世界中をぷらぷらしてきた

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中東編


随分長いことかかってしまいました。本日をもちまして中東編の加筆修正が完了したことをお伝え申し上げます。東南アジア編に続き読み返すと随分濃い内容になっているなぁと改めて実感しました。正直な話、カナとは音信不通でございます。個人的にはカナよりIさんとの出会いがその後の俺の旅に大きく影響しました。本当に懐かしいなぁ。なんか読み返していると胸が苦しくなります。

今メールでの要望が多かった写真だけのHP作成も考えています。特別技術もないので写真だけをオリジナルサイズで貼っていくだけの単純なものにしていこうと思っています。よく聞かれるのですが当方写真は素人です。当時カメラはペンタックスのK100D、レンズはキットレンズを使っていました。露出もシャッタースピードも何も分からずボタンを押すだけのオート撮り。撮りたい風景が目に入ったら何回もシャッターを押して気に入った感じになるまでひたすら撮り続けた写真から気に入ったものを1枚残して次へ向かう、そんな感じで写真は撮っておりました。今やそのカメラも寿命でお亡くなりになり、SONYのNEX-C3にレンズを色々くっつけて出かける時は持ち歩いています。ミラーレス一眼レフ、俺みたいな素人には丁度いいカメラです。旅にもいいんじゃないかなぁ。

よく旅してて思ったことが、出会う日本人の旅行者は凄く高そうなカメラとレンズを持ち歩いているのですよ。それはもうカメラ知識も腕もあるのでしょうけど、やっぱりその時にしか見れない目に映る風景に勝るものはないと思うのが貧乏人の俺の負け惜しみなんです。写真に残すことはもちろん思いでとしても大事ですけど、やっぱり旅をした時は目に焼き付けるようにしたいですね。写真はそのついででいいんじゃないかなぁ。

雑談が長くなりましたが加筆修正完了のお知らせでした。
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ジャラジャラジャラジャラ・・・・。

薄暗い部屋に牌をかき混ぜる音が響き渡る。今俺が居る場所は賭場Tだ。そして上家に座って不敵な笑みを浮かべているのは俺が東南アジア編で技(サマ)を使って俺から金を巻き上げた憎き宿の従業員である。そう、彼は間違いなく玄人(バイニン)である。これまで半荘2回の戦績は両方俺の最下位だ。しかしこれは俺が自分で鳴いているにも関わらずリーチ宣言したり、憎さ余って誤ロンを繰り返した為である。これではいかん。俺は既に奴の技中にはまっていた。おそるべし玄人(バイニン)。

従業員「ぷらぷら、またビリね~」

俺「うるせぇ!まだ勝負はこれからだ!フライトの時間までまだ5時間もあるんだよ!始まったばっかじゃねぇか!」

M「ぷら君、この人に何か思い入れあるの?」

俺「いや、前回ボコボコにやられたんでリベンジを・・・」

T「でもぷらさん麻雀素人でしょ?」

俺「なにを言うんですか!!そそそそんな事ありませんよ!次いきますよ!次!!」

Mさんは俺がカオサンで昼間スカウトしてきた日本人のおっさんである。Tは同じ宿に宿泊する大学生のバックパッカーだ。そして彼等には従業員がイカサマをすることは伝えてある。前回、俺は観戦していたタイ人に俺の手牌をタイ語で伝えられ、ボコボコにされた。しかし今回はその教訓を生かして部屋にはこの4人以外に人は入れなくしてある。準備は万全、あとは己の力量で戦うのみだ。

3回戦も終盤に差し掛かり俺は相変わらずのビリだ。しかし南3でビクチャンスが訪れた。配牌でイーシャンテン。しかもツモれば倍満まである大型手だ。裏ドラ次第ではそれ以上もあり得る。しかもその時の親は憎き従業員。俺は燃えた。

慎重に、そして気付かれぬよう俺は牌を整理していく。まだこの局も序盤だ。いきなりリーチをする必要もない。どうにか直撃を取りたかった俺は字牌の単騎地獄待ちを狙った。7~8順した頃だろうか。俺は自分の手牌に違和感を覚えた。

1・・2・・3・・・・・・・7・・・・9・・・・11・・・・・・・12.







12!?







12しか牌が無い。やりやがった。あいつ・・・抜きやがった・・・。


俺「ちょっと待った!」

M「どしたんです?」

従業員「どうしたの?」

俺「俺の手牌が12枚しかない」

T「それ少牌じゃないですかwwww」

俺「いやいやいやいや!!えええ!?」

従業員「残念ね~ぷらぷら」

俺「おい!俺鳴いてもいないし何もしてないよ」

M「ツモ忘れたんじゃないですか?」

俺「ええええええ!?」

T「残念ですけど・・・・」

俺「ああああああああああああ」

M「ここはもう罰符じゃなくていいんで、そのまま続けましょう。でもぷらさんは上がれませんからね。そのまま振り込まないように注意して続けてください」


M・・・お前も玄人(バイニン)だったか・・・。しかも従業員とグルか・・・。


二重、三重にしかれた罠に俺はまた引っ掛かってしまった。



T「あ、ぷらさんそれロン」

俺「T!!!てめぇっ!!!」

T「ちょちょちょ、怒らないでくださいよ」

俺「チクショー!俺の1人負けじゃねぇか」

従業員「もうお金ないのか?」

俺「ねぇよ!ちょっと待って。おろしてくるから」


このまま日本に帰る事は許されない。俺のプライドが許さないのである。俺はATMで3000円分のタイバーツを引き出し、再度勝負を挑む事になった。

俺「ねぇ、レート倍にしようよ」

M「俺はいいですけど・・・」

T「ぷらさんが気の毒で・・・」

従業員「いいぞ♪」

俺「黙れ黙れ黙れ!!!じゃあ倍で再開な!!」


3時間後、真っ白に燃え尽きた俺がそこにはいた。

M「ぷら君、元気だしなよ」

俺「・・・・・。」

T「なんか・・すいません」

従業員「ありがとな!また待ってるから」


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結局、俺は1度も1位を取れず散った。


そして3人に見送られて空港へ向かう。何とも言えない気持ちだったが、これがまた俺らしくて良かった。またリベンジする、そんな名目ができたじゃないか。またいつか俺はここカオサンに戻ってくる。絶対に戻ってくる。


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飛行機に乗り、いつの間にか夜が明け、窓の外から景色を眺めながらそう思った。


今度はインドに行こう。必ず行こう。三か月前、無駄にしてしまったインドのビザの事を俺は思い出した。その時またタイに立ち寄ってマージャンでリベンジを図る。そう、心に固く誓った・・・・。





はずだった。





だが俺は半年後、何故か日本の裏側アルゼンチンの大地に立っていた。




(南米編へつづく)
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今までダニやら南京虫やら砂埃にまみれながら寝泊りを続けていたので現代的な・・・そして無機質なカイロ国際空港に俺はとてつもない違和感を覚えた。タイへ飛ぶ飛行機の搭乗受付を済ませ、空港内をふらふら歩くと少しずつ思い出してくる。そう言えば今から3か月前、この空港で長時間意味も分からず待たされて不安な思いをしたっけ。タイからトルコへと飛んだ時、インドのビザを破棄したにも関わらず俺には迷いは無かった。しかしトルコからシリアに入る辺りから後悔しはじめ、イスラエルでパスポートを紛失した時には完全に後悔したものだ。本当に長いようで短かった。道中何度も日本に早く帰りたいと願った。日本に戻って味噌汁が飲みたい。日本に戻ってアサヒスーパードライが飲みたい。家族に会いたい。彼女に会いたい。そう何度も・・・何度も思った・・・。

それが今こうして帰国する為に空港にいるともっと旅を続けたいと思ってしまう。俺は・・・このままでいいのか。やり残した事はないのか・・・。ラウンジでコーヒーを飲む金なんぞないのでベンチに座り勘違いしたフライトまでの待ち時間3時間を潰していると、隣の欧米人がビールを買ってきて飲みだした。羨ましげにそれを眺めていると欧米人が俺にビールを差し出す。飲めと言うのか!?いや、俺も侍のはしくれだ。他人のお恵みなど・・・有り難く頂戴しましょー!!!


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欧米人に貰った缶ビールを一口飲む。エジプトのビール、ステラだ。そして激安煙草に火を付ける。目を瞑るとこれまでの思い出が浮かんでくる。あと少しで・・・あと少しで日本に戻るんだ。Iさんと別れた事は正直寂しい。でも日本に戻れば家族や彼女に会える。複雑な気持ちだった。

だがビールを飲み終える頃、よくよく考えてみると彼女なんかいなかった。


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飛行機は定刻通りに出発した。これから長い長いフライトだ。だが問題ない。来る時とは違い今の俺にはデジカメの中に入っている数多くの写真という思い出が眠っている。これを1枚ずつ見ていこう。機内で酒を飲みながら写真を見ていればアッという間にタイにつくはずだ。

俺「あの、ビアプリーズ」

スッチー「5ダラー」

俺「え?」

スッチー「5ダラー」

俺「え?!ちょ・・・俺今5ドルもないよ・・・」

ブシュッ

俺「おいおいおいおい!勝手に開けるなよ。ソーリー、ノーマネー!ノーマネーソーリー!」

スッチー「はぁ?!」

大変に申し訳ないが今俺の財布の中には2ドルしかない。困っていると隣の欧米人が金を支払ってくれた。

俺「え!?いいの!?」

欧米人「いいよ。飲みな」

俺「ありがとおおおおおおお!」

人の奢りは何よりも美味い。俺は本日2度目のおめぐみを貰い、フライトを楽しんだ。

そして飛行機はいつの間にかタイへ到着した。空港から外に出ると真っ暗だ。何時なんだ一体。いつものようにタクシーでカオサンを目指す。悲しいことに日程がメチャクチャなので今から23時間後に日本へ戻る飛行機が出る。いちいちカオサンへ行く事は面倒だが、空港で23時間潰す事は出来ない。俺はATMで5000円分キャッシングし、カオサンへ向かった。

見慣れたカオサン、もう慣れたものだ。俺は東南アジアを旅した時にお世話になった宿へ泊まる事にした。宿に向かう途中、コンビニでビールを買い込み宿へチェックインする。見慣れた宿の店員が俺を出迎える。

「Do you remember me!?(俺の事覚えてる?)」

と聞いてみたが返ってきた答えは「no」だった。


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宿の食堂でコップを借りて酒を飲む。時差と疲れからかすぐに眠くなってしまう。辺りを見渡しても他に旅人の姿は見えない。それもそうだ。今はオフシーズン。旅人が少ない時期なのだ。コンビニで買ったビールを飲み終え、足りないので宿のビールを飲んでいると俺に声がかかった。

???「ぷらぷら?」

俺「え??」

誰だ俺を名前で呼ぶやつは?

振り向いた先に居た人物、それは俺を麻雀でボコボコにしたこの宿の従業員だった。

俺「うおおおおお!思い出した!!」

従業員「へい!元気だったか!?どこに行ってたんだ!?」

俺「中東だよ!ミドルイースト!」

従業員「そうか、これからしばらくここの宿に泊まるのか?」

俺「いや、残念だけど明日出るんだよ」

従業員「そうか・・・じゃあ麻雀出来ないな」

俺「いや、できるっしょ。今スグはメンツもないし、俺も眠いから出来ないけど、明日の夜中3時にフライトの飛行機で俺帰るから明日その時間までやろうよ。大丈夫?」

従業員「俺は逃げないからいつでもいいんだよ~?」

俺「絶対リベンジするからな。あとメンツだけど日本人な!タイ人は駄目だからな」

従業員「別にいいよ」

俺「よーし!じゃあ明日夜8時にここにまた集合な!」

従業員「OK、楽しみにしてるよ」



最後の決戦まで残り14時間。
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今更だが、Iさんはできた人間であると明記しておこう。ピラミッドでのひと悶着あった後にもう1つの見どころスフィンクスを見に行った時の話だ。

I「ぷら君さ、許すから俺のお願いも1つだけでいいから聞いてもらえないかな?」

俺「なんなりと!!なんなりとお申し付けください!」

I「いや、笑わないでよ?」

俺「ガハハハww笑いませんとも!なんですか!?」

I「・・・・。そこにスフィンクスあるじゃん?」

俺「はい!おりますね!鎮座しております」

I「あれと、キスしたいんだよ」

俺「・・・・・・・へ?」

I「だから!遠近法使ってキスしているように写真を撮って欲しいんだよ」

俺「俺が・・・やるんですか?」

I「俺がやりたいの!!」

俺「ぶははははははははww30過ぎたおっさんが何言ってるんですか!」

I「笑うなって言っただろ!いいじゃん!その位!それにまだ30じゃないよ!」

俺「いいですよ!お安い御用です!ささ、じゃあ早く目を瞑って唇突き出してください」

I「待ってよ、周りに観光客いっぱいいるから恥ずかしいよ」

俺「恥ずかしがる歳じゃありませんって」

I「ぷら君も俺と変わらないんだよ!?」

俺「いいですから、早くやってください」

I「じゃ、いくよ・・・・。ムチュ~」

俺「ぶはははははははw」

I「俺ホント怒るよ!早く撮ってよ」


そして俺は三十路間近のおっさんのキス顔を角度を変えながら数枚撮影した。通り過ぎる観光客は俺等のその姿を見て笑っている。中には指を指して笑っている者までいる。おぞましい写真を数枚撮影し、デジカメの液晶越しに撮影の出来を見てみると意外なほど素敵な写真が撮れていた。俺は自分もやりたくなった。Iさんにお願いし、俺も目を瞑り唇をありったけの力を振り絞り突き出す。


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その後なんの未練も無くなった俺達はギザを後にした。宿に戻り少し休むと、夕方ナイル川の畔へと出掛けた。


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陽が落ちてもまだ暑い。路上で売っているアイスを購入し川辺へ腰を下ろす。そして長かった1日を振り返る。本当に長かった。そして遂にピラミッドも見てしまった。タイへ戻る飛行機のフライトの日までまだ2週間はある。何もすることなく、残りは静かに過ごそう。

俺「Iさん、Iさんはこれからどうするんですか?」

I「ピラミッド見ちゃったもんね」

俺「はい」

I「俺はさ、カイロからそのまま日本に戻ろうって考えてるんだ」

俺「え!?じゃあスグにでも!?」

I「まぁスグにでもいいんだけどさ、ぷら君まだカイロにいるんでしょ?」

俺「はい、あと2週間はいることになりますね」

I「じゃあ、俺もいるよ。ぷら君を見送った翌日日本に戻るよ」

俺「Iさああああああああああああああああああああん!!」

I「色々あったけどさ、試練はちゃんと乗り越えないとさ」

俺「俺といるのがそんなに試練ですか!?」

I「今頃気付いた?」


それからのカイロでの日々はIさんと共にIさんの持っていたガイドブックの観光名所を淡々と回るものであった。


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香水屋へ向かった帰り道、バスを待つ間に何故か床屋のオヤジと意気投合し言葉の違いから2度目の丸刈りとなり。


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南京虫に刺された跡が悪化し、再び病院と薬局通いをし。


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映画館に行ったらアラビア語で全く理解出来なかった。

そしてタイへ戻る前日、最後の最後に取っておいたカイロ動物園へと俺とIさんは向かう事になった。ガイドブック通りに電車に乗り、乗合バスで動物園駅へ行くはずだった。


俺「Iさん!バスきましたバス!!おーい!!」

運転手「なんだお前等、よそへ行け」

俺「はああああ!?何で俺等は乗せてくれないんだよ!」

運転手「なんでもかんでも・・・なんで乗るんだよ?」

俺「バスだからに決まってるだろ!俺等は動物園に行くんだよ!ズー!ズーパーク!!」

運転手「ああ・・・もう勝手にしろ・・・」


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後に気付いた事だが、俺等の乗ったバスは女子大の送迎バスであった。無理を言って動物園前で降ろしてもらい、いざ動物園へ。動物園に入って俺達は言葉を失った。ラクダしかいないのだ。


I「なんでラクダしかいないの・・・」

俺「知りません・・・」

I「ラクダなんかその辺にいっぱいいるじゃん・・・」

俺「はい・・」

I「なんで檻に入れるの・・・?」

俺「知りません」

I「これが最後のエジプト観光ってぷら君・・・・」

俺「察してください・・・」


動物園を後にして宿へ戻る。もうこの宿も長い。部屋に戻り荷物をまとめる。不思議な感じだ。しばらくの間荷物の整理をしていなかったので荷物がベッドの付近に溢れている。この旅で荷物を整理するのもこれが最後だろう。少し寂しい。

俺「Iさん、明日でお別れですね・・・・」

I「ぷら君、色々あったけど有難うね。楽しかったよ」

俺「なんか凄く寂しいです・・・」

I「日本でも会おうよ!」

俺「絶対会いましょうね!」

I「うん!ぷら君はこの後まだ旅は続けるの?」

俺「え・・・」

俺は次の旅など考えた事はなかった。この中東の旅でさえいっぱいいっぱだたのに、更に新天地求めて旅立つなど考えられようもなかった。

俺「まだ・・考えてませんでした。Iさんは行くんですか?」

I「俺は多分行かないけど、ウユニって知ってる?」

俺「なんですかそれ?」

I「南米のボリビアにウユニって場所があるんだけどさ、そこは行ってみたいなぁ」

俺「いいとこなんですか?」

I「もうこの世のものとは思えない世界みたいだよ」

俺「へぇ~」


このIさんの一言で俺は南米へ旅立つ事になる。


翌日、宿の前でタクシーを停め空港へ行き先を告げる。見送ってくれるのはIさん1人だ。トランクに荷物を放りこみ、後部座席へ乗り込みIさんを見上げる。これでお別れかと思うと涙が出てくる。ドアを閉め、窓を開けてIさんと握手をする。

I「なに泣いてんの?」

俺「泣いてませんよ・・・」

I「ぷら君、本当に本当に有難うね」

俺「Iさん、俺こそ・・・」

運転手「おい、行くぞ?」

I「はい!お願いします!」

俺「え!?ちょっ・・・・」



ブオオオオオ~ン



なんだ!?何が起きた!?感動的な別れのシーンで何故車が走り出してる?!俺は後ろを振り返った。Iさんはこれまでに見せた事のない位満面の笑みで手を振っていた。さよならIさん、有難うIさん・・・。
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うおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!


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無駄に大声を出して俺はピラミッドへと突進した。しかしその大声のせいで警備員がこちらを睨む。警備員の目に映るはピラミッドに向かって突進するアジア人。しかし警備員と俺達の距離は50mは離れている。駆け寄ってきた所でまだ捕まらないだろう。俺は後ろを振り返ることなくチェーンをくぐり、石段の目の前まで辿り着いた。ピラミッドの目の前にきて俺は驚いた。1つ1つの石が巨大なのだ。遠く離れた場所から眺める限り、せいぜい大きくても30cm程だと思っていたのだが、その大きさは1mかそれ以上だ。ゆうに腰の部分まである。これは階段を駆け上がるようには登れない。それにピラミッドの周りには上部から風化して落下したであろう石がゴロゴロとしている。もし登っている最中に落石があり、俺に直撃したら一瞬でオシャカだろう。しかし破ったIさんの相方のこともある。俺はよじ登り始めた。


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キレイに切られていると思っていたその石は、角が丸みをおびており手をかけるとポロポロと崩れそうだった。非常に登り辛い。サンダル履きだったのが災いしたようだ。上を見上げると反り立つようにピラミッドが立ちはだかる。とても頂上までは登れない。登ったら確実に死ぬ。俺の心の中に暗雲が立ち込めた頃、後方で既にトラブルに巻き込まれている人物がいた。Iさんである。

I「ぷら君!ぷら君!ぷら君!!!!ちょっと!!!はや・・・・はやく!!!」

後ろを振り返り目を細めるとIさんが警備員に捕まっている。

I「早く!!!ちょっと俺怒るよ!!待ってよ!!俺何もしてな・・・ああああっ!!!

俺は静かに視線をピラミッドに戻し、再び黙々と登りだした。

I「ぷら君!!おいこらプラッ!!!!!聞こえてんだ・・・あああああああああ・・・・」

今登るのをやめたら確実にお縄だ。申し訳ないがIさんにはここは犠牲になっていただこう。そして後から存分にお礼をすれば許してくれるはずだ。


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残念な事にIさんが撮影できたのはこの写真までである。俺は1/3登ったところで再び下を振り返った。相変わらずIさんが警備員に取り押さえられている。そして警備員もIさんも俺を見つめている。何より恐ろしかったのがその高さである。登るにつれ、足場の幅がせまくなってきており、1/3ほど登ると自分の足1つ乗せるだけでギリギリである。間違って足を踏み外せば間違いなく下まで転げ落ちるだろう。俺は諦め、ソロソロとピラミッドを降り始めた。登る時は10分もあれば1/3まで登れるのに降りる時には実に倍近い時間がかかった。残り2~3段まで降りた時、叫びながら警備員が俺に近寄ってきた。問答無用で取り押さえられてIさんの横までしょっぴかれた。

I「なんですぐ降りてこなかったの・・・」

俺「やっぱ・・・駄目なんですね・・・」

I「どうするのこの人達・・・・銃まで持ってる本物の軍人さんじゃん・・」

俺「大丈夫ですよ、ほら、秘密兵器があるじゃないですか」

警備員「お前等、何やってるか分かっているのか?」

俺「ソーリー、これ少しばかりですけど・・」

警備員「ああああん!?なんだこりゃ!?お前ナメてんのか!?」

俺「Iさん、話が違うじゃないですか!?」

I「こっちのセリフだよ!!」

警備員「お前、これなんのつもりだ?」

俺「え・・・あ・・・その・・・プレゼント・・・フォーユーです」

警備員「ちょっとこっちに来い」

俺達はピラミッド脇にある警備員の宿所へと連行され、小一時間ほど説教をされることとなった。いつもは俺が分からない事を通訳してくれるIさんも、この時ばかりは俺へ一切通訳してくれなかった。


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(ギザの3連ピラミッド)
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