺「ですよね」

彼等は俺がどれだけ近付こうが、カメラのシャッターを切ろうが何の反応も示さない。凄く集中しているんだろう。俺は自分が恥ずかしくなった。

I「ぷら君?なんかね、夜も運が良ければ来れるらしいよ」

俺「夜?」

I「うん!だから、一旦戻って夜来よう」

俺「また違った一面が見れるかもしれませんね」

I「うん、その時は彼等に敬意を払ってもう少し俺等もまともな格好で来よう」

俺「はい!」


こうして俺達は壁を離れようとした。この時までは本当に俺は彼等を尊敬していた。
























lIMGP3658.jpg


祈るフリして携帯いじっているコイツを見るまでは。


俺「ちょっwwwwIさん!!!あれwwwあれwwww」

I「見なかったことにしようよ・・・。多分中にはぷら君みたいなのもいるって事だよ」

俺「うっはっwwwww」

I「ほら、早く行くよ」

俺「駄目だwwwこれは絶対写真に残さないと」

I「やめなよ~」

俺「ちょっとだけ行ってきます」


lIMGP3670.jpg


アホの写真を撮影した後、俺達は「岩のドーム」へと向かった。ここもまた聖地である。しかしこの日はお祈りの日で俺達は中に入ることを許されなかった。


lIMGP3671.jpg

仕方ないので兵士の写真を撮り、聖母マリアが眠るという教会へ向かうことにした。そして見学を終えたら宿に戻って休憩をし、夜に備えて寝るつもりが、結局朝まで爆睡してしまうのであった。


lIMGP3680.jpg
(聖母マリア教会の墓守の老人)
lvljiko017762.jpg


翌朝、俺とIさんは警察署へ再び向かうことになった。昨晩丸刈りにされてから宿に戻ったが結局宿ではパスポートが見つからなかった。考えられるのはやはり昨晩祭りの最中に落としてしまったのだろう。

俺「Iさん、おはようございます。起きてください」

I「ああ・・・もう朝か~。おはよ・・・ブフフッ」

俺「いくらでも笑ってください。もうどうでもいいですから」

I「ごめんごめん、そんなつもりじゃないんだけど」

俺「さぁ、行きましょう。警察署へ。もしかしたら届いてるかもしれないし」

I「なんで俺が責められてるんだよww」


俺達は朝食も取らずに警察署へ向かった。昨晩取り調べをした担当の警官が分からないので調書を受付へ提出した。結局パスポートは届けられておらず、完全に紛失ということになってしまった。

俺「あの、もし無くしてしまった場合はどうなるんでしょうか?」

警官「その場合は速やかに日本大使館へ連絡してもらうようになるな」

俺「はぁ」

警官「しかし残念な事に日本大使館はここエルサレムにはないんだ」

俺「どこにあるんですか?」

警官「テルアビブってところだ」

俺「Iさん、なんか大変な名前をあげてますけどテルアビブって分かりますか?」

I「確かイスラエルの首都じゃなかった?北の方にあったような・・・」

俺「Iさん、また観光場所が増えましたね!!

I「増えてない!増えてないよ!ぷら君!俺は申し訳ないけどエルサレム以外行く気はないよ!」

俺「Iさぁぁぁぁあああああん!!!!」

I「いやいや、無理無理!!またどこかで会おうよ」

俺「いやぁあああああああああああああ!そんな事言わないでくださいよ~。だってパスポートを再発行しに行くんですよね?当然何回も検問に遭いますよね?そこで絶対俺聞かれますよね?なんでパスポートないんだって。そこで俺がエルサレムで無くして再発行の為に日本大使館に行く予定だって英語で言わなければならないんですよ?俺行くって単語しか知りませんって」

I「俺が紙に書いといてやるから、それ見せなよ」

俺「Iさぁぁぁぁぁぁあぁああああああああああん!!」

警官「おい、ここで騒ぐな。とりあえず手続きを進めろ」


結局俺は再発行をする為の手続きをした。手続きといっても「私は今パスポートを紛失したので再発行中です」といったカードみたいなものを作る作業だ。あとはテルアビブとやらへ行かなければならないのでバスのチケットを買わなければならない。

I「ぷら君、それじゃバスのチケット買いに行こうか。見送るよ」

俺「Iさん、俺まだエルサレムを全然観光してないじゃないですか?Iさんはもう少しエルサレムへ居るんですよね?俺も付き合いますよ。今まで一緒だったじゃないですか。たかがパスポートを無くしただけです。俺等の友情はこんなもんじゃないはずですよ」

I「たかがって・・・いいから早くした方がいいよ」

俺「いや、大丈夫です!責任は全部自分が取ります!とりあえずは目先のエルサレムを満喫しましょう」

I「そうなの・・・?まぁ本人がそう言うならいいけどさ・・・」

俺は考えていた。エルサレムを観光すると言っても1日や2日で観光できるものではない。もしかしたらその観光している間にパスポートが届けられる可能性だって2~3%はあるかもしれないし、その観光期間でIさんにゴマ摺りまくって、あわよくば一緒にテルアビブに連れて行こうという魂胆だ。

ハッキリ言おう。俺は最低だ。

俺「Iさん、とりあえず観光しましょうか」

I「うん。じゃあ今日はどこ行く?」

俺「その前に喉渇きませんか?何飲みます?奢りますよ?」

I「ぷら君お金無いんじゃなかったっけ?」

俺「いや、確かにお金なんかありませんが俺の為に一緒に危険を冒してくれる人にお礼をするのは当然ですよ」

I「なんか話おかしくない?」

俺「おかしくないですよね?当然ですよ」

I「噛み合ってないね」


lIMGP3652.jpg


観光すると言っても全然計画を立てていなかったので何をすればいいか分からない。そもそも俺の旅で計画通りにいたことなどない。今回パスポートを紛失したのも想定外だ。

I「あのさ、とりあえず旧市街をぶらぶらしても仕方ないからさ、一回宿に戻らない?」

俺「そうですね。何がどこにあるかも分かりませんもんね」

I「確か宿に古いけど情報誌置いてあったんだよね。それ見て行こうよ。物価とかは変わってるだろうけど観光名所はそんな変わるものでもないしさ」

俺「さすがIさん!頭キレキレですね!もう一生ついていきます!!!だからついてきて・・・・・

I「なんか言った?」

俺「いや・・・」

こうして俺達は一旦宿へ戻った。遅めの朝食をとろうと共同キッチンでヨルダンから持ってきていたパンを食べることにした。するとキッチンに人影が見えた。

O「あれ!?Iさん!?!?」

I「うおおおおおお!!O君!!!!」

どうやらIさんとO君は以前どこかで出会った事があるらしく、今まさにここで偶然に再会を果たしたようだ。

I「O君元気だった?近くまで来てるってメールがあったから俺結構長い間ヨルダンのコーダホテルで待ってたんだよ~!」

O「ほんとですか?俺今ここに着いたんですけど、コーダホテルに1泊しましたよ!」

I「じゃあ本当に入れ違いじゃん!!」

O「あ、そうだ。ぷらぷらって人知りませんか?」

俺「へ?」

I「ぷら君はこいつだよ?」

O「え?!マジでですか?!ラッキー!!!!」

どうした!?なんだ!?俺もどこかで偶然出会ってたのか?旅はこういった事が多々ある。同じ地域を旅していると今日出会った旅人が自分の知っている旅人の知り合いなどと色んな方向でつながるのだ。

俺「え~!!どこかで会ってましたっけ?それとも誰かの知り合いですか?」

O「あ、ちょっと待って。手紙預かってるんです。部屋にあるから待ってください。それと今パスタ茹でてて・・・。食べ終わってからでいいですか?てかパスタ大量にあるんですけど食いませんか?」

俺&I「食う!食う!!!」


lIMGP3688.jpg


Oさんは料理が得意らしく、ミートソースを作ってくれた。久々にまともな飯だった。味も美味しく、会話は弾んだ。

O「それは大変でしたね・・・・で、テルアビブまで行くんですか?」

俺「はい、でも2人ならなんとかなりますよ」

I「いやいや、2人って誰よ?」

俺「Iさん、テルアビブの観光地も調べないといけませんね!」

O「仲いいんですね~!でも、俺聞いた話なんですけどパスポートの再発行って日本から送られてくるらしいんで2週間とか普通にかかるみたいですよ?ぷらさんは再発行待ちだからいいでしょうけど、Iさんはビザの期限切れちゃうんじゃないですか?」

I「いや、もともと行かないよ。てかそんな理由聞いたら行けるわけないじゃん」

まずい、不利な方向に話が向かっている。俺は話を変えた。

俺「ところでOさん、さっきの手紙の話なんですけど」

O「あああ!今持ってくるよ」

俺「誰ですか?女の子?」

俺はちょっとカナの事を期待した。

O「サーメルからですよ」


!!!!!!



I「えっ?サーメルから!そう言えばぷら君、俺達サーメルに置き手紙してきたじゃん!」

俺「はい!うわぁ~!楽しみなんですけど!」

O「お待たせ~。これです」

俺は封筒をあけ、手紙を出した。そこにはサーメルの直筆で英語で文章が書いてあった。

I「なんて?」

俺「読めないっす。Iさん、読んでください」

I「どれどれ~。えっと・・・・・・・・」





・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


ぷらぷら様へ

元気ですか?あの日見送りできなくてすいません。
僕を気遣って起こさなかったんですね。
本当にありがとう。私は日本人が本当に好きです。
やさしくて、僕を1人の人間として扱ってくれて。
君もその中の1人です。多分今パームホテルにいるのかな。
エルサレムで宿泊する日本人宿はあそこが有名だから手紙を
たくしました。

それで本題ですが、ぷらぷら様、実は言いにくいんですが貴
方の宿代が足りないんです。手紙には戻ってくると書いてあ
ったんですが、なんらかの理由で戻らない場合誰かに頼んで
宿代を払ってください。貴方の旅が素敵なものになりますよ
うに願っています。

                      サーメル


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・






I「ぷら君・・・君って奴は・・・・」



俺は涙が止まらなかった。
lvljiko017762.jpg


警察署へ連行された俺は3階の取調室らしき部屋へ連れていかれた。Iさんは取調室に入る事を拒否されたが、俺がまともに英語を話せなかったので通訳といった形で同席してもらう運びになった。

警官「それでお前、パスポートはどこに行ったんだ?」

俺「多分今日落としました」

警官「どこで?」

俺「分かりません。エルサレムのどこかです」

警官「とりあえずパスポートもない、身分も分からないお前を解放するわけにはいかない。しばらくここで過ごしてもらうがいいな?」

俺「しばらくって・・・ふぇえええええ・・・」

I「ぷら君、落ち着いて」

俺「だって・・だって・・・」

I「あの、もしかしたら宿にある可能性もあるんです。だから今日は一旦宿に戻らせてくれませんか?身元の保証なら僕のパスポートを使ってください」

警官「しかしだな・・・・」

俺「おでがいじまずーーー・・・・・うううううぅうぅぅぅうう」

I「明日また必ず来ます。だから今日は戻ってもいいですか?」

警官「それならば一応紛失したという証拠に紛失届をだしてもらいたい。何もしないでここから帰すわけにはいかないからね。お前、パスポートの番号は覚えているのか?」

俺「はいぃぃぃぃいいいい・・・・」

警官「確かアレンビーブリッジからの国境越えだたな?」

俺「はいいいいいぃぃぃぃぃいいい・・・・」

警官「国境に問い合わせてみよう。それでもし、お前が嘘をついてたら分かってるな?」

俺「Iさん、国境の名前あれでいいんですよね・・・?」

I「うん、確かだと思うよ」

警官「じゃあ、私が書くから質問に答えて」

俺「はい・・・・・」

I「ぷら君、とりあえずもうビール飲むのはやめようよ」


lIMGP3632.jpg


こうして1時間程取り調べをうけて俺は解放された。

俺「Iさぁぁぁぁぁん・・・俺・・・俺・・・・」

I「ほら、泣かない。ぷら君ちょっと落ち着いて思い出してみようよ。どこかでパスポート出さなかった?」

俺「全然記憶にないです・・・。Iさんと一緒に歩きまわって・・・踊って・・」

I「そうだよね。俺も一緒にいたけどパスポート出したりしなかったもんなぁ」

周辺では祭りがいまだ続いていたが、俺の中では完全なるお通夜モードだ。

I「とりあえず、ある事を願って宿に戻ろうか。何か奇跡があるかもしれないしさ」

俺「でも・・・確かに宿を出たときに持ってたんです。Iさん、俺もう少し探していきます」

I「そっか。でも迷ったりしない?大丈夫?」

俺「はい。とりあえず、あそこの床屋?人が大勢いるので行ってみます」

I「あんまり無理しないようにね」


lIMGP3649.jpg
(Iさん撮影、床屋に聞き込みする俺の図)


俺「あの・・・」

床屋「お、客か?」

俺「いや、客じゃないです。俺パスポート無くしたんですけど見たりしませんでしたよね・・?」

床屋「知らんなぁ。とりあえず困ってる様子だから知り合いに声かけまくってやるよ」

俺「本当ですか!?」

床屋「ま、中に入って待ってな」

I「ぷらく~ん!どうしたの?あったの?」

俺「いや実はこれこれこういうわけで・・・・」

I「なんか危なっかしくて見てられないから俺も一緒に探すよ。宿は10分もあれば見れるしね」

俺「Iさん・・・愛してます」


lIMGP3651.jpg


そして俺は何故か床屋の待合室で待つ事になった。


llIMGP3650.jpg


完全に浮いているのがお分かり戴けるだろう。

床屋「おいジャパニーズ」

俺「はい!どうでしたか?」

床屋「お前の番だ。座れ」

俺「へ?」

床屋「ほら」

俺「Iさん、なんて・・・・?」

I「なんか座れって言ってるけど・・・・ぷら君、何の話したの?」

俺「いや、パスポートの話ですけど・・・・」

I「とりあえず行ってみたら?」

俺「はぁ」

俺は床屋のおっさんに言われるまま椅子に座った。俺は不安そうにIさんを見る。




ブイイイイイイイイ~




俺「ちょっと!!!!ストップ!!!ノー!!!ノォォォォー!!!!」

床屋「なんだ?」

俺「なんだじゃねぇよ!何バリカン使ってんだよ」

いくら怒っても時既に遅し。俺の左のモミアゲは消滅していた。

俺「洒落になんねー!!!!」

I「あはははははははww」

俺「ちょっとIさん、何してくれてんすかこのおっさん!!」

I「なんかおっさんパスポートの話なんか何も聞いてないって言ってるけど・・・・」

俺「えー!?!?」

床屋「ほら、続きやるぞ。それじゃ格好悪いだろ」

俺「お前がやったんじゃねぇかよ!!」

I「でもそれじゃマズイよ・・・wwせめて左右対称にしたほうがいいって・・www」

俺「マジで言ってるんですか!?えー!!あー!!ちょwwもうwwwどうにでもしてくれ」

床屋「動くなよ~」





ブイイイイイイィ~






パスポートを探しに来た俺は15分後ゲーハーになった。
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。