世界中をぷらぷらしてきた

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タージマハルの中央門を目の前にして中に入らず2日間宿に引きこもっていたことにはワケがあった。初日の夜、偶然同じ宿に宿泊した日本人大学生グループと夕飯食べた時のことだった。久々に日本人と一緒の夕飯とのこともありテンション高めにビールを注文したりチキンを頼んだりと1人盛り上がっていたのだけれども、大学生さんのテンションが全然あがらない。

俺「なんか静かじゃね?」

大学生A「え?そうですか?」

俺「うん。なんかこう、もっと大学生ってはじけてるイメージだからさ」

大学生B「あーコイツ就職の事で悩んでるのひきずってるんですよ」

俺「なんかあったの?」

A「いや、卒業旅行ってことでインドきたんですけど戻ったら現実が待ってるなぁと思って」

俺「うーん、そんなもんじゃないの?」

A「なんか学生時代が終わるの凄く寂しいんですよね」

B「そんなの誰でも一緒だろーよ。ね?ぷらさん」

俺「まぁねぇ。俺は自営業みたいなもんだからこうやって時間作れるけど、そうでもないとなかなかこうやって旅したりとか出来ないもんなぁ」

A「はぁ・・・なんか鬱です」

俺「ほらほら、今はそんなこと考えないで思いっきり楽しもうよ」


A君は卒業後社会人になることに不安を抱いているようだった。考えてみると俺という人間は学生生活の延長のような生活をここ数年送ってきた。いやそれなりに仕事もしてきたけれど、冷静に考えてみると世の中の大多数の人は俺のように好き勝手できないだろう。それぞれ立場や仕事があるし、責任もある。夕食は早々におひらきとなり、俺は残ったビールを持って部屋へ戻った。ベッドにこし掛け、グラスを傾けながら随分とくたびれたバックパックを眺めると、ここ数年間の旅の思い出が一気に甦ってきた。そして思った。これまでの旅とこのインドの旅で決定的に違うことが一つだけある。俺のモチベーションが全然違うのだった。楽しめていないと言ったら嘘になる。感動がなかったといったらこれも嘘になる。ただ、南米ほど、中東ほど、東南アジアほど楽しめていないし感動が少ないのもまた事実だった。その日、なかなか寝付けなかった俺は受付で更にビールを2本注文し夜遅くまで1人思いにふけった。

翌朝、昼前に目が覚めた俺は荷物をまとめて宿をチェックアウトした。


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変なヤギを横目に見ながらタージマハル中央門へと向かう。入り口で厳重なチェックをうけ、中に入ると既に観光客でタージマハルの中は溢れかえっていた。日本人観光ツアー客の姿も多く、ここタージマハルはインド最大の観光名所なんだなと改めて実感した。


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タージマハルは1632年着工、1653年竣工。建材はインド中から1,000頭以上もの象で運ばれてきたといわれ、大理石はラージャスターン地方産という。その他、碧玉はパンジャーブ地方から、翡翠は遠く中国から、トルコ石はチベットから、ラピスラズリはアフガニスタンから、サファイアはスリランカから、カーネリアン(紅玉髄)はアラビアから取り寄せられたものだという。全体で28種類もの宝石・宝玉が嵌め込まれていた。ペルシャやアラブ、果てはヨーロッパから2万人もの職人を集め、22年の歳月をかけて建造された「世界一ゴージャスな建物」とも云われる。名前の由来は不確定ながら、王妃の名を縮めたものではないかという説が有力である。ムムターズ・マハルはペルシャ語で「宮殿の光」、「宮廷の選ばれし者」を意味する言葉であり、第4代皇帝ジャハーンギールから授けられた称号である。彼女の本名はアルジュマンド・バーヌー・ベーガムという。タージ・マハルを言葉どおりに訳せば「王冠宮殿」もしくは「宮殿の王冠」という意味になる。1983年にユネスコの世界遺産(文化遺産)に登録され、2007年に新・世界七不思議に選出された。(wiki抜粋)

2時間程かけてタージマハルを眺めたあと、俺はデリーへ戻るために駅へ向かうことにした。

男「やぁ、どこに行くんだい?」

俺「あー、駅に行こうと思って」

男「どこに向かうんだい?」

俺「デリーだよ」

男「デリー?デリーへの列車は夜だぞ?今行ったって列車はないさ」

俺「そうなの?」

男「なぁ、アーグラはタージマハルだけじゃないんだ。他にもいい所がいっぱいある。どうだ?夜の時間まで俺が色々連れてってやろうか?ベビータージ、アーグラ城はもう見たのかい?」

俺「ううん。まだだけど別に見なくていいかなぁ~って」

男「何を言うんだ!勿体無い!ほら、乗れ!すぐ連れてってやる!」

俺「えー。なんか面倒だからいいよ。それにどうせ高い金取るんでしょ?」

男「100ルピーでいい!これ以上貰わないよ」

俺「100でいいの!?」

男「ああ!勿論さ!」

俺「ふーん。じゃあ行ってもいいかな」

男「よし!乗れ」

こうして行く予定も無かったが俺はおっさんのリキシャへと乗り込んだ。おっさんは最初にアーグラ城へ向かうようだった。リキシャを漕ぎながら説明をしている。話半分に聞いていたが、どうやらアーグラ城はタージマハルを作った王様が息子に幽閉された場所らしい。その牢獄から自分の妻の墓として建てたタージマハルを終生眺めて過ごしたのだとか。

なんだその悲しい建物は・・。

おっさんは観光が終わるまで入り口で待ってると言うので俺は中に入りこれまたタップリ1時間程中を見て回った。川を挟んで遠くに見えるタージマハルは綺麗であったが、これをどんな気持ちで時の王様は眺めたのかと思うと空しいものであった。観光を終え再び入り口に向かうとおっさんがニコニコと俺に手を振っていた。

俺「お待たせ。うん、なかなか良かったよ」

男「そうだろ?嘘は言わなかったろ?よし!次はベビータージを見に行こうか!また100ルピーでいいからな

俺「は!?」

男「ここからベビータージまで100ルピーでいいって言ってるんだよ」

俺「おい待てよ。お前全部見て回って100ルピーって言ったろ」

男「冗談言わないでくれよ。ここまでだってタージマハルから随分遠かったんだ。本来なら200ルピーはもらうところだぞ?」

俺「いやいやお前さっき言ったよな?」

男「何を言うんだ。俺は本来タージ付近で客を集めてるんだ。もしお前がここでいいって言うなら俺がタージまで戻る代金を貰うぞ。お前を待ってた時間だってあるんだ」

俺「言いたい事はそれだけかクソ野郎」

男「なんなんだお前は!なぁ?皆、こいつ金払わないんだよ!」

インドB「お前どこから来たんだ?」

俺「タージからだけど」

C「あータージから100は安いわ。払ってやれよ」

俺「おいお前等関係ないだろ。俺はこいつと1日中見て回って100って契約したんだよ」

男「100でなんか回れるわけないだろ」

俺「お前が言ったんだろうが!!!」

男「じゃあいい。俺はタージに戻る。だからここからタージまでの200ルピー払え。合わせて300だ」

俺「はぁ!?なんで俺が乗らないのに払わなきゃならねぇんだよ!」

男「お前が契約を破棄したからだ!」

俺「じゃあなんだ?お前がここから戻る金が200だって言うのか?」

男「そうだ!」

俺「それってお前が漕ぐからだよな?お前が疲れるからだよな?」

男「ああそうだ!」

俺「よし。俺が漕いでやるわ。乗れ」

男「おいおい何してるんだお前」

俺「黙って乗れこのクソ野郎!!」

男「おい・・・そんな怒るなよ冗談だよ・・」

俺「黙れ!!乗れっつったら乗れ!!俺が漕いでやるわ!」

男「待ってくれ。分かった。リキシャは免許が必要なんだ」

俺「俺は国際免許持ってるからいいんだよ(嘘)!早く乗れ!」

B「がははは。面白い日本人だな。いいぞ、乗ってやれよ」

男「マジかよ・・・」


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そして俺はおっさんを乗せてタージマハルまでの道を漕いだ。

俺「よし。これでチャラな」

男「・・・・。あの・・・100ルピーせめてくれんかな」

俺「黙れ。お前がこれでいいって言ったんだ」

男「・・・・・」

俺「じゃあな」

おっさんを振り払い、道を歩いていると即別のリキシャから声がかかる。

男「おーい、どこに向かってるんだ?」

俺「駅だよ駅」

男「フォートは見たか?ベビータージに行かないか?」

俺「もーいいよ」

男「じゃあとっておきの場所があるんだ。対岸からタージマハルを眺められるんだが行かないか?入場料もかからないし人もいないから最高の場所だぞ」

俺「いくら?」

男「100でいいよ」

俺「またかよ。んじゃさ、そこ見てから駅まで送ってよ。150でいいからさ」

男「いいぞ」

俺「揉めるの面倒くさいから前金な。ほれ」

男「よーし行くぞ」

それから連れて行ってもらった場所は本当に良かった。実に穴場であった。人も少なく、俺は陽が落ちて夕方になるまで河辺でチャイを飲みながらボーっとタージを眺めた。真っ白な大理石が夕陽で徐々にオレンジに染まっていく。


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このタージを眺め、俺のインドの旅は終わった。

帰国後、両親にオーロラの写真を見せてくれと言われて見せたタージの写真。親は終始無言だった。
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ジャイプルよりデリーへ戻ってきて5日が過ぎた。これでデリーも4度目である。なにが悲しくてインド1カ国を旅してデリーに4度もこなければならないのか。勿論デリーはインド最大の都市であり、デリーを中心にして観光することも多い。しかし今回ばかりは無駄が多過ぎた。上へ右へ左へ下へ。グルリと回ればいいものを全て向かってはデリーへ戻りを繰り返した。この日、お決まりの宿で昼過ぎに起床した俺は駅へアーグラまでのチケットを確保しに向かった。

男「おい、どこに行くんだ?この上にある外国人窓口は午前中で終わりなんだ。どうだ?俺の知り合いの旅行代理店でチケットを手配しないか?安全かつ安く手配できるぞ!さぁ付いて来い!!」

俺「・・・・・」

何回この駅に来ても聞こえてくる決まり文句に「いやいいよ」の言葉も発しないで無視して階段を登る俺。そして当然のように賑わっている外国人専用窓口。紙に行き先を記入してソファーに座り自分の番まで待つと、10分程で俺の番になった。今日は空いている。ラッキーだ。

俺「アーグラまで混んでる?」

駅「いやそうでもないよ。どうする?日帰りにするかい?」

俺「日帰り?」

駅「タージマハルを見に行くんだろう?」

俺「そうだけど日帰りできるもんなの?」

駅「アーグラまでは2時間ちょっとだから、朝1番で行って帰りは最終にすれば戻れるさ」

俺「どうしよう。うーん、でも日帰りだと心配だから3日後にまたデリーに戻るチケットにするよ」

駅「そうか。分かった。じゃあ明日アーグラへ、4日後にデリーへのチケットだ。ほら」

俺「有り難う」

スンナリとチケットを購入でき再び宿へ戻る。帰りにまた土産物屋のおっさんに呼び止められるも華麗にスルーする。宿へ戻りベッドに寝そべり、携帯電話でこれまで撮影してきた写真を見返してみる。特に内容も何もないインドだったが早いものでもう2ヶ月近く滞在していることになる。この宿のドミトリーのベッドも定位置がしっかり決まってしまった。携帯の液晶に写る写真を眺めているとジャイサルメールの砂漠で野宿したのがつい先日のことのようだった。思い起こせばろくなことがなかった。特に感動もしなかった。だから最後にタージマハルを見て、せめて自分でインドに納得のいく思い出としてインドを後にしたかった。


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翌朝、皆が寝静まるドミトリーを抜け出し駅へ向かう。3日間の着替えなどをデイバックに詰め、バックパックは宿へ置いて俺はアーグラへ向かった。豪華な食事が出ると噂の列車も出てきたのは画像のおかしのみ。当然期待などしていなかったので隣に座った中年女性に食事をあげると喜んでバッグにしまっていた。列車は1度も停車することなく2時間弱でアーグラカント駅へ到着した。


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駅へ到着してもしばらくはホームで時間を潰す。客引きがうるさいからである。15分程ホームでチャイを飲み、乗客の姿が見えなくなったのを見計らい駅から外へ向かうも、何故か大量のインド人に囲まれてしまう。

男「おい!タージだろ!?乗れ!」

男2「俺の方が安くしてやるから俺のに乗れよ!」

男「おい!俺が先に見つけた客だぞ!」

男3「サイクルでも十分行ける距離だからサイクルでいかないか?もっと安く行けるぞ」

俺「あの・・・私まだ何も言ってませんが・・・」

男「・・・・。お前・・・?タージに行くんじゃないのか?」

俺「いや行くけどさ」

男「ほらみろ!じゃあ乗れよ!」

俺「違う違う。今日はいかないよ。明日でいいしさ」

男「じゃあ今日はどこに行くんだ?」

俺「まぁタージ付近の宿でも探して明日朝1番でタージに向かうことにするよ」

男「よし!宿もいい場所知ってるんだ!屋上からタージが一望できるんだぞ!いいだろ!?」

俺「マジで?それはいいね!夜のタージとか見ながら屋上で酒飲むのもいいなぁ」

男「よーしよし!屋上はレストランもやってるんだ!」

俺「はい決まり!じゃあお願いします」

男「まかせろ!」

なんと最後にふさわしい宿ではないか。月明かりに照らされたタージを見ながら優雅に酒を飲む。これ最高でしょう!俺はオートリキシャの座席で今晩の酒を考えながらアーグラの街並みを眺めていた。

男「なあジャパニーズ?お前名前なんて言うんだ?」

俺「俺?ぷらぷらだよ」

男「ぷらぷらか!いい名前だな。そこでお願いがあるんだがいいか?」

俺「・・・。なんだよ。聞くだけ聞いてやるよ」

男「お前今日1日俺をチャーターしないか?」

俺「しない。宿に向かって」

男「そう言うなよ。アーグラは見所沢山あるんだ。でも場所が離れてるしいちいちリキシャ探してたら大変だぞ?」

俺「だから今日は観光なんかしないって」

男「そうか・・・」

俺「あ!!ねぇ、お願い俺からもあるんだけど?」

男「なんだ?」

俺「30ルピーあげるから運転させてよ」

男「運転!?」

俺「うん」

男「30ルピーくれるのか!?」

俺「うん。あげるからさ。少しでいいよ」

男「じゃあそこのガソリンスタンドまでだぞ」

俺「OK~!」


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こうして俺はほんの100m程だが運転をさせてもらった。感想としてはポンコツバイクそのものだ。ガソリンスタンドついでに給油し、再び座席に戻り宿へ向かう。

男「着いたぞ。すまないがここから先は徒歩しか入れないんだ」

俺「ふーん。はい、お金。宿は行けば分かる?」

男「ああ、タージの入り口もこの先だからすぐ分かるさ」

俺「おっし!久々にまともなインド人に会ったぜ。あんがと!じゃあね~」

おっさんに別れを告げ、指示された方へ向かうと何軒もの宿がある。どれが目的の宿なのか検討もつかないが、屋上にレストランがある所というのを思い出した俺は客引きに「屋上にレストランある?」と質問することで無事目的の宿を見つけることができた。宿はタージの目の前ということもあり少し高い450ルピーであった。1泊日本円で約1000円だが、インドの最後を飾るにはふさわしいだろう。俺は少しリッチにシングルルームにチェックインすることにした。

俺「ねぇ、ガイドブックか何かない?」

宿「日本人用のガイドブックなら少し古いけどあるぞ」

俺「マジ?それ見せてもらえない?それに屋上にレストランあるんでしょ?」

宿「ああいいよ。レストラン?お腹が空いたのかい?」

俺「まだ何も食べてないからね。とりあえずスプライトとフライドライス作ってよ」

宿「分かったよ。じゃあ屋上で待っててくれ」

俺は部屋に鍵をし、タージを一望できるという屋上へ向かった。しかし・・・。


俺「・・・・。」

宿「はい、スプライトとフライドライスおまちどう」

俺「ねぇ。タージってあれ?」

宿「ああそうだよ」

俺「半分以上見えないじゃん」

宿「仕方がないさ。他にも建物はあるからね」

俺「一望できるって聞いてきたんだけど」

宿「一望?うちからは無理だよ」

俺「夜にここで酒飲みながら見ようと思ってたんですけど」

宿「夜?夜に屋上なんか上がったら野猿に全部荷物持ってかれちまうよ。ガハハハハ」

俺「ガハハじゃねぇよ。レストラン夜やってないの?」

宿「夜はやっとらんよ。この辺はサルが多いんだよ」


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俺「あの・・・3泊するつもりだったけど今晩だけでいいや」

宿「なんでだい!?」

俺「なんでもクソもあるかよ!屋上から見えないんじゃ意味ないじゃん!」

宿「屋上も何も夜は真っ暗で何も見えんよ」

俺「え!?」

宿「だから真っ暗で何も見えんよ」

俺「ライトアップとかしないの・・・?」

宿「せんよ・・・」

俺「・・・・・」

宿「・・・・・」

こうして俺は無駄な期待を裏切られ、この宿で3泊過ごすこととなった。
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ジャイプルへやってきて1週間が過ぎた。思い返してみると風の宮殿とシティパレス、アンベール城にジャイガル要塞しか行っていない。ここ数日は宿の屋上でスプライトを飲みながらボケーっと本を読むか、宿周辺の銀細工店に顔を出して欲しくもないブレスレットやネックレスを眺めて回った。ある日、いつものように宿の前にある食堂でフライドライスでも食べようかと外に出ると日本語で話す声が聞こえた。見ると大学生と思わしき若者が今まさに俺の泊まっている宿に泊まろうかどうかと悩んでいるではないか。俺は声をかけた。

俺「あのー、日本人ですよね?」

大1「はい。あ、ここ泊まってるんですか?」

俺「うん」

大1「どうですここ?いい感じですか?」

俺「いや、良くもないし悪くもないよ。そこまで安いわけじゃないしね」

大2「もうインドに入って長いんですか?」

俺「もうすぐ2ヶ月になるよ」

大2「ジャイプルって見所どっかあります?」

俺「うーん。一応ガイドブックに載ってるのしか知らないけど、俺はインド自体そこまで魅力を感じなかったから今は宿で引きこもりになってるよ」

大2「はぁ・・」

俺「今から飯食べに行くんだけど良かったら一緒にどう?」

大1「あ~すいません俺達今マック食べてきたんですよ」

俺「マック?」

そういえば誰だったかインドにはご当地マックがあると言っていたような記憶がある。そうだ!俺もそれを聞いて食べたくてコンノートプレイスまでわざわざ行ったんじゃないか!

俺「もしかしてマックマハラジャー?」

大1「そうそう!食べました?」

俺「いや、まだなんだよね。フライドライスにも飽きてたし、俺もマック食べに行ってこよーっと。有り難うね」

大1「はい、行ってらっしゃ~い」


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こうしてみると俺も随分インドに慣れてきた。道端に座り込む牛にも、道路に平気で転がっている糞にも驚かない。バラナシに比べればそれはもう別天地のジャイプルだが、これもまあ日本に比べれば別天地だ。俺は大学生2人と分かれ駅へ向かって歩き始めた。するとスグにリキシャのおっさんから声がかかる。これももう慣れたものだ。

俺「マクドナルド行きたいんだけど分かる?」

リ「勿論さ!」

俺「20ルピーでどう?」

リ「30はくれよ」

俺「じゃいいや。他のリキシャ探すよ」

リ「おいおいおい!待ってくれよ20でいいよ」

一日に幾度と無く繰り返されるこのやりとりもインドを旅する上ではお決まりの光景だ。座席に座り、ペダルを漕ぐインド人の背中を眺めると同時に街の景色を味わう。すると突然リキシャが停止した。

俺「え?もう着いたの?」

見ると他のリキシャの運転手と世間話してるじゃないか。まぁ別に急がないしいいだろう。

リ「おい、喜べ!分かったぞ」

俺「なにが?」

リ「何ってお前マクドナルドに行きたいんだろ?」

俺「うん」

リ「そのマクドナルドの場所が分かったって言ってるんだよ」

俺「お前知らなかったのかよwwww」

リ「さぁ、いくぞ!」

連れていってもらったマクドナルドはインドの街並みに似合わない、いつも俺が日本で見ているマクドナルドそのものだった。中に入りご当地マックであるマックマハラジャーを注文すると「OK」との返事。


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インドに入ってから肉という肉を食べていなかったのでマクドナルドと言えど肉が食べられるのは非常に嬉しい。箱を開け、いざご当地マックとのご対面。その見た目、味は是非ともインドでご確認くださいw腹も膨れ、堪忍袋も膨れた俺は再びリキシャで宿へ戻った。このままダラダラとジャイプルで過ごしても仕方が無いだろう。ここはもう腹をくくってデリーに戻ろう。それでタージマハルを見て日本へ戻るべきだ。無理に時間と金を浪費ひなくたっていいはずだ。だってまだ旅は続くのだから。


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(ジャイプルで飲める有名ラッシー。非常に美味しいので是非!)
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教えられた道程がデタラメだと気付いたのは30分後だった。既に歩く気力もないのでリキシャを捕まえ駅へ向かい、目に付いた宿でその日は夕飯も食べずに眠りについた。昨晩早く眠ったからか翌朝早く目が覚め、宿の屋上でコーラを飲みながらボーっと過ごしていると宿の従業員がやってきた。

俺「おはよー」

従「おはよう、早いな。どこか行くのかい?」

俺「いやそれがさ、ジャイプルは見所が沢山あるからと聞いて来たのに実際何も見るものなくない?」

従「おいおい!何を言うんだ!」

俺「だって昨日シティパレスも風の宮殿も行ったけど特別面白くなかったよ」

従「じゃ・・・じゃあアンベール城は行ったのか?」

俺「アンベール城?」

従「ちょっと遠いがジャイプルの街を一望できるいい場所だぞ」

俺「へぇ~!そんな場所あるんだ!なんか人工の建造物なんか見飽きてたし、そっちの方が断然興味あるかな!おし、今日はそこに行ってみようっと。どうやって行くの?リキシャでいける?」

従「オートなら行けるがサイクルだと遠いかな。バスなら安いからバスで行けばいいよ」

俺「ふむ。バスはどこから乗るの?」

従「風の宮殿の近くにターミナルがあるから、そこから乗ればいいさ」

俺「OK~!ありがとう!」

その後部屋に戻りルームサービスでバタートーストを食べ、俺は風の宮殿へ向かった。1度行っている事もあるし今日は予定もないので多少遠かったが歩いて向かうことにした。道中何度もリキシャのおっさんが寄ってきたが華麗なるスルースキルを発動し一切無視。1時間程歩くと無事に風の宮殿へ到着した。だが辺りを見渡してもバスターミナルがない。

俺「ちょっとそこのお土産屋さん?」

男「いらっしゃい!安いから見ていってよ!」

俺「いや残念ながら買い物じゃないんだ。この辺にバスターミナルない?」

男「ターミナルはないがバス乗り場はそこだよ」

俺「え?これ?」


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そこはターミナルには程遠い、ただのバス停であった。大型バスからワンボックスの乗り合いタクシーまで多くの車輌がその場所にやってきては走り去っていく。しばらく観察してみて分かったが、バスのチケットは無いらしい。料金はバスの中で支払うようだ。俺は地面に座って談笑しているおっさんグループにアンベール城まで行くバスはどれか訪ねてみることにした。

俺「お尋ねします。アンベール城まで行くバスはどれでしょう?」

お「お、おおおお?お前日本人だな?」

俺「はい日本人です。アンベール城まで行くバスはどれでしょう?」

お「おい!お前等来てみろ!こんなとこにジャパニがいるぞ!」

俺「あの・・・」

お2「おお、本当だ!お前こんなところで何しているんだ?」

俺「あのですね、私はアンベール城に行きたいんです。それでアンベール城に向かうバスはどれなのか教えて欲しいんですがどれでしょうか?」

お2「アンベール城?それより俺達の写真を撮ってくれないか?」

俺「・・・・・。もういいです」

お「待て待て待て!!アンベール城に行くバスはあれさ。あれに乗ればそのままアンベール城の目の前まで乗せてってくれるよ」

俺「ありがとう。じゃあね」

お2「待てよ!写真撮ってくれよ」

俺「なんでだよ・・・。まぁいいか。ほれ、ポーズとれ」


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よく分からないがおっさんの写真を撮影し、俺はバスへ乗り込んだ。


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バスは走りながら人を降ろし、また走っているバスに飛び乗ってくるインド人を乗せアンベール城へと向かった。峠を越え、坂を下り、やがて平地にさしかかると左手に見える山肌に建物が見えてきた。間違いない、あれがアンベール城なのだろう。隣に座っている男性に「アンベールフォート?」と確認すると「イエス」の言葉と共に何故か「写真撮ってくれ」との返事が返ってきたので俺は無視した。バスを降り入り口にいた兵士に声をかけるとアンベール城は坂道を登った先にあるらしい。ふと坂道を見上げると遥か彼方まで道は続いている。

俺「え?これ歩くの?」

兵「ああ。アンベール城はこの先だからな」

俺「マジで?すげぇ遠くない?」

兵「なーにすぐさ。なんなら象に乗っていくこともできるぞ」

横を見ると象が3頭ほど座っており、その横で笑顔のインド人が手招きをしている。真顔のインド人と笑顔のインド人ほど怪しいものはこの世に存在しないとここ1ヶ月半で悟った俺は意を決して坂道を登り始めた。


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歩いては休み、歩いては休みと1時間程経過したが一向に城らしきものが見えてこない。先をみるとまだ2~3kmはあるだろう。そしておかしな事に観光客が誰もいない。俺は思った。間違えているのではないかと。歩くのも疲れたし考えてみると城も人工の建造物だ。インド人が作ったものだしロクなもんじゃないだろうと宿に戻ろうかと思っていると、前方からバイクがやってきた。急いでそのバイクを止める。

男「なんだお前!危ないじゃないか」

俺「ねぇ、アンベール城ってここからまだ歩くの?」

男「アンベール城?アンベール城はあれだろ」

男の指差す方向はまさに俺が苦労して登ってきた坂道の入り口付近をさしている。

俺「え?あれ?」

男「ああ。この先はジャイガル要塞だぞ?」

俺「なにそれ?」

男「なにそれって・・・ジャイガル要塞だろ・・・」

俺「行ったほうがいいの?」

男「まぁ・・・なんだ・・・せっかくここまで歩いてきたようだしな・・・」

俺「はぁ・・有り難う」

どうやら俺はアンベール城の入り口を越え、その先にある要塞とやらへ向かっていたらしい。バイクの男曰く、見晴らしがいいのはジャイガル要塞からだそうだ。入り口からおよそ半分は上ってきてしまったので今更引き返すのも癪に障る。俺は久々に根性で上ることにしてみた。汗をたらし、既にTシャツはしめっている。南米から戻り完全に運動不足だった俺にとってこの坂道は辛いものがある。フラフラと歩いていると突然俺を呼ぶ大声がした。


「おい!!!」


思わず驚いて固まる俺。


「おい!ここだ!!」


どこだ!?誰だ!?声のする方向を見ると道の奥の茂みのような場所の壁にインド人のおっさんがいる。

俺「え!?何!?俺!?」

お「そうだ!お前だ!」

俺「何!?」

お「俺の写真を撮ってくれ!」

俺「は!?」

お「写真だよ!」

俺「え!?なに!?そこで何してるの?」

お「涼しいんだよ。ここは」

俺「は!?は!?」

お「ほら、ポーズ決めるから早く!」


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意味も分からず写真を撮るとおっさんは満足げに地面に座り込み「行っていいぞ」と俺に手を振った。何なんだアイツは・・・。


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その後やっとの思いで頂上へ辿り着き、要塞とやらを見学してみたが風景がそこそこ綺麗なだけで見所はなにもなし。世界一大きな大砲があると言われ見てみたが写真を撮るにも価しないものだった。俺は深くため息を吐き、宿へ帰った。
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